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2025年1月25日(更新:2025年1月25日)
技術面接とは?何が重視されるの?
技術面接は、理系学生の技術的なスキルや学習内容を確認するだけでなく、ポテンシャルや成長性を評価する場です。特に新卒採用では、即戦力を求めるのではなく、以下のような観点が重視されます。
・学びに対する姿勢
専攻分野だけでなく新しい技術や未経験分野に対して、どのように取り組み、吸収していくかが問われます。
大学院生だと研究活動をもとに話すことができますが、理系学部生だと研究活動が始まっていないことも珍しくありません。その際には、講義・実験実習・自学習・課外活動などの経験をもとに伝えることで、積極的な学びの姿勢を示すことができます。
・課題解決能力
技術面接では、問題に直面した際の具体的な対処法や、論理的に解決策を導き出す力が評価されます。研究の成果がまだない場合でも、実験課題や演習で困難を克服したプロセスを語ることが有効です。
・コミュニケーションやチームワーク
研究や設計などの仕事においても、プロジェクトはチームで進めることが一般的です。所属する部署だけでなく、別の部署と連携することや、お客様と仕様について打ち合わせすることなどがあります。そのため、他者と協働し、役割を果たしながら成果を出す能力が求められます。
・伝える力
技術以外の担当者が面接官の場合、誰にでもわかりやすい言葉で説明を求められることがあり、これに沿った説明ができるかどうかも重要です。実際の仕事でも、他の部門やお客様と会話する際など、専門用語が通じない場合は多々あります。
以上の点から、研究活動が未経験の理系学部生であっても、学業や課外活動で得た経験を掘り下げることで、自分の強みをアピールできます。技術面接は自分の可能性を伝えるチャンスですので、過去の取り組みを棚卸しし、どのように成長してきたかを丁寧に整理して臨みましょう。
技術面接での質問例とアプローチ
技術面接では、学生の研究、学業、その他の経験について深掘りしながら、個々のポテンシャルを評価します。以下に、質問例をいくつか挙げ、研究が始まっていない場合の回答例も含めて紹介します。
質問例1: 「研究テーマと選んだ背景を教えてください」
研究テーマが決まっている場合は、テーマの選定理由や意義を説明しましょう。研究が始まっていない場合でも、興味のある分野や学びたいテーマを語ることが可能です。「まだ決まっていません」とだけ返答してしまうと、消極的な側面があるとマイナス評価される場合もあるので要注意です。
回答例1(研究テーマが決まっている場合):
「私の研究テーマは、〇〇材料の特性を活用した新しいエネルギー効率化技術の開発です。このテーマを選んだ理由は、地球環境問題への貢献ができる技術を追求したいという想いからです。高校時代に地球温暖化に関する講演を聴き、技術を通じて持続可能な社会を実現する手助けをしたいと強く感じて〇〇大学に進学しましたので、この課題解決に繋がるような研究テーマを選びました。」
回答例2(研究テーマが未定の場合):
「研究テーマは大学4年の4月に確定するため未だ確定していませんが、材料工学に関連するテーマを選ぶ予定です。大学の授業で、〇〇材料が環境負荷の低減や耐久性向上に寄与する事例を学び、持続可能な社会を実現するための技術開発に挑戦したいと考えています。これから研究テーマを選ぶ際には、環境に配慮した新素材の応用に携われる内容にする予定です。」
質問例2: 「技術を応用した具体例を挙げてください」
研究や授業で学んだ技術をどのように活用したかを説明することで、実践力と問題解決能力をアピールできます。研究が始まっていない場合でも、授業や実験での経験をもとにしたエピソードを語ることが可能です。
回答例:
「〇〇の課題に取り組みました。この課題では、大量のデータを迅速に分析する必要があり、初めは手動での解析に時間がかかっていました。そこで、△△というアルゴリズムを活用して計算の効率化を図りました。この手法により、解析にかかる時間を半分以下に短縮でき、結果的に予測精度が15%向上しました。また、この経験を通じて、理論的な知識を実務に適用する際のプロセスや課題を学ぶことができました。」
質問例3: 「失敗から学んだことを教えてください」
失敗は誰にでもあることで、失敗に対する向き合い方を面接官は特に評価しています。失敗から学んだことや、それをどう活かしたかを伝えることで、改善力や成長意欲を示すことができます。
回答例:
「〇〇の実験において装置の設定を誤り、重要な実験データを消失してしまったことがあります。この経験をきっかけに、バックアップの重要性を痛感しました。その後は実験前に設定をダブルチェックし、複数の場所にデータを保存する習慣を徹底しました。また、この出来事をチームに共有し、メンバー全員で同様のミスを防ぐためのプロセスを構築しました。この失敗を通じて、個人の成長だけでなく、チーム全体の改善にも貢献できたと感じています。」
質問例4: 「チームで課題に直面した時、どのような取り組みを行い、何を学んだのか教えてください」
この質問では、チーム全体の話だけでなく自分自身に焦点を当てて話しましょう。また学業以外も含めて話して大丈夫であれば、自分が自信持って話せる体験からアピールしましょう。
回答例1:
「大学の実験実習で、新規材料の特性評価に取り組んだ際、チームのリーダーとして全体の進行を管理しました。初期段階ではデータのばらつきが大きく、原因の特定が困難でしたが、メンバー間で役割分担を明確にし、測定条件の確認や試行錯誤を繰り返しました。結果的に、条件を最適化することで一貫したデータを得ることができ、チーム全体の協力が成果を出す鍵であると実感しました。また、リーダーとして他者の意見を尊重しながら進めることで、プロジェクトを成功に導けた点が自信につながっています。」
回答例2:
「サークル活動で〇〇のイベントを企画した際、私は進行管理を担当しました。特に課題だったのは、メンバー間でタスクが重複したり、期限が守られないケースが多かったことです。そこで、スケジュール管理ツールを導入し、タスクの進捗を全員が共有できる仕組みを提案しました。この方法により、チームの連携がスムーズになり、イベントを予定通り成功させることができました。この経験から、チームで成果を出すためには、明確な役割分担とコミュニケーションが不可欠であることを学びました。」
質問例と回答例は以上となりますが、他にも様々な質問が想定されます。企業によっては独特な質問が来ることもあるので、臨機応変に対応できるよう準備しましょう。
まとめ
技術面接は、スキルだけでなくポテンシャルや成長性も含めて評価する場です。研究や学業などの経験を論理的に伝える練習を行い、自分の努力や柔軟性を示しましょう。
また専門的な知識だけでなくチームワークなど様々な観点で深堀りされますので、「学内で成績が良くないので知識に自信がない」等であっても、今の自分に話せることを追求することが大事です。準備を怠らず、面接に自信を持って臨んでください!