理系の企業選びで注意したい6つのポイント:仕事内容の違いからミスマッチを防ぐ

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理系の企業選びは、一見シンプルに見えて実際はとても複雑です。同じ「技術職」という言葉でも企業によって仕事内容は大きく異なり、キャリアパスや働き方にも明確な違いがあります。この記事では、理系就活生が企業選びの際に特に気をつけたい6つのポイントを分かりやすく紹介します。

①職種名だけで判断しない:同じ「技術職」でも内容は全く違う

理系学生が特に注意すべきなのが、職種名だけで仕事の内容を判断してしまうことです。

 

メーカー例:「技術職」の職種名でも企業によって中身は変わる

・A社:研究・設計・解析など上流工程が中心
・B社:生産技術が中心で、ライン改善や治具設計がメイン
・C社:設備保全(メンテナンス)が中心で開発業務はほぼなし
・D社:技術職の名称だが、掘り下げると「製造職」と同じ内容

 

IT例:「エンジニア」の職種名でも企業によって中身は変わる

・A社:要件定義・プロジェクト管理などが中心でプログラミングは外注している
・B社:要件定義、設計、プログラミング、運用保守まで全て1人で担当
・C社:Webアプリ開発ではなくインフラシステムの設計構築が中心
・D社:システムエンジニアと書かれているが、実際は運用・監視がメインで開発は少ない

 

同じ名称でも企業によって働き方や役割が大きく異なるため、仕事内容の詳細を求人情報・説明会・面接・採用動画・社員インタビューなどで必ず確認する必要があります。

 

② 配属リスクを理解する:希望通りの仕事ができるとは限らない

配属先の決め方も企業によって様々。最初からポジションごとに募集を行う企業もあれば、入社後に決める企業もあります。特に後者の場合だと、希望した部署に行けない可能性もあります。

 

▼ よくある誤解

・研究志望=研究職に配属される
・面接で会話した内容=配属を保証
・「〇〇の事業に挑戦したいです」と言えば通る
・自動車メーカーに入社したら車全体の開発ができる
・IT企業に入社したらプログラミングができる

 

など、これらは企業によっては実現できるとは限りません。自動車メーカーに入社しても、中には「車を作るための設備」に携わる方もいるなど、入社前の想像と実際の仕事が異なるケースもあります。

配属先が決まるまでの流れを事前に確認しないと、「思っていた仕事と違った」とミスマッチが生まれやすくなります。

 

③ 技術レベル・開発フェーズを確認しないのは危険

同じ企業でも、技術者が担当するフェーズや業務のスタイルは大きく異なります。

 

▼ 確認できるポイント

・新製品開発が多いのか、既存製品の改善が中心なのか
・試作・実験が多いのか、設計・解析が多いのか
・量産立ち上げに関わるのか、運用改善が中心なのか
・部署ごとの役割分担がどのようになっているのか

 

▼ 企業によって働き方はこう変わる

・先行開発が中心 → 新技術に触れる機会が多い
・量産立ち上げが中心 → 製造工程や品質を深く理解できる
・既存品改善が中心 → 現場改善のスピード感を体験できる

 

▼ 度々起きてしまうミスマッチ例

・「新製品の開発をしたくて入社したが、企業方針として既存製品の改良が中心だった」
・「設計志望だったのに評価・実験の工程がメインの企業だった」
・「設計をしたかったが全て外注しており、顧客折衝やプロジェクト管理がほとんど」

 

どのフェーズの仕事が中心になるのかを、説明会や社員の声から確かめることで、入社後のギャップを大きく減らせます。

 

④ 技術者の働き方・役割を確認しないとミスマッチにつながる

技術者がどのようなスタイルで働くのかは、会社によって大きく異なります。

 

▼ “技術者の働き方”は企業ごとにこんなに違う

・自分で手を動かして試作・実験する仕事
・CAD設計が中心で解析がメインの仕事
・顧客との調整が多く技術営業に近い仕事
・プロジェクト管理が中心で技術作業は少ない仕事

 

▼ よくあるミスマッチ例

・「もっと手を動かす設計がしたかった…」
・「実験中心だと思っていたら顧客対応が多かった」
・「技術職なのに資料作成と調整が大半だった」

 

仕事内容と自分の志向性が一致しているかを必ず確認しましょう。

 

⑤ キャリアパスを想像せず会社規模だけで選ばない

「大手=良い会社」というイメージだけで選ぶのは危険です。理系技術者のキャリアは企業によって大きく異なります。

 

▼ キャリアパスの例

・設計 →  技術リーダー → マネージャーとしてプロジェクト管理やメンバー育成
・生産技術として工程改善 → 新規立ち上げ(国内・海外) → 工場マネジメント
・研究 → テーマリーダー → 事業企画
・品質保証 → 社内だけでなくサプライヤーの品質指導 → 品質マネジメント

 

また、大企業だと早期退職の募集を行う企業も増加しており、40~50代で新たなキャリアを再形成する方々も増えています。

(ヤフーニュース)上場企業の早期・希望退職募集41社 約8割がプライム 明治HDやオリンパスが実施発表、黒字リストラが恒常化

 

キャリアパスは企業、そして1人1人ごとに異なります。会社の規模ではなく、「どんな成長ができるのか」「どんな専門性が身につくのか」など、広い視点で企業研究を行うことが大切です。

 

⑥ 自社開発・受託開発・技術派遣の違いを理解する

特に機械・電気・情報・化学・生物などの技術系職種では、働き方の形態(ビジネスモデル)を理解していないとミスマッチが起きやすくなります。

 

▼ 自社開発(メーカー・自社プロダクト)

・自社製品を長期的に育てる
・技術の深掘りがしやすい
・部署間で継続的に製品改善を行う

 

▼ 受託開発

・クライアント案件ごとに開発内容が変わる
・幅広い技術に触れやすい
・納期や要件によって働き方が変わる

 

▼ 技術派遣・SES

・常駐先企業で働くケースが多い
・派遣とSESの主な違いは指揮命令権の所在
・キャリアの一貫性は自分で意識して管理する必要がある

 

同じ“エンジニア”でも、働き方は大きく異なります。「都市部の自社オフィスで勤務できると思ったら、勤務地は客先だった」等にならないよう、自分に合ったスタイルを理解した上で企業を選ぶことが重要です。

 

まとめ

理系の企業選びは、名称やイメージだけでは本質が見えにくく、企業ごとに仕事内容や役割が大きく異なります。だからこそ、自分がどの工程に携わりたいのか、どんな技術者になりたいのかをイメージしながら企業研究を進めることが重要です。

 

「なんとなく有名だから」「技術職と書いてあるから」ではなく、仕事の中身を理解し、自分に合った環境を選ぶことが、理系キャリアを長期的に充実させる一番の近道です。自分自身の軸を持ちながら、後悔のない企業選びを進めていきましょう。

 

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