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- 公開日:2022年12月11日
- 最終更新日 : 2024年10月19日
LSIとは、電池や電気で動く電化製品のほぼすべてに使用されているため、非常に重要な部品となっています。
そのため、LSI設計エンジニアはさまざまな製品の動きを決める電子回路の設計に携われる、やりがいのある仕事です。
この記事では、理系出身者が携わるLSI設計の仕事内容や活かせるスキルを紹介します。
理系就活生やこれから就活を始める学生でもわかりやすい内容となっているため、業種への理解が深まり、納得のいく就活への一歩となります。
LSI設計とはどんな仕事?
LSI設計とは、LSI(Large Scale Integration)という大規模集積回路の内部構造や、LSIを実装した基板の回路設計をする仕事です。
LSIとは具体的に、トランジスタやダイオードなどを集積させて、複雑な機能を持たせた電子回路部品です。
LSIは電池や電気で動く電化製品のほぼすべてに使用されているため、非常に重要な部品となっています。
LSI設計は半導体設計の一部として行われる仕事であり、半導体設計エンジニアとして働く人も多いです。
LSI設計の具体的な仕事内容
LSI設計の仕事は、半導体設計エンジニアの一部の仕事とされることも多く、業界によって内容がさまざまです。
この記事では、LSI設計の具体的な仕事内容を紹介していきます。
・仕様検討
事前の打ち合わせや営業・顧客から要求された新製品について、その要求通りにLSIを作ることができるかを確認しながら仕様書を作成していきます。
仕様書の作成では、機械設計エンジニアや組み込みソフトエンジニアなどと協力し、電子基板に搭載するマイコンの選定や使用条件などを検討します。
・回路設計
回路設計では、仕様検討で作成した仕様書をもとに機能設計やゲートレベルシミュレーション、仮想配置配線シミュレーションなどを行います。
機能設計では専用のソフトを使用して、デジタル回路とアナログ回路の設計を行います。
デジタル回路設計では機能記述、機能シミュレーション、論理合成を行い、アナログ回路設計では定数設計、回路図入力、シミュレーションを行います。
・レイアウト設計・検証
レイアウト設計では、回路設計と同様にデジタル回路とアナログ回路それぞれの設計を行います。
デジタル回路では自動配置配線を、アナログ回路ではアナログレイアウトの設計を行います。
設計後はレイアウトの検証を行い、修正を繰り返しながら完成に近づけていきます。
・LSI試作・実機評価
設計したLSIを実際に試作し、実機で評価を行います。
実機での動作評価から、部品交換や配線の変更、回路設計のやり直しにより、評価で見つかった不具合の修正を行います。
LSI設計で活かせるスキルは?
LSI設計の仕事で活かせるスキルについて紹介します。
・電子回路など電気関連の知識
LSI設計エンジニアには電気回路や電気電子関連の知識は必要不可欠です。
製品に正しく目的の動作をさせるためには、電気電子に関する知識が不可欠です。
そのため、大学や専門学校で電気電子系の学問を学んだ就活生は、LSI設計においても学びを活かすことができます。
・四大力学の知識
四大力学の知識というと機械設計エンジニアのイメージが強いですが、LSI設計のエンジニアにとっても重要な知識です。
物の動きや機能を持たせた設計をするためには、物理的な知識が必要です。
材料力学、流体力学、熱力学、機械力学の四大力学の知識を深めることで、より高度な製品設計が可能となるでしょう。
・コミュニケーション能力
LSI設計エンジニアには、顧客や営業部からの提案や意見を理解し、専門家としての意見を正確に伝えるコミュニケーション能力が必要です。
さらに仕様書作成や回路設計の過程で、機械設計エンジニアや組み込みソフトエンジニア、外注のアートワーク設計者などと連携する場面も多くあります。
そのため、LSI設計のエンジニアにはコミュニケーション能力が求められます。
・CADなどのソフトウェア操作
LSI設計エンジニアには、CADやEDAツールなどのソフトウェアを使用して設計やシミュレーションを行うスキルが必要です。
これらを使いこなすことで、より効率的な設計が可能となり、仕事のスピードも向上します。
大学時代にCADやEDAツールを使用した経験がある人は、LSI設計エンジニアの仕事でもそのスキルを活かすことができます。
まとめ
LSI設計エンジニアは、さまざまな製品の動きを決める電子回路の設計に携われる、やりがいのある仕事です。
求められる能力は高いですが、製品が完成し、世の中の役に立つときには大きな達成感を得られます。
この記事を読んでLSI設計の仕事に興味を持った理系就活生は、ぜひエントリーしてみてください。