理系就活生必見!電子部品メーカーの仕事内容と活かせるスキルを紹介

  • 電子部品
  • メーカー
  • 業界研究

普段の生活では目にする機会が少ないものの、家電やスマートフォン、自動車など私たちの生活に欠かせない電子部品を作る「電子部品メーカー」。本記事では、電子部品メーカーの仕事内容や活かせるスキルについて、より具体的な例を交えながら解説します。

 

電気電子・情報系だけでなく、機械系や化学系など多様な理系分野の学生が活躍できる領域です。代表的な企業名も挙げながら紹介していきますので、業界研究の参考になれば幸いです。

電子部品メーカーとは?

電子部品メーカーとは、その名の通り、電子部品を製造する企業です。製造された電子部品は、家電製品、スマートフォン等の通信機器、自動車などに幅広く使われており、私たちの生活に欠かせません。特に近年は、AI搭載家電や自動運転技術を採用した自動車など、より高性能かつ精密な電子部品が求められており、この分野の需要は衰えを知りません。

 

例えば、村田製作所、TDK、アルプスアルパイン、ローム、京セラ、パナソニック、ソニーなどが代表的な日本の電子部品メーカーです。これらの企業はコンデンサ、センサー、半導体チップ、LED、スイッチなど多種多様な電子部品を開発・生産しており、国内だけでなく世界においても高いシェアを誇っています。

 

電子部品自体はBtoB(企業間取引)の形が多いため、消費者の目に直接触れにくい存在ですが、その技術力や製品が国内外のメーカーを支え続けています。

 

電子部品メーカーの仕事内容

電子部品メーカーで理系出身者が活躍できる主な職種には、以下のような役割があります。企業によって呼称が異なる場合もありますが、代表的なものを紹介します。

 

1. 研究開発職

研究開発職では、新素材の開発や基礎研究を通して、将来的に製品へ応用できる技術を探求します。

– 化学系の分野では、より高性能なセラミック材料や樹脂材料の研究など素材開発が中心となります。

– 電気電子・情報系であれば、新しい回路構造や半導体プロセス、デバイス技術の研究に携わることがあります。

 

2. 設計職

設計職では、研究で得られた成果や既存の技術を実際の製品に落とし込みます。

– 回路設計、機構設計、ソフトウェア設計など幅広く担当し、試作から量産までの製品化プロセスを支えます。

– 電気電子だけでなく、機械系(筐体設計・メカトロニクス)や化学系(特定の素材の選定・改良)と協力しながら開発を行うことも珍しくありません。

 

3. 生産技術職

生産技術職は、工場で製品を効率よく大量生産するための設備やラインの設計・開発・導入・改善を行います。

– 研究・開発部門が生み出した新製品を量産するための工程設計を担い、自動化・省力化・コスト削減などさまざまな視点で生産体制を整備します。

– 機械系や電気電子、情報系の知識が役立ち、IoTやAI技術を活用したスマートファクトリー化が進む現場で活躍できる分野です。

 

4. 生産管理職

生産管理職は、量産ラインが立ち上がった後の全体的な生産計画や進捗管理を行う仕事です。

– どの程度の生産量をいつまでに行うかというスケジュールを立案し、コスト・品質・納期のバランスを見ながら最適化を図ります。

– 工場内での人員配置や設備稼働率、在庫管理なども重要な業務です。トラブル発生時の迅速な対応力が求められます。

 

5. 品質保証・品質管理職

品質保証・品質管理職は、完成した製品が規定の品質基準を満たしているかを検証し、製造プロセス全体で品質を安定化させる役割を担います。

– 規格に合わない不良品やトラブルが発生した際には、原因究明・対策立案・再発防止策の実施まで一貫して携わります。

– 電子部品は小さなミスが大きな影響に繋がる可能性があるため、非常に厳密な管理体制が求められる領域です。

 

6. 技術営業(セールスエンジニア)

技術営業は、顧客に対して技術的な専門知識を活かした提案をします。専門知識を有さない営業から頼りにされることも多いです。

– 高度な技術が求められる製品や新素材を扱う場合、顧客の技術担当者と専門的な議論を行う場面が多いため、理系の知識が大いに役立ちます。

– 回路や素材の特性、技術面の優位性などを理解しながら、最適なソリューションを提案していきます。

 

電子部品メーカーで活かせるスキル

電子部品メーカーでは、さまざまな理系の知識や特性が求められます。大学での専攻や研究内容を活かしながら、日々進歩する技術に対応していく姿勢が重要です。

 

電気・電子工学や情報系の知識

回路設計やソフトウェア開発、システム制御において電気・電子工学や情報工学のバックグラウンドは欠かせません。新規デバイスや制御技術の研究・開発では大学で学んだことを存分に活かすことができます。

 

機械系や化学系の知識

コネクター等の製品設計や生産設備設計を行う際には機械系のスキルが求められ、素材開発や新材料の研究には化学系が大きく貢献します。たとえば、より耐久性の高い樹脂を探求する場合や高性能セラミック素材を開発する場合に、化学の知識が必要になります。

 

チームプレーとコミュニケーション力

製品を完成させる過程では、多数の職種・部署が連携するため、情報共有や意思疎通が重要です。電子部品メーカーはBtoBであるがゆえに、社外とのやりとりも頻繁に発生し、調整力や交渉力を身につけることで仕事の幅が広がります。

 

集中力や粘り強さ

電子部品はわずかな不具合が大きな問題につながるため、厳密かつ綿密な作業が求められます。試作や検証を繰り返すプロセスでは、失敗を糧に改善していく粘り強さが重宝されます。

 

情報収集力と学習意欲

技術革新が激しい業界だからこそ、常に新しい情報をキャッチアップし続ける姿勢が欠かせません。他社や海外の動向をいち早く察知し、自社開発に活かすことが製品競争力の向上に直結します。

 

・補足情報:理系であれば様々な分野の方々が、研究開発・設計等で活躍中!

企業によっては電気電子・情報・機械・化学以外を専攻する理系学生も積極的に採用する事例もあります。例えば数学・物理・生物の出身者など、研究開発・設計・生産技術などで活躍している方々も多くいらっしゃいます。「電気電子系しか受け入れていないのではないか」等と諦めてしまうのは勿体ないので、関心のある企業は積極的にチェックしてみましょう!

 

まとめ

電子部品は直接目にしない一方、現代社会を支えている重要な製品です。研究と設計を分業する企業もあれば、同じ部署で一貫して担当する企業もあり、理系の専門知識を幅広く活かせる環境が整っています。化学・機械・電気電子・情報など、多様な背景を持つ学生が専門スキルを活かしながら、研究・開発・生産管理・品質保証・技術営業など、さまざまな分野で活躍できるのが魅力です。

 

企業によっては理系であれば上記分野以外も問わず歓迎していることもあるので、「興味はあるけど自分の専攻は活かせないかも」と思った理系学生さんも、まずは気になる求人の募集条件などチェックしてみたり、積極的にエントリーして話を聞いてみることをおすすめします。

 

すごい技術・製品を有する電子部品メーカーも積極利用中!理系就活サイト「リケイマッチ」