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2025年4月10日(更新:2025年4月10日)
理系就活生が気をつけたい言葉づかい。就職活動では、企業の方とのメールや面接、電話などで「丁寧に話しているつもりなのに、実はNGな敬語を使っていた…」というケースが意外とよくあります。
特に理系学生の場合、研究室や学会などでのやりとりに慣れていると、ビジネスの場にふさわしい言い回しとのギャップに戸惑うこともあるのではないでしょうか。
例えば、指導教員や先輩とのやり取りでは通じていた表現でも、就活の面接官や人事担当者には「おや?」と思われてしまうことも。この記事では、理系学生が就活の場面でつい使ってしまいがちなNG敬語と、正しい言い方を、よくあるシチュエーション別にご紹介します。
目次
「ご苦労様です」は目上の人には使わない!
NG例 (メールで企業の方へ):ご苦労様です。お忙しい中、ありがとうございます。
正しい例:お忙しい中ご対応いただき、誠にありがとうございます。
ポイント
「ご苦労様です」は、基本的に目上の人が部下などに使う表現。企業の方に対しては控えておきましょう。就活メールの冒頭で使ってしまいがちな方は要注意です。
「了解しました」はカジュアルすぎる
NG例(企業からの連絡に対して):了解しました。○月○日に伺います。
正しい例:承知いたしました。○月○日にお伺いいたします。
ポイント
「了解しました」は研究室内や友人間では一般的ですが、就活では少し軽すぎる印象。ビジネスメールや面接では、「承知いたしました」「かしこまりました」が適切です。
「参考になりました」は謙虚さに欠ける?
NG例(フィードバック後):先ほどのご意見、大変参考になりました。
正しい例:貴重なご意見をいただき、誠にありがとうございます。今後の就職活動に活かしてまいります。
ポイント
「参考になりました」は悪い表現ではありませんが、少し一方的な印象になりがち。「ありがたく受け止めている」という姿勢を示す言い回しにすると、より好印象を与えられます。
「とんでもございません」は間違い!
NG例(褒められたとき):とんでもございません。
正しい例:恐れ入ります。まだまだ未熟ですが、精進してまいります。
ポイント
正しくは「とんでもないことでございます」。略してしまうと文法的に誤りになるため、謙虚な姿勢を見せたいときは「恐れ入ります」「恐縮です」などを使いましょう。
「こちら〇〇になります」は過剰敬語?
NG例(研究発表などで):こちらが私の研究になります。
正しい例:こちらが私の研究です。
ポイント
「〜になります」は接客バイト等で誤用として広まった表現です。丁寧に聞こえる表現ではありますが、面接などの場面では違和感を抱かれることもあります。「〜です」「~でございます」とシンプルかつ丁寧に伝えましょう。
シーン別・敬語の正しい使い方
【面接での敬語】
面接では、第一印象が決まる「受け答え」の敬語が重要。特に理系学生は、研究内容の説明など専門的な話になると、つい難しい表現や言い回しを使いがちなので注意が必要です。
NG例:「私がやらせていただいた研究は〜」
→謙虚なようで過剰敬語+やや不自然。
正しい例:「私が行った研究では〜」または「私の研究では〜をテーマに取り組みました」
よくあるQ&Aの敬語パターン
Q:志望動機を教えてください。
→「はい、御社を志望した理由は、大きく2つございます。」
※「2点ございます」でもOKですが、「大きく2つ」のほうが少し口語寄りで話しやすい印象です。
Q:自己PRをお願いします。
→「私の強みは、複雑な課題にも論理的に向き合えるところです。」
※「〜できる点です」でも可。自分が話しやすい表現がおすすめです。
Q:最後に何か質問はありますか?
→「本日はお時間をいただき、ありがとうございました。1点だけお伺いしてもよろしいでしょうか?」
※「貴重なお時間を〜」も丁寧で良いですが、やや堅めなので、口頭では「お時間をいただき〜」くらいがちょうどいい場合もあります。
【メールでの敬語】
学生生活の中で、教授や研究室、アルバイト先などでメールを使う機会は増えてきましたが、企業とのやりとりとなると、使う言葉づかいやマナーが少し変わってきます。就活メールでは、相手に配慮のある丁寧な表現がより一層求められます。
NG例(件名なし、挨拶なし):
先日の面接の件、ありがとうございました。
次回の日程ですが、○○で大丈夫です。
▼ ここがNG!
・件名がない → 相手がメールを見落としやすい
・宛名や挨拶がない → いきなり本文に入るのはビジネスマナーとしてNG
・「大丈夫です」→ くだけた表現で就活の場には不適切
▼ここがGood!
・件名に要件+氏名 → 一目で内容がわかる
・冒頭の挨拶と自己紹介 → 社会人として丁寧な印象に
・「大丈夫です」ではなく「承知いたしました」 → 敬意のある正しい表現
【電話での敬語】
「電話が一番緊張する…!」という学生は少なくありません。相手の表情が見えないぶん、言い回しやタイミングに戸惑ってしまいがちですよね。でも、よく使うフレーズや定型の流れを覚えておけば、意外と怖くないものです。ここでは、就活でよくある電話のシーン別に、使える言い回しをご紹介します。
よく使う電話フレーズ集
名乗り方:「お忙しいところ失礼いたします。○○大学○○学部の○○と申します。」
取り次いでもらうとき:「採用担当の○○様はいらっしゃいますでしょうか?」
相手が不在だった場合:「それでは、また改めてお電話させていただきます。失礼いたしました。」
聞き取れなかったとき:「恐れ入ります。もう一度お伺いしてもよろしいでしょうか?」
まとめ:敬語は“相手への思いやり”を伝えるツール
就職活動では、自分の専門性や経験を伝えるだけでなく、「どのように伝えるか」も大切な評価ポイントになります。敬語ってむずかしそうに感じるけれど、いちばん大事なのは“丁寧に伝えよう”という気持ち。
多くの企業では敬語を細かくチェックすることはありませんが、違和感のある表現が多用されると懸念事項になる場合もあります。
完璧じゃなくても大丈夫。少しずつ慣れていけば、自然に身についていきます。そして、その積み重ねは、あなた自身の自信にもつながっていきます。焦らず、一歩ずつ。言葉づかいもあなたらしく磨いていきましょう!