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- 公開日:2022年12月29日
- 最終更新日 : 2023年12月31日
就活を進めていくと、メーカーの求人で生産技術職の募集を見かけることがあります。
大学では生産技術についての直接的な勉強はないため、どのような仕事内容であるか想像が難しい就活生も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では生産技術職の一般的な仕事内容や活かせるスキルを紹介します。
目次
- そもそも生産技術職はどんな仕事?
- 生産技術職の具体的な仕事内容
- 生産技術で活かせるスキル
- まとめ
そもそも生産技術職はどんな仕事?
生産技術職とは、工場などの生産現場における製品の品質の向上や生産の効率化、コストの削減を実現する仕事です。
生産技術職はこれらを実現することで工場の生産ライン全体の管理をするため、工場だけでなく会社の売り上げにも影響する重要な役割を担っています。
品質の向上やコスト削減などを達成するために、新規設備の設計や導入や既存設備の改善、さらには現場の環境面の改善など工場の生産ラインに関わるあらゆる業務を行います。
生産技術職の具体的な仕事内容
生産技術職の仕事は生産ライン全体に渡ることから、仕事内容も業種や会社規模によりさまざまです。
今回は生産技術職の代表的な仕事を紹介します。
生産ラインの改善業務
一つ目は生産ラインの改善業務です。
企業では常に、いかに早く品質の高い製品をより多く作ることができるか、を追求します。
なぜなら、より短時間あるいは少ない労働力で多くの製品を作ればそれだけ会社の売り上げにつながるからです。
そのために生産技術職が生産ラインの見直しや製造工程の改良をすることで生産性を上げます。
つまり生産技術職の仕事が、良くも悪くも会社の売り上げを左右するといっても過言ではありません。
また現場で働く人に安全に効率よく作業をしてもらうためにはどうすればよいか、ということも考える必要があります。
生産ラインの改善によって生産性が上がっても、現場の人にとって危険な環境になってしまえば作業効率は下がるため本末転倒です。
このように生産技術職は会社の財政面や現場の安全面など、多方面から生産性などの問題を解決する必要があるのです。
新規設備の導入や設計業務
二つ目は新規設備の導入や設計業務です。
工場では、生産ラインの改善業務による生産性の向上だけでは生産が追い付かないなど、既存の設備のみでは対応できない問題にも直面します。
そのような場合、新規設備を導入することがあります。
導入検討時には、新規設備の導入によりどの程度の改善が認められるか、導入した場合の利益はどの程度でコスト回収までにどれくらいかかるかなどを試算し、経営陣から予算を貰う必要があります。
予算獲得後は、新規設備の詳細な設計業務から導入後の試運転まで、新規設備に関わる仕事や管理を行います。
生産設備の課題探求業務
三つ目は生産設備の課題探求業務です。
生産設備の課題探求業務では、現場で働く人からの意見や製品トラブルの予兆などから課題を見つけていきます。
特に現場で働く人の意見は、生産性の面だけでなく設備トラブルや現場の安全性にも関わる意見も多く、さまざまな課題が見つかります。
これらの課題を解決することで、現場での事故や設備の故障を防いだり製品トラブルの未然の防止が可能です。
それにより安定した生産や品質を守ることで、利益の追求に繋がります。
製造トラブルや品質トラブルの対応
四つ目は製造トラブルや品質トラブルの対応です。
製造現場では、装置の故障などの設備トラブルから材料の入れ間違いといった人為的ミスまでさまざまな製造トラブルがあります。
設備がしばらく動かないなど、すぐに対処できないと判断した場合、生産計画への影響をなるべく少なくするための対処法まで考える必要があります。
また製造トラブルはなかったが、製品の品質検査や顧客からのクレームから品質トラブルが判明することもあります。
品質トラブルが起きた場合は、生産ラインや設備に異常がないか、ミスはなかったかなどの調査を行います。
製造トラブル、品質トラブルいずれの場合も、原因調査を行い再発防止に向けての対応まで考え改善するまでが仕事です。
生産技術で活かせるスキル
生産技術職の仕事の幅は非常に広いことから、活かせるスキルも様々です。
今回は生産技術職の仕事において特に活かせるスキルを紹介します。
コミュニケーション能力
生産技術職の仕事では、周囲と協働しながら円滑なコミュニケーションをすることが重要となります。
例えば改善業務やトラブル対応業務では、生産現場や品質管理部門などの関係部門の人からの話を聞いたり、逆にわからないことを聞いたりします。
またトラブルに対し、関係者でミーティングを開き意見を交換する場面も多々あります。
場合によっては顧客と直接話すこともあります。
また新規設備導入の検討時などには、その設備の導入がいかに必要かを論理的にかつ説得力を持ってプレゼンをしなければいけません。
このように生産技術職の仕事では、様々な局面でコミュニケーション能力が求められます。
課題探求・解決能力
生産技術職の仕事の多くが、既存の問題に対する改善業務です。
そのため既存の問題を見つけ出す課題探求能力や、問題に対する解決策や改善案を考え実行する解決能力が必要となります。
「ここが改善されればもっと効率よくできるのに」といった視点を持ち合わせている人、または「これが上手くいかないのはこの部分が原因だ」といった現状から問題や原因を見つけ出すのが得意な人は、生産技術職に向いているでしょう。
設計ソフトや業務に関する知識が豊富な人
生産技術職の仕事では、設備の設計や改善にCADなどの専用のソフトを使用します。
そのため大学時代に設計ソフトを使用していた経験がある場合は生産技術職での仕事もスムーズに行えるでしょう。
また設計ソフトになじみが無くても、その職種に関して大学時代に勉強した経験があるなど知識があれば生産技術職で活躍できます。
まとめ
生産技術職は工場における重要な職種です。
生産性の向上や現場の安全面などの幅広い視点から、設備などの改善業務やトラブル対応、新規設備の導入まで多くの業務をこなします。
業務の幅や持つべき視点が多いことから、コミュニケーション能力や問題解決能力、多くの知識を持つことが求められます。
仕事や求められる能力は多いですが、それだけ成長の幅も広くやりがいのある仕事です。社内外の方々を巻き込んで困難な課題を解決できた時の達成感も大きく、理系学生におすすめの仕事です。