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2025年3月6日(更新:2025年3月6日)
理系の就職活動においても「志望動機」は重要なポイントです。素直に自分の気持ちを伝えることが大切ですが、伝え方次第で相手にどこまで届くかが変わってきます。この記事では、理系学生ならではの志望動機作成のポイントや、学部生と院生の違いを踏まえた着眼点を解説します。
1. 理系就活で志望動機が重視される理由
企業の採用担当者は、なぜ理系学生の志望動機を重要視するのでしょうか。特に以下の点が挙げられます。
・数ある企業の中からなぜ自社を選んだかを知るため。
・理系の専門性が自社の技術や製品にどう活かせるか確かめるため。
・入社後の成長イメージや貢献度を測るため。
・カルチャーフィットして定着し、活躍できるイメージがもてるかどうかを確かめるため。
・内定を出した際、承諾してもらえる可能性がどの程度あるかを見極めるため。
企業によって重視する点は異なりますが、大きくはこれらの理由が挙げられます。理系学生は実験や研究など学術面での強みを持っている一方で、「企業が求める人物像と合っているか」「周囲と馴染み、やりがいをもって活躍するイメージを与えられるか」などを具体的に示さないと、自分の良さや想いが十分に伝わらないおそれがあります。
2. 書き出しの工夫で印象を変える
志望動機は全体の構成も大切ですが、書き出しだけで第一印象が大きく変わります。
・結論を先に示す
「貴社の○○技術を通して世の中に○○を届けたいと考え、志望いたしました」のように最初に理由を伝えると、続きを読みたくなるきっかけを与えられます。
・簡潔な“タイトル”を付ける
「“環境に優しいものづくり”に貢献したい」など、要点を端的なフレーズにして冒頭で示すと印象に残りやすくなります。
ありきたりな書き出しや分かりにくい書き出しでは、採用担当者に最後まで読んでもらう前に印象が薄くなってしまいかねないので注意しましょう。
3. 志望動機全体の構成を考える
志望動機は大きく4つのパートに分けて考えると書きやすくなります。
1. 結論: なぜ志望しているのかを最初に明確に。
2. 理由・根拠: その結論に至ったきっかけや、自分の経験・興味とのつながりを示す。
3. 企業を選んだ理由: その企業独自の技術・社風・事業内容などを盛り込み、他社との違いを意識する。
4. 入社後の目標: 自分のスキルや経験をどう活かして貢献できるか、どんなキャリアを思い描いているかを説明する。
「自分がやりたいこと」と「企業が求める人材像」が交わるポイントを意識して構成すると、説得力が増します。理由・根拠の部分で独自性のあるエピソードを入れると、志望度の高さがより伝わりやすくなるでしょう。
たとえば、自動車メーカー・自動車部品メーカーの内定者だと、車が好きな話(ドライブ、整備、カーレース等)、安全性にまつわる話(車に限らない自身の体験)、ロボット制御経験を活かして自動運転に貢献したい話などを伝えて内定となった方々もいます。
4. 学部生と院生、それぞれのアピール方法
理系では、専門性をアピールする際に理系学部生と理系大学院生で異なるアプローチになる場合があります。
・理系学部生
– 授業や演習、実験での取り組みをアピール。
– 「潜在力」や「柔軟性」、企業での成長意欲を強調するのも◎。
– サークル活動や学内外のプロジェクト経験などを交え、チームでの問題解決能力を示す。
・理系大学院生
– 専門性や研究テーマの深みをアピール。
– 研究成果が企業の事業にどうつながるかを具体的に語れば説得力が増す。
– 「即戦力」として期待されることが多いので、実験データや論文執筆などの成果を簡潔にまとめる工夫が必要。
企業によっては、院生には研究内容をすぐ業務に活かせるかどうかを重視し、学部生には将来性や人材としての伸びしろを期待することがあります。企業の価値観によって一概には言えませんが、それぞれの特性や強みを活かした伝え方も1つの工夫になります。
5. よくあるNG例と改善ヒント
■NG例①
「貴社の企業理念に共感し応募いたしました。自分のスキルを生かせると思い、応募を決意しました。」
→ どの部分に共感したのか、どんなスキルを生かせるのか書かれていないため、説得力に欠ける。
改善:「貴社が掲げる『環境負荷を低減する生産技術』に共感しました。大学で学んだ表面処理技術を活かして、より効率的なものづくりに貢献したいと考えています。」など、具体的なアプローチを示す。
■NG例②
「学部での研究がとても楽しかったので、もっと専門的な開発がしたいと思っています。」
→ 企業で実現したいことが伝わらず、ただ研究が好きなだけの印象に終わる。
改善:「学部時代に行ったロボット制御の実験で培ったノウハウを、貴社の自動化プロジェクトで活かし、より高精度で安全なシステムを目指したい。」のように企業の具体的な事業やプロジェクトなどに結びつける。
6. まとめ
理系学生が志望動機を書く際、学習内容、研究内容や実験成果を羅列するだけではインパクトに欠けることが多いです。
・結論を先に述べ、「なぜその企業を選んだのか」を掘り下げる
・自身の経験を企業の技術やサービスにどう活かすかを具体的に示す
・学部生は専門性以外もアピールできる余地が多い
これらを押さえることで、採用担当者が「ぜひ会って話を聞きたい」と思うような志望動機に近づきます。中にはこれらに限らない志望動機を伝えて内定となった方もいるので、「これが絶対に正解」といったことはありません。
最終的には自分の言葉でまとめ直し、企業ごとにカスタマイズして「他の人がコピペできないような、自分らしさ溢れる志望動機」を作っていきましょう!