- 鉄鋼メーカー
- 業界研究
- 公開日:2023年1月28日
- 最終更新日 : 2023年12月31日
わたしたちの生活に必要不可欠な自動車や家電、建築などの材料となる鉄を加工した素材を製造・販売する鉄鋼メーカー。
日常生活では直接目に触れることの少ない鉄鋼メーカーではどのような仕事を行うのでしょうか。
この記事では理系出身者が携わる鉄鋼メーカーの仕事内容や活かせるスキルを紹介します。
理系就活生やこれから就活を始める学生でもわかりやすい内容となっているため、業種への理解が深まり、納得のいく就活への一歩となります。
目次
- 鉄鋼メーカーとは?
- 鉄鋼メーカーの仕事内容
- 鉄鋼メーカーで活かせるスキル
- まとめ
鉄鋼メーカーとは?
鉄鋼メーカーでは鉄を加工し、自動車や家電、建築で使用する鉄鋼材料を製造・販売しています。
鉄鋼メーカーは大きく以下の2つのメーカーに分けられます。
- 高炉メーカー
- 電気炉メーカー
高炉メーカーと電気炉メーカーの大きな違いとして、鉄を作る原料が異なることです。
高炉メーカーでは原料に鉄鉱石やコークスなどを使用するため、銑鉄という炭素分の多い鉄を作る工程があります。
そのため非常に大きな設備が必要となることから、高炉メーカーは大手企業が多い傾向にあります。
一方で電気炉メーカーは原料に鉄スクラップを使用していることから、銑鉄工程が必要なく小さな設備となります。
そのため生産量が少ないものの、近年話題となっているカーボンニュートラルな電気炉製法での製造であるため、環境問題に大きく貢献している企業です。
鉄鋼メーカーの仕事内容
鉄鋼メーカーの業種はさまざまであり、企業によって形態や仕事内容は異なりますが、大まかな仕事内容を紹介します。
特に機電系や情報系出身者が鉄鋼メーカーでどのような仕事を行うか、具体的に解説します。
研究開発
鉄鋼製品に関する技術や新製品の研究開発を行います。
研究開発の仕事は鉄鋼商品開発、プロセス開発、基盤技術開発の大きく3つに分けられています。
自動車、電機、重工業などそれぞれのニーズに合った製品の開発や試作、既存製品の改善などを行います。
具体的には新たな特性を持つ鉄鋼材料の開発や、特定の条件に特化した鉄鋼材料の研究などです。
鉄素材の研究開発となるため、機械系や材料系出身者が多く活躍します。
設備技術
生産技術では、研究開発で完成した製品を量産するための生産設備や製造ラインの設計、導入、試運転などを行います。
製品そのものではなく、量産化するための製造に関する仕事です。
設備技術は会社の売り上げに直結するため、生産性やコストに考慮して生産設備や製造ラインを導入する必要があります。
責任が大きい分、自分の導入した生産設備や製造ラインによる生産性の向上やコスト削減を、数字で確認できるため達成感を感じやすい仕事です。
生産設備の設計や導入には、機械や電気、情報系の知識が必要となるため、工学系出身者が多く活躍します。
生産管理
製造部門では実際に製造に携わるオペレーターだけでなく、生産計画や製造設備の保守・管理を行う仕事もあります。
製造設備の不具合による生産停止は、生産計画や売上を左右するため、特に製造設備の保守や管理は重要です。
製造設備の点検や修理には機械や電気などの知識や資格がなければできないものもあるため、それらの知識を持つ人が活躍します。
品質管理
品質管理では、製造された製品が決められた品質基準を満たすかを検査します。
また不良品が発生した場合はその原因の調査や改善も行います。
品質の検査には専門的な知識や検査スキルを要することもあり、理系出身者も多く活躍しています。
鉄鋼メーカーで活かせるスキル
鉄鋼メーカーで活かせるスキルについて紹介します。
入社後に仕事をする中で身につくスキルもあるため、就職活動の時点で当てはまらなくても悲観する必要はありません。
モノづくりが好き
鉄鋼メーカーは、モノづくりをする業界です。
鉄鋼メーカーで製造する製品は、家電製品に使用されるような小さなスケールのものから、ほかのメーカーでは体験できないような大きな製品まで、幅広いスケールのモノづくりに携わることができます。
鉄鋼メーカーは自動車や家電、建築などどの業界においても欠かせない存在です。
そのためモノづくりが好きな人であれば、やりがいを感じながら仕事ができます。
自分の携わった製品が実際に使われることで、達成感を感じることができるでしょう。
英語が得意
鉄鋼メーカーは海外進出を課題とする企業が多い業界です。
そのため今後の海外進出にあたり開発や設計、生産技術の部署では海外工場立ち上げや設備の導入などにより、海外出張や滞在の可能性もあります。
また日本での仕事の場合でも、鉄鉱石など原料の輸入を海外に頼っていることから英語を使用する機会も多々あります。
新しく開発する製品について海外の顧客とやりとりする場面や、海外の市場調査のために英語で書かれた資料を読む機会もあります。
そのため英語が得意な人は、鉄鋼メーカーでスキルを大いに活かすことができるでしょう。
情報収集が得意
鉄鋼業界の技術は日々進歩しています。
そのため学生時代に学んだ知識や仕事で得た知識を自分のものにするだけでなく、新しい技術に関する情報を集め勉強し続けることが大切です。
他社よりも早く新しい技術の情報を手に入れることで、それが会社の売り上げに貢献することもあります。
情報収集や新しい知識を取り入れるのが得意な人は、鉄鋼メーカーで大きく活躍できるでしょう。
まとめ
わたしたちの生活に欠かせない家電や自動車、建築物などの鉄鋼材料を作る鉄鋼メーカーについて、仕事内容や活かせるスキルを紹介しました。
鉄鋼メーカーでは研究開発分野や設備設計分野、品質管理など幅広い場面で理系学部出身の社員が多く活躍しています。
この記事を参考にすれば、理系就活生の企業選びや業界研究に役立つでしょう。