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2026年3月13日(更新:2026年3月13日)
3月に入り、大手企業の新卒採用人数を減らすニュースが目立っています。こうした見出しを見ると、「理系就活も厳しくなるのでは」と不安になる人もいるかもしれません。
ただし、こうした動きはあくまで目立つ一部の企業の話であり、日本全体の新卒採用を一括りにして語ることはできません。さらに、文系職と理系職でも事情は異なり、理系職の中でも機械・電気電子・情報・化学などの分野や、研究開発・設計・生産技術などの職種ごとに変化の出方は違います。
この記事では、大手の採用減ニュースを踏まえつつも、理系就活全体をどう見るべきか、そして27卒・28卒が今どう動くべきかを整理します。
大手の採用減ニュースはどう見るべきか
3月に入ってから、三菱電機・パナソニック・クボタ・JR東海・九州電力など、大手企業の新卒採用人数を減らすニュースが話題になっています。
こうしたニュースは目立ちやすく、就活生にとっても不安を感じやすいテーマです。特に知名度の高い企業の動きは、「大手が減らすなら、他社も同じなのでは」と受け取られやすいでしょう。
ただし、まず押さえておきたいのは、これはあくまで一部の大手企業の動きだということです。日本には多くの企業があり、業界も事業規模も採用方針もさまざまです。目立つ企業のニュースだけで、理系就活全体を判断するのは早計です。
また、「採用人数を減らす」というニュースも、文系職・理系職を分けずに見出しだけで受け取ってしまうと、実態とずれることがあります。特に理系職は、事業とのつながりが強い職種ほど、全体採用数とは別の動きをすることもあります。
例えば三菱電機は、2027年4月入社と2026年10月入社を合わせた新卒採用計画を前年度見込みより510人減らしています。
一方で、単独採用の内訳を見ると、技術系は500人、事務系は100人、技能系は150人とされており、減少はしていても、技術系・技能系の募集規模は依然として大きいことがわかります。「採用減」という見出しだけではなく、どの職種で何人採るのかまで見た方が、理系就活生にとっては実態に近づきます。
さらに、採用減のニュースばかりに注目しすぎないことも大切です。例えば日立製作所は、2027年度の採用計画として前年度比20%増の計2000人を掲げています。大手企業の中でも、減らす会社と増やす会社があり、動きは一様ではありません。
■参考記事
三菱電機、26年度新卒採用18%減の2250人 中途は12%減の1850人(日経新聞)
採用人数が減る背景と、全体としての採用意欲
一部の企業で採用人数が減ることには、さまざまな背景から採用戦略の見直しがあります。
■採用戦略の見直しに繋がる背景(一例)
・すでに人員がある程度充足している
・採用の早期化によって前倒しで内定承諾が増加している
・業務効率化が進んでいる
・AI活用により一部業務の採用計画を見直している
・景気や市場環境の変化を踏まえた人員計画の調整
・事業ポートフォリオの見直し(成長分野への人材シフトなど)
・海外情勢や為替など外部環境の変化
・政府政策や産業政策の影響
・新卒採用と中途採用のバランス見直し
また、企業規模ごとに見ると採用計画の傾向には違いがあります。HR総研の調査結果をもとに規模別に見ていきましょう。
1001名以上の大企業では「増やす」とする企業は9%、「前年並み」が68%を占めています。一方で「減らす」とする企業は6%で、全体で見れば少ないことがわかります。
これに対して、301~1000名の中堅企業や300名以下の中小企業では、「増やす」と回答した企業がいずれも13%となっており、大企業よりも採用拡大に前向きな企業が一定数見られます。
この結果から、大企業では新卒採用数を大きく増やす動きがやや落ち着きつつある一方、中堅・中小企業では人材確保のために採用を拡大する企業も少なくない状況がうかがえます。
前述したように、一部の大手企業における採用減ニュースは確かに無視できませんが、それをもって「新卒採用全体が縮んでいる」「理系採用も一気に厳しくなる」とまでは言えない状況です。見出しだけを見ると強い変化に見えますが、実際には「会社ごとの差が広がっている」と捉える方が実態に近いでしょう。
理系採用が一律に減るわけではない
ここが理系就活生にとって特に重要なポイントです。今回のような採用減のニュースが出ても、理系採用が一律に減るわけではありません。
企業が採用における募集人数を減らしている場合、職種やポジションごとに見直しているケースがあります。文系・理系では状況が異なることは勿論、同じ理系の中でも求められる分野に差分が生まれることがあります。例えば企業によっては、次のように採用の重点分野が異なることがあります。
■求められる分野に差が出る事例
・製品の要が機械である企業では、機械設計職を中心に機械系学生を積極採用
・電動化や自動化を強化する企業では、電気電子系や情報系学生の需要が増加
・生産性向上を重視する企業では、生産技術や制御系エンジニアの採用を拡大
・DXやAI活用を進める企業では、AIエンジニアやデータサイエンティストの採用を強化
このように企業は、採用人数だけでなく「どの分野の人材を必要としているか」を重視しています。
※マメ知識:「推薦廃止」等の制度変更についてはどう考える?
制度変更の話題も、見方を一つに決めつけない方がよいでしょう。例えばパナソニックグループは産経新聞のニュースによると、2027年度の新卒採用を前年度より減らす一方で、大学・大学院の技術系採用では学校推薦制度を廃止し、自由応募へ一本化するとしています。
採用人数の減少だけを見ると厳しく見えるかもしれませんが、学校推薦というルートに乗らない学生にとっては、挑戦しやすくなったとも言えます。これまで学校推薦が有利だと思われていた企業でも、多様な学生に道が開かれる可能性があります。
採用ニュースを見るときは、「その会社が何人募集するのか」だけでなく、募集背景・職種・応募ルートまで確認することが、理系就活では実態を理解するうえで重要です。
27卒・28卒が今から意識したいこと
■27卒が今からできること
27卒にとって大切なのは、大手の採用減ニュースだけで就活全体を悲観しすぎないことです。まだまだ積極的に募集している企業は多く、理系職の募集もたくさん残っています。
さまざまな動き方ができますが、特に今の段階では、下記のような行動も効果的です。
・業界や企業名だけでなく職種をもとに調べる
・自分の専攻や学びと接続しやすいポジションを探す
・大手以外も含めて選択肢を広げる
・気になる企業の説明会には積極的に参加
・逆求人サイトで一部選考免除のスカウトを受け取る
採用意欲が高い企業は多くあります。今からできるベストな行動は、「もう遅い」と決めつけることではなく、自分に合う職種と企業を広げて見に行くことです。
■28卒が今から意識したいこと
28卒は、現時点で過度に焦る必要はありません。理系就活は文系よりも職種軸・専門軸で見られる傾向が強く、後から動いても決まる人はいます。
ただし、昨今は就活の早期化が進んでおり、インターンから早期選考につながる流れも珍しくありません。人気のある企業では、応募が集中し、前半で枠が埋まりやすくなる可能性もゼロではなく、直近ではSCSKのニュースが就活生の間でも広がっていました。
※SCSKが27年新卒採用の一部選考を延期、「当初の計画を上回る応募」(日経クロステック)
このニュースも数ある事例の一つですが、昨今の就活は変化も活発です。特に志望度の高い企業がある場合は、夏インターン(サマーインターン)や前段階で行われるイベントを早めに押さえておくことで、選考の機会を逃しにくくなります。
一方で、SCSKのような目立つ事例だけで全体を判断しすぎるのも注意が必要です。人気企業の動きは参考になりますが、現在も積極的に新卒採用を行っている企業は大手・中堅・中小を問わず数多くあります。1社の動きに就活全体を左右されすぎず、幅広く情報を見ながら判断していくことも大切です。
まとめ
大手企業の採用減ニュースは確かに目立ちますが、それだけで理系就活全体を判断することはできません。企業ごとに採用戦略は異なり、増やす企業もあれば減らす企業もあり、職種や分野によって需要の差も広がっています。
理系就活では、「どの会社が何人募集するのか」だけでなく、「どの職種を積極的に募集するのか」「自分の専攻とどのようにつながるのか」等を見ることが重要です。
ニュースの見出しに振り回されすぎず、企業の事業内容や職種を個別に見ていくこと。その視点が、理系就活ではより重要になっていくでしょう。
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