理系就活で頻出の専門用語100選以上:機械・電気電子・情報・化学生物・土木建築まで網羅

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理系の就職活動では、専門用語や独特な言葉を耳にする機会が多くあります。しかし、その意味を正しく理解できていないと、仕事理解が浅いまま入社してミスマッチを招いたり、面接で自分の言葉としてうまく伝わらなかったりすることもあります。

本記事では、理系分野ごとによく使われる用語や、就活で特に注意したいポイントをわかりやすく整理します。

理系就活でよく目にするワード

専門性:理学、工学、農学、医学などの分野で体系的に学んだ専門知識や技術を指します。
再現性:同じ条件でやり直したときに、毎回ほぼ同じ結果になること。つまり「たまたまじゃない」確かさ。
ロジカルシンキング(論理的思考力):結論と理由を順序立てて、分かりやすく説明できる力。「なぜそう言えるか」を筋道で示すこと。
データドリブン:勘ではなく、数字や記録などのデータを根拠に考え、決めるやり方。
課題設定力:「何をすべきかを自ら考え出す力」であり、「どうやってそれを成し遂げるか」まで落とし込む。
仮説検証:「こうなるはず」という予想(仮説)を立て、試して確かめ、結果に合わせてやり方を見直す進め方。

 

これらは理系就活では分野を問わずよく目にするワードです。次の章では、各分野ごとの専門用語を紹介していきます。

 

分野ごとに頻出の専門用語

機械系

設計:モノの形や仕組みを決めて図面にすること(CAD/CAEで確認)。
構造設計:製品の骨組みやフレームなど、動かない部分を設計する工程。
機構設計:ギアやリンクなど可動部を設計し、干渉なく動かす仕組みを考える。
筐体設計:機器の外装部分を設計し、放熱性や内部配置を最適化する。
強度設計:荷重や応力に耐えるように形状・素材を設計する工程。
熱設計:放熱や冷却を考慮し、製品が適温で動作するように設計する工程。
搭載設計:機器や部品を限られたスペースに効率よく配置・固定する設計。
解析:試験やシミュレーション結果を数値的に評価・考察する工程。
生産設計:実際に製造できるように工程や治具を考慮して設計する。
生産技術:量産時に安定・効率的に作るための条件や工程を整える。
設備保全:工場の機械を止めず安全に動かし続けるための点検・整備。
品質保証:不良を防ぐ仕組みを整え、品質を維持・改善する仕事。
品質管理:製品が基準を満たすよう検査や測定を行う業務。
評価・試験:設計通りの性能・安全性が出ているかを確認する工程。
試作:量産前に試しに作り、設計や工程の課題を見つけること。
加工技術:材料を削る・曲げる・溶かすなどして形を作る基本技術。
四力学:材料・熱・流体・機械の力学を総称する基礎学問。
ロボティクス:ロボットを設計して思いどおりに動かすための融合技術。
3D CAD:3D(三次元)で形状を設計し、解析や製造データと連携できる設計ツール。
CAE:Computer Aided Engineeringの略。設計段階で構造や流体を解析する技術。
技術派遣:メーカー等に常駐して技術的な業務に携わる(アウトソーシングと表現される事も)。
請負:企業が契約に基づき、製品の設計や製造を一括して受ける業務形態(受託開発と表現される事も)。
BtoB:企業間で製品やサービスを取引するビジネス形態(例:自動車部品、工作機械など)。
BtoC:企業が個人消費者に向けて製品やサービスを提供するビジネス形態(例:自動車、家電など)。

 

電気電子系

電気:エネルギーとしての電力を扱い、発電・送電・制御などを学ぶ分野。
電子:半導体や回路を扱い、信号処理や通信機器の仕組みを学ぶ分野。
回路設計:電気をどう流すかを部品のつなぎ方で決める設計。
基板設計:電子部品の配置と配線を決めるレイアウト設計。
アートワーク設計:電気特性を保ちながら基板配線を最適化する設計。
ハーネス設計:電線やコネクタの配線経路を設計し、電装品を安全につなぐ設計。
制御設計:センサーやモーターを狙い通りに動かすためのルール作り。
PLC・シーケンス制御:工場ラインを自動で動かすための制御プログラム。
組み込みソフト開発:機械を動かす小型コンピュータにソフトを組み込む。
EMC対策:電磁ノイズの発生や影響を抑えるための設計・試験。
プロセス開発(半導体):半導体製造で薄膜形成や微細加工などの工程条件を設計・最適化する業務。
半導体デバイス:電気を制御する小さな素子(トランジスタやICなど)。
トランジスタ:電流の増幅やスイッチ動作を行う半導体素子。電子機器の基本構成要素。
LSI:Large Scale Integrationの略。多くの素子を集積した半導体チップ。
インバータ:直流を交流に変換し、モーターの速度や出力を制御する装置。
電力システム:電気を作り、運び、安定供給するための仕組み全体。
通信工学:情報を遠くへ正確・高速に伝える技術(5G/6Gなど)。
センサ技術:温度や圧力などを数値に変えて検知するしくみ。
信号処理:音や画像データから必要な情報を抽出・加工する技術。
パワーエレクトロニクス:電力を効率よく変換して機器を動かす技術。
電磁気学:電流と磁場の関係を扱う電気系の基礎理論。
オシロスコープ:電圧の変化を波形として表示し、回路動作を確認する測定器。
テスター:電圧・電流・抵抗などを測定して回路や部品の状態を確認する機器。

 

情報系

IT:情報技術全般を指し、システムやサービスを支える分野。
開発言語:プログラムを記述するための言語(例:Python、C++など)。
フレームワーク:効率的に開発するための基本構造や仕組み。
ライブラリ:特定の機能をまとめた再利用可能なプログラム群。
アルゴリズム:問題を効率よく解くための手順や計算方法。
要件定義:システムに何が必要かを整理・明確化する工程。
基本設計:全体構成や画面・データの流れを決める設計。
詳細設計:プログラム化できるレベルまで仕様を細かく設計する。
コーディング:設計内容をプログラムとして実際に書く作業。
テスト:バグや不具合を見つけるために動作確認を行う工程。
運用・保守:完成後のシステムを安定して動かし続ける仕事。
リリース:完成したシステムやアプリを正式に公開すること。
コードレビュー:他の開発者がソースコードを確認し、品質や可読性を改善するプロセス。
データベース:大量の情報を整理・保存・検索できる仕組み。
人工知能(AI):データから学び、予測や判断を行う技術。
生成AI:文章・画像・音声などを自動生成するAI技術。ChatGPTや画像生成モデルなどが代表例。
データサイエンティスト:データを分析し、課題解決や予測を行う専門職。
機械学習:大量のデータからパターンを学習し、予測や分類を行う人工知能の基盤技術。
クラウド:ネット上のサーバを利用してサービスを提供する仕組み。
オンプレミス:自社内にサーバーやネットワークを設置・運用するシステム形態。クラウドの対となる考え方。
サーバー:データやサービスを他のコンピュータに提供する装置。Webサイトやアプリの基盤となる。
ネットワーク:コンピュータ同士が通信するための仕組み。
セキュリティ:不正アクセスや攻撃から情報を守るための対策。
データセンター:サーバやネットワーク機器を安全に運用・管理するための施設。
UI/UX:見た目や使いやすさを設計して体験を向上させる考え方。
PdM:開発全体を統括し、価値あるプロダクトを作る役割。
DX:デジタル技術で業務やビジネスを変革する取り組み。
IoT:モノをネットにつなぎ、データで管理・制御する技術。
ADAS:Advanced Driver Assistance Systemの略。センサーやカメラで車の周囲を検知し、安全運転を支援するシステム。
SaaS:Software as a Serviceの略。インターネット経由でソフトを提供する仕組み。
〇〇Tech:技術で業界を変革するサービスの総称(例:FinTech、EdTechなど)。
Web:インターネット上で動くシステムやサービスを開発・運用する分野。
SIer:System Integratorの略。企業の業務システムを設計・構築する企業。
SES:System Engineering Serviceの略。企業に常駐してシステム開発や運用を支援する契約形態。
自社開発:自社の製品やサービスを自社内で企画・設計・開発する形態。
客先常駐:取引先企業に常駐し、その企業の開発や保守を支援する形態。
受託開発:取引先企業から依頼されたシステムを自社内で企画・設計・開発するビジネス形態。
GitHub:ソースコードを共有・管理する開発者向けプラットフォーム。チーム開発で広く利用される。
Qiita:エンジニアが技術記事やノウハウを投稿・共有する国内最大級の情報サイト。
ハッカソン:短期間でチーム開発を行い、成果物を競うイベント。企画力や技術力を試せる場。
LT会:Lightning Talkの略。エンジニアが短時間で発表・共有を行う勉強会形式のイベント。

 

化学・生物系

材料開発:金属・樹脂・セラミックスなど新素材を設計・改良する。
プロセス開発:製造工程を設計・最適化し、品質と生産効率を両立させる業務。
合成:狙った物質を化学反応で作る工程。
分析:成分や構造を調べて性質を確認する作業。
評価試験:強度・耐久性・反応性などを測定して性能を確認する。
安全試験:化学物質や医薬品の安全性を確認するための評価試験。
環境モニタリング:大気・水質・排ガスなどを測定し、環境基準を管理する業務。
材料分析:金属や樹脂などの成分や構造を分析し、品質や特性を評価する技術。
表面処理:めっきやコーティングで素材の耐食性や機能を高める加工技術。
有機化学:炭素を含む化合物を扱い、医薬や素材に応用する分野。
無機化学:金属・セラミックスなど炭素を含まない物質を扱う分野。
高分子化学:プラスチックや繊維など長い分子を研究する分野。
触媒化学:反応を早める触媒の設計・開発を行う技術。
環境化学:大気や水質を分析し、環境負荷を減らす技術。
生化学:生体内での反応や代謝を分子レベルで研究する分野。
バイオテクノロジー:生物の働きを応用して新しい製品を作る技術。
発酵工学:微生物を利用して食品や燃料を作る技術。
バイオインフォマティクス:遺伝子やタンパク質の情報を解析する技術。
創薬:新しい薬のタネを見つけ、効果と安全性を確かめる研究。

 

土木・建築系

意匠設計:使いやすさと見た目を両立させる建物のデザイン設計。
構造設計:安全性と耐久性を満たす骨組み・部材を設計する工程。
設備設計:空調・電気・給排水など建物内部の設備を計画・設計する。
施工管理:品質・工程・安全・コストを現場で統括するマネジメント。
施工計画:手順・人員・資機材を事前に組み立て、段取りを最適化する。
工程管理:工程表で進捗を見える化し、納期遵守を徹底する管理。
品質管理:仕様・図面通りに仕上がるよう検査・記録・是正を行う業務。
安全管理:災害を防ぐためのルール徹底やKY活動を運用する業務。
原価管理/VE:コストと性能の最適解を図る設計・施工上の工夫。
工事監理:設計意図通りに施工されているかを設計者側が確認・指導。
施工図:現場施工に必要な詳細寸法・納まりを示す実務図面。
躯体:柱・梁・壁・基礎など建物を支える主要構造部分の総称。
プラントエンジニアリング:発電所や化学工場など大型設備を設計・建設する技術分野。
BIM:3Dモデルで設計・施工・運用情報を一元管理する手法。
耐震設計(制震・免震):揺れに「耐える/吸収する/伝えにくくする」設計。
建築法規・確認申請:法令適合を図り、許認可手続きを進める実務。
ゼネコン:大規模建設を一括で請け負い、全体を統括する総合建設会社。
元請け:発注者から直接依頼を受け、建築プロジェクト全体を管理・施工する企業。
サブコン:元請け(ゼネコン)から工事の一部を請け負い、専門分野を担当する企業。
JV:Joint Ventureの略。複数の企業が協力して大規模プロジェクトを共同施工する体制。

 

これらのように、ここでは紹介し切れないほど多種多様な専門用語があります。全て覚える必要は無く、特に関心のある分野や応募企業に関わるものを中心に調べる習慣をつけることも大切です。

 

気を付けたい!誤解しやすい就活用語5選

・エンジニア:企業によってITだけを指す場合もあれば、機械・電気・建築などの技術者全般を含むこともある。どの分野のエンジニアなのかを明確にして使うことが重要。

・技術職:設計や開発を中心とするが、企業によっては研究、品質保証、生産技術、保全まで含む場合もある。職種範囲は企業ごとに確認が必要。

・派遣とSES:どちらも企業に常駐して働く形態だが、契約主体や業務範囲が異なる。派遣は派遣会社の指示で業務を行い、SESは契約先の案件に技術支援として参加する。

・研究開発(R&D):基礎研究から製品化に向けた応用研究まで幅が広い。研究テーマや開発段階によって仕事内容が大きく異なるため、どのフェーズを指すのかを理解しておくことが大切。

・設計と開発:設計は仕様を形にする工程、開発は製品やサービス全体を完成させる工程だが、企業によって境界が異なることも。

 

これらのように、同じ名称でも企業によってとらえ方が異なる場合があります。

「設計をやりたくて技術職で入社したら、製品設計は取り組んでおらず生産技術・製造のみだった」等を理由とした短期離職に繋がるケースもあり、企業ごとに確認することが大切です。

 

まとめ

聞き覚えのある言葉も多かったと思いますが、意味を正しく理解しておくことが就活では大切です。すべてを暗記する必要はありません。自分の関心分野を中心に理解を深めたり、知らない言葉が出てきたときにすぐ調べる習慣を持つことが、社会人になってからも役立ちます。少しずつ言葉の理解を積み重ねていけば、面接でもより“伝わる説明”ができるようになります。

 

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