- ジャパンモビリティショー
- Japan Mobility Show
2025年11月1日(更新:2025年11月2日)
Japan Mobility Show 2025が「ワクワクする未来を、探しに行こう!」をコンセプトとして東京ビッグサイトで開催されています。四輪・二輪・バス・トラック・自動車部品・機械器具、さらには空飛ぶクルマまで、「移動の形」に関連する多種多様な企業が集結。
理系学生にとってこのイベントは、技術と産業の現在地から未来の姿まで一度に見られる学びの場です。会場では、電気電子・機械・情報・材料・化学など、それぞれの専門分野がどのように製品として形になっているのかを、実物を通して理解できます。
この記事では当社スタッフが撮影してきた写真と一緒に、理系視点の見どころをお届けします。
多様なモビリティに共通する“技術の方向性”
四輪・二輪・商用車にわたり、「電動化」と「知能化」が加速度的に進行しています。会場を歩くと、電動化(EV・FCV)と自動化(ADAS・自動運転)が、あらゆる車種・用途で一貫して展開されているのが印象的です。複数の完成車メーカーは、カーボンニュートラルやスマートシティといったテーマに真正面から取り組み、モビリティの未来像を提示していました。

一方で、二輪・商用車領域でも動きが活発です。二輪(バイク)メーカーでは電動モビリティ(電動二輪車)の開発が進み、商用車メーカーでは物流・輸送分野におけるゼロエミッション車や自動運転路線バスの展示が各社のブースで目立っています。


このように、乗用車・二輪車・物流車を問わず、車両の電動化と知能化は「特定モデルのトレンド」から「業界全体の標準化フェーズ」へと移行しつつあります。理系学生にとっても、「構造軽量化」「モーター冷却」「センサー配置」「ソフト制御」「高電圧安全設計」といった技術テーマが複数領域で重なり合うこの時代に、自分の専門がどこにつながるのかを具体的に捉えられる絶好の場といえるでしょう。
特に注目すべきは、車体構造の軽量化やモーター冷却技術、センサーによる環境認識といった、各分野の技術が融合している点です。“車”というよりも、“走る電子機器”へと進化を遂げていることを実感できます。
空飛ぶクルマが見せる、学際的な技術の結晶
2025年の会場では、空のモビリティ(eVTOL)が大きな話題を呼んでいます。ホンダやスカイドライブといった国内企業、Joby Aviation(トヨタが出資の米国企業)が試作機を展示し、都市上空を飛行するモビリティの近未来を体感できるブースとなっています。

空飛ぶクルマは理系の各専攻が密接に関わっており、一例として以下のような技術が利用されています。
・機械工学:軽量化と強度設計
・電気電子工学:高出力モーター・電池制御
・制御工学:安定飛行と姿勢制御
・材料・化学:複合素材や耐熱・絶縁材料
など、他にも様々な技術が必要不可欠です。
空を飛ぶという一点に、理系大学生が学ぶ多種多様な知識が集積されているような展示は見ごたえがあります。
参考記事:eVTOLが変える未来の移動:世界の最新プロジェクトと理系スキルが拓く空の時代
完成車の裏にある“部品・素材メーカー”の存在
完成車メーカーの展示が華やかに並ぶ一方で、見逃せないのが部品・サプライヤー企業のブースです。モビリティの核心技術は、実はこうした企業の中にあります。
例えばこの写真のボッシュ(Bosch)のようにエアバッグコントロールユニットや加速度センサー、ECU技術など、このような技術があるからこそ電動化や知能化の実現に繋がっています。

■モビリティショーで見学できる自動車部品・素材メーカー(一例)
・ボッシュ:電動ブレーキやエネルギー回生制御など、車両制御技術を多角的に展示。
・デンソー:駆動モジュール・半導体・センサー技術。電動化と自動運転を支える製品を展示。
・アイシン:電動化・知能化に関する幅広い製品。AI対話システムなどの先端技術も展示。
・Astemo:レアアースフリーモーターや小型二輪車用e-Axleなど、四輪・二輪の先端技術を展示。
・矢崎総業/住友電工:配線・通信系の技術を通じて“クルマの神経”を支える製品を展示。
・ブリヂストン/住友ゴム/ダンロップ/トピー工業:素材・構造技術が進化中のタイヤ・ホイール等を展示。
・AGC:次世代の「ガラスソリューション」として、車載ガラスやディスプレイ素材を展示。
・豊田自動織機:モビリティだけでなく、人強調運搬ロボット・水素エンジン・宇宙素材開発も展示。
・豊田合成:ゴム・樹脂の高分子技術を用いて、機能部品・内外装・セーフティシステムを展開。
一部、実際に撮影した写真をご紹介します。



理系学生にとって、これらの企業ブースは“授業で学んだことがどの製品につながるのか”を体感できる場所です。機械・電気・情報・化学など、専門を問わず何かしらの技術的接点を見つけられるはずです。
理系学生におすすめの“展示の見方”
展示会をより深く楽しむために、理系的な視点での観察をおすすめします。

① 技術の「ねらい」を想像する
部品の形状や配置を見て、「なぜこの設計なのか?」「何を解決しようとしているのか?」を考えることで、研究的な思考が養われます。
② 技術者に直接話を聞く
多くのブースにエンジニアが常駐しており、学生でも歓迎されます。特にメーカー就職を考える理系学生であれば開発現場のリアルな課題を聞くチャンスです。
③ 写真を“技術メモ”として整理する
撮影した写真にメモを添えて、自分の専門とつなげて考えると、研究テーマや就活のヒントにもなります。
まとめ
Japan Mobility Show 2025 は、完成車メーカーから部品・素材・インフラ企業まで、“移動”を支える技術のすべてが一堂に集まるイベントです。
電動化・自動運転・空のモビリティといったキーワードの中で、理系の知識がどのように社会を動かしているのかを実感できる貴重な機会となっています。

11月9日(日)まで開催中なので、これから訪れる理系学生の皆さんは、ぜひエンジニアの視点でもチェックしてみてください。日々の学業や研究、そして将来のキャリアを形づくる“ヒント”が、きっとそこにあります。
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