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- 公開日:2022年12月29日
- 最終更新日 : 2023年12月31日
化学メーカーでは、わたしたちの身近にある日用品や家電などの製造に欠かせない中間材料を作ります。
化学メーカーでは化学系出身者が活躍すると思われがちですが、製造には設備が必要であることから機電系や情報系出身者も多く活躍しています。
では、化学メーカーでは実際にどのような仕事を行うのでしょうか。
この記事では化学メーカーの仕事内容や活かせるスキルを紹介します。
理系就活生やこれから就活を始める学生でもわかりやすい内容となっているため、業種への理解が深まり、納得のいく就活への一歩となります。
目次
- 化学メーカーとは?
- 化学メーカーの仕事内容
- 化学メーカーで活かせるスキル
- まとめ
化学メーカーとは?
化学メーカーでは、化学反応を利用して原料から最終製品(自動車や日用品など消費者の手にわたるもの)の材料となる中間材料を作ります。
化学メーカーには石油製品やゴム製品など様々な分野がありますが、大きく3つの業種に分けられます。
- 総合化学メーカー
- 誘導品メーカー
- 電子材料メーカー
総合化学メーカーでは化学薬品や医薬品など、原料から最終製品を一貫して製造します。
誘導品メーカーでは、化粧品や日用品などに使用される中間材料を原料から製造します。
電子材料メーカーでは、半導体の材料やディスプレイに使用される材料など、電子部品の材料となる中間材料を製造しています。
化学メーカーの仕事内容
化学メーカーは化学系出身の人だけが活躍する業界と思われがちですが、機電系や情報系の知識を持つ人も必要不可欠な業界です。
そこで機電系や情報系の人が活躍できる職種も含め、化学メーカーの主な仕事内容を紹介します。
研究開発
研究開発では主に新製品や新素材の開発を行います。
薬品や医薬品系などの中間材料や採取製品の研究開発は、化学系出身者が活躍することが多い仕事です。
しかし電子材料やゴム製品など機械や電気の知識が必要となる職種では、機電系出身者が活躍する場合もあります。
生産技術
生産技術では、開発された製品や素材の量産に向けて生産設備の導入や計画の立案などを行います。
製造コストや設備の導入にかかるコストの削減するために、既存の設備の改善も行います。
生産設備は数百万~数億円単位あり、化学工場の設備は規模が大きいため、責任が大きい分やりがいや達成感のある仕事です。
化学反応を利用して製造を行うため、生産プロセスは化学系出身者が活躍します。
しかし設備を動かし決められたとおりに製造を行うためには、機械そのものの仕組みを理解することやプロセス通りに機械を動かすためのシーケンス制御などが必要です。
そのため機械や電気、情報系の知識も不可欠であるため、設備の設計や導入時に機電系や情報系出身者が活躍します。
設備保全
化学メーカーで機電系や情報系出身者が最も活躍するのが設備保全です。
設備保全では日々の装置の点検や装置の修繕、年に数回行われる定期修理などが主な仕事です。
特に装置の修繕や定期修理では簡単なものは自分たちで修理や改善をしますが、大きな工事が必要な場合は業者の手配から現場監督まで任されます。
そのためより現場に近い仕事を幅広く行えます。
品質管理
品質管理は機電系や情報系の出身者が直接配属されることは少ないですが、協力して仕事をすることは多いです。
品質管理は生産した製品の品質検査を行います。
そこで品質不良などのトラブルが起きた際に、原因を調査し改善をします。
品質不良の原因が設備に関わること(装置の温度が安定しない、撹拌速度が不安定など)も多く、その場合は生産技術や設備保全の人と協力して解決します。
化学メーカーで活かせるスキル
化学メーカーで活かせるスキルについて紹介します。
入社後に仕事をする中で身につくスキルもあるため、就職活動の時点で当てはまらなくても悲観する必要はありません。
電気・電子工学や機械工学の知識
化学メーカーの生産技術や設備保全の仕事では機械や電気、情報系の知識が欠かせません。
化学系出身者は化学反応や製造設備へのスケールアップまでの仕事は得意としますが、実際に導入する製造設備の設計等に関して苦手とすることが多いです。
そのため設備そのものや設備を動かすことに関しての専門知識を持つ、機械系や電気系、情報系出身者が活躍できます。
チームプレーが得意
生産技術や設備保全の仕事では、常に他の部署との関わりがあります。
装置の修繕やトラブルの報告は、製造現場のオペレーターの人や品質管理の人などから受けるためです。
それぞれの人から現状を聞いたり改善に向けてミーティングを開いたりするため、チームでの作業となることもあります。
そのためチームプレーが得意な人は化学メーカーでも活躍できるでしょう。
英語が得意
化学メーカーの中には、日本国内だけでなく海外に工場を持つ会社も多くあります。
そのため生産技術や設備保全の社員は、海外への出張や滞在での仕事を任されることもあります。
海外の工場では、現地の人が働いているため日本語は通じないため、英語を話す必要があります。
そのため英語が得意な人は、化学メーカーでスキルを大いに活かすことができるでしょう。
まとめ
わたしたちの身近にある日用品や家電などの製造に欠かせない中間材料を作る化学メーカーについて、仕事内容や活かせるスキルを紹介しました。
化学メーカーでは化学系出身者が活躍すると思われがちですが、製造には設備が必要であることから機電系や情報系出身者も多く活躍しています。
この記事を参考にすれば、理系就活生の企業選びや業界研究に役立つでしょう。