理系就活生必見!特殊車両メーカーの仕事内容と活かせるスキルを紹介

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  • 公開日:2023年10月25日
  • 最終更新日 : 2023年12月31日

特殊車両は、災害救助から建設作業など幅広いシーンで役割を果たすことで社会基盤を支えています。この記事では特殊車両メーカーに焦点を当て、その仕事内容から理系学生が活かせるスキルまでを詳細に解説します。

目次

  • 特殊車両メーカーとは
  • 主な仕事内容
  • 求められるスキルとは
  • 活かせる学び・経験
  • まとめ:特殊車両メーカーの魅力を知ろう

特殊車両メーカーとは

特殊車両メーカーとは、農業機械から消防車、高所作業車、フォークリフト、建設機械に至るまで、特定の目的に特化した車両を設計・製造する企業です。これらの車両は日常生活では目にすることが少ないものの、社会インフラを支える重要な役割を果たしています。特殊車両メーカーは、高度な技術力と独自のノウハウを駆使して、お客様のニーズに応えるカスタマイズされた製品を提供しています。

 

主な仕事内容

特殊車両メーカーで働くエンジニアは特殊車両の設計・開発、生産技術、品質管理など多岐にわたる業務を担当します。このサイトは理系学生向けということもあり、ものづくりに沿った仕事内容を一部ご紹介します。

 

・研究開発

特殊車両の研究開発では新しい技術や材料を探求し、「環境への配慮」「作業の効率化」「安全性の向上」を目指しています。例えば、電動化技術の導入によりエミッションを削減し、自動運転技術を適用することで人手を減らして作業を効率化。また、IoT技術を利用した遠隔操作や先進のセンサー技術を用いて、精密な作業の実現に向けた研究開発も行われています。さらには、過酷な環境での使用に耐える耐久性や、環境に優しい材料の開発も進められており、特殊車両を進化させるための研究活動は多種多様です。

 

・機械設計

特殊車両の各部品や構造を設計する重要な役割を担っています。車両の性能、耐久性、安全性、コスト効率、さらには製造のしやすさなど、多岐にわたる要因を考慮しながら設計を進めます。具体的には顧客のニーズや使用条件を把握し、それに適した素材選びや形状設計を行います。また、3D CAD(コンピュータ支援設計)を使用して詳細な設計図を作成し、強度計算やシミュレーションを実施して、設計が仕様を満たしているかどうかを検証します。

 

・電気設計

特殊車両に搭載される電気システムや電子機器の設計を行います。これには、動力管理システム、制御システム、照明、センサー、通信機器などが含まれ、車両の性能と安全性を確保するためには欠かせない役割を担っています。具体的には、顧客の要求仕様をもとに、必要な電子部品やワイヤリングの選定、回路設計を行います。これに加えて、各種センサーやアクチュエーターを用いた制御システムの設計も行います。また、特殊車両は過酷な環境下で使用されることが多いため、電気設計者は防水・防塵性能、耐振動性、耐熱性など、製品が厳しい条件下でも確実に機能するよう配慮した設計を行う必要があります。

 

・ソフトウェア開発

特殊車両の性能を最大限に引き出し、操作性や安全性を向上させるためのソフトウェアを設計・開発します。これには、車両の制御システム、センサーとアクチュエーターの連携、ユーザーインターフェース、通信プロトコルなどが含まれます。特殊車両は非常に多様であり、それぞれ異なる用途や使用環境に合わせたカスタマイズを行います。また、製品の信頼性や安全性を確保するために、厳格なテストと検証プロセスを実施し、ソフトウェアの品質を保つ必要があります。

 

・生産技術

特殊車両の製造プロセスを設計し、効率的で品質の高い生産を実現するための業務を担当します。これには、製造工程の最適化、設備や機械の選定と導入、製造コストの削減、生産ラインのトラブルシューティングなどが含まれます。特殊車両はその名の通り特殊な用途に使用されるため、一般的な乗用車とは異なる複雑な構造や機能を持っています。そのため、生産技術者は車両の設計図や仕様を基に、独自の生産ラインを構築する必要があります。これには、専用の工具や治工具の設計、製造方法の開発などが含まれます。

 

・品質管理

特殊車両の製造過程および完成品の品質を保証し、製品が顧客や法規制の要求を満たしていることを確認する業務を担当します。これには、製造プロセスの監視、品質検査、テストの実施、不具合の分析と改善策の提案などが含まれます。特殊車両は様々な業界で使用されるため、その用途に応じた厳しい品質基準をクリアしなければなりません。品質管理職は、製品の設計段階から製造、出荷に至るまでの全プロセスを監視し、品質のバラつきを最小限に抑えることが求められます。

 

求められるスキルとは

特殊車両メーカーで求められるスキルとしては、専門知識と技術力が重要です。これに加えて、プロジェクト管理能力、問題解決能力、コミュニケーション能力も必要不可欠です。お客様のニーズを正確に理解し、それを製品に反映させるためには、チーム内外との円滑なコミュニケーションが必要とされます。また、特殊車両は常に法規制の変更や新しい安全基準に対応する必要があるため、最新の情報をキャッチアップし続ける姿勢も求められます。

 

活かせる学び・経験

特殊車両メーカーで活かせる学びは多岐にわたります。

例えば、機械設計のポジションでは、機械工学の基礎知識、材料力学、熱力学などの学びが直接役立ちます。これらの知識を利用して、耐久性や効率性を考慮した設計を行うことができます。電気設計では、電気工学の基本、回路設計、電磁気学、制御工学などの学びが必要とされます。これにより、車両の動力システムやセンサー類、コントロールシステムの設計と評価が可能になります。

そしてソフトウェア開発では、コンピュータサイエンスや情報工学の知識が要求されます。プログラミングスキルはもちろんのこと、ソフトウェアアーキテクチャやアルゴリズムの理解も重要です。これによって、車両の動作をコントロールするソフトウェアの開発や最適化を行えます。

 

上記のような内容に関する講義、実験実習、研究へ取り組んだことはもちろん、インターンシップを通じて実際の職場での経験を積むことも活かせる学びになります。

 

まとめ:特殊車両メーカーの魅力を知ろう

特殊車両メーカーは、社会の基盤を支える製品を生み出すことで、私たちの生活に大きな影響を与えています。例えば、災害時の救助活動や建設現場での作業効率化、さらには環境保護に貢献する車両の開発など、多岐にわたる領域で特殊車両はその力を発揮しています。特殊車両は長きに渡って進化し続けていることから、先人たちが築き上げた技術的な基盤を身に着けるだけでなく、新しいアイデアや技術を生み出すことが必要とされるのも大きな魅力です。

 

■参考情報
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