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- 公開日:2022年10月22日
- 最終更新日 : 2023年12月31日
それぞれの雇用形態や働き方などの違いから、技術派遣社員とメーカー社員のキャリア形成の方法を解説します。
目次
- 技術派遣社員とメーカーの違い
- 技術派遣社員とメーカーの社員のキャリア形成の違い
- 技術派遣社員のキャリア形成
- メーカー社員のキャリア形成
- まとめ
技術派遣社員とメーカー社員の違い
技術派遣とメーカー社員では、雇用形態から仕事内容までさまざまなところに違いがあります。
それらの違いはどのようなものかを解説します。
雇用形態
まずいちばんの違いとして雇用形態があげられます。
・技術派遣社員
技術派遣は派遣会社を介してメーカーや企業に派遣される、「登録型派遣」または「常用型派遣」という雇用形態になります。
登録型派遣は、企業に派遣されたときにのみ派遣会社と就業者が雇用契約を結びます。
登録型派遣は有期雇用のため、同じ派遣先の企業で働けるのは基本的に3年までというルールがあります。
一方で常用型派遣は、企業への派遣期間が終わっても雇用が続き、また別の企業へ派遣されます。
そのため登録型派遣と異なり、同じ企業で3年を超えて働くことができます。
・メーカーの社員
メーカーの社員はメーカーでの直接雇用であるため、就業者は就職先のメーカーと直接雇用契約を結びます。
雇用期間に定めはなく、正社員の場合はその会社で長く働いてもらうことを前提に雇用する場合が多いです。
雇用形態は正社員から契約社員、パートまでさまざまですが、この記事では正社員を考えます。
職種や働き方
技術派遣社員とメーカーの社員では、職種や働き方も異なります。
・技術派遣社員
技術派遣とは、派遣社員の事務職や営業職など様々な職種の中でも特に、IT系のエンジニアや機械系のエンジニアなどの技術系の職につく派遣社員のことです。
技術派遣では特定の期間のみ働くため、案件ごとに働くなど柔軟な働き方が可能です。
しかしスキルや得意分野があっても、市場環境や派遣元企業の状況によって希望通りではない仕事を任される可能性もあります。
そのため特定の製品や開発分野に携わりたくても、実現できないこともあります。
さらに契約時に仕事の範囲が定められるため、責任のある仕事はできないことも多いです。
例えば機電系エンジニアであれば、実験評価~詳細設計までは派遣社員の仕事として任されるため経験が積めますが、構想設計~基本設計はメーカー社員が対応する場合が多く、経験を積むのが難しいことがあるでしょう。
・メーカーの社員
メーカーの社員は、人事部や社内の会議により決まった部署で仕事をするため、必ずしも部署や仕事の希望が通るわけではありません。
しかし技術派遣のように期間の定めがないことから、部署異動の申し出をすることで将来的にやりたい仕事ができる可能性もあります。
またメーカーの社員はメーカーで直接雇用されていることから、会社の秘密に関わる仕事や責任のある仕事を任されやすいでしょう。
ひとつのプロジェクトを任された場合も、派遣社員では実験評価終了までなど途中までしか任されない仕事でも、メーカー社員は最後まで対応します。
そのため派遣社員よりやりがいを感じる場面が多く、仕事に対する実力をつけることができます。
給料
技術派遣社員とメーカーの社員には、給与形態の違いも存在します。
・技術派遣社員
技術派遣の場合、常用型派遣は派遣会社に雇用されるため月給制をとることもありますが、登録型派遣は時給制であることが多いです。
株式会社リクルートの「2021年3月度派遣スタッフ募集時平均時給調査」によると、技術派遣の平均時給は2,177円です。
・メーカーの社員
メーカーの社員は月給制をとる場合が多いです。
新卒の場合、学部卒か大学院卒かなどの最終学歴により基本給が変動します。
また会社の規模により、同じ学歴でも月給に数万円の差が出ることも珍しくありません。
しかしメーカーの社員は雇用期間の定めがないことから、同じ会社で長く働けば昇給や役職手当などにより給料が大幅アップする可能性もあります。
技術派遣社員とメーカーの社員のキャリア形成の違い
技術派遣社員とメーカーの社員の違いから、キャリア形成にどのような違いがあるか解説します。
技術派遣社員のキャリア形成
技術派遣社員のキャリア形成には、以下のような方法があります。
- さまざまな企業での仕事やプロジェクトに携わり、実務経験を積む
- 派遣会社主催の研修に参加する
- 派遣会社が提携しているe-learningなどで勉強する
技術派遣社員は契約期間に定めがあったり、メーカーの社員よりも責任のある仕事を任せてもらえないことでキャリア形成が難しい場合もあります。
しかしそれらを逆手にとることでキャリア形成ができます。
契約期間に定めがあるということは、数か月から数年単位でさまざまな企業の仕事に携われ、実務経験を積むことができます。
またメーカーの社員は自分の専門の仕事以外にも事務作業などの雑務をこなす必要がありますが、技術派遣社員は決められた仕事のみに集中できます。
特に新卒の場合は、メーカーの社員よりも早い段階で専門的な仕事ができ、経験を早くから積むことができます。
さらに派遣会社によっては、定期的にキャリアアップのための研修や自主学習サービスの利用ができる場合もあります。
これにより技術派遣社員でも十分な知識や経験を積むことが可能です。
実務経験や研修による知識の習得で、より高時給の仕事や新しい分野の仕事を紹介してもらえるチャンスも得られ、キャリアアップが望めます。
メーカー社員のキャリア形成
メーカー社員のキャリア形成は会社によって異なります。
しかし新卒は多くの場合、入社後数週間から数か月間、社内研修を受けて会社や事業内容を知るところから始まる場合が多いです。
メーカー社員は、その会社で長く働いてもらうことを前提としているため、自分の専門の仕事以外にも会社独自のルールなどを覚えてもらう必要もあります。
そのため、担当の仕事を任せてもらうまでには数か月から数年かかることも多いでしょう。
先輩社員の補助や雑務、定期的に開かれる社内研修などにより、少しずつ自分の専門の仕事を覚えていきます。
最初の教育期間は長いものの、自立して仕事ができるようになれば仕事の幅が広がり、責任のある仕事や立場を任せてもらえるようになります。
それにより、給料や役職も上がりキャリアアップが望めるでしょう。
まとめ
技術派遣社員とメーカー社員は、雇用形態などの違いによりキャリア形成の方法は異なりますが、どちらの雇用形態でもキャリアアップは可能です。
それぞれの利点を活かし、自分に合った方法で働くことをおすすめします。