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2024年12月18日(更新:2024年12月18日)
Web系企業とは、インターネットを活用した自社サービスの開発を行う企業の総称です。SIer系企業がクライアントのシステム開発に携わる一方、Web系企業では自社開発を行うことで、併せて語られることも多いです。
本記事では、Web系企業の分類、求められるスキルなどを詳しく解説します。これからWeb系企業を目指す方、興味がある方はぜひご覧ください。
参考記事:SIer業界を徹底解説!ユーザー系、メーカー系、独立系の違いや理系学生の企業選びにおける大事なポイント
Web系企業の特徴と魅力
Web系企業では、自社が保有するプロダクト(製品・サービス)の企画・開発・運用を一貫して行います。一方、受託開発やSES(システムエンジニアリングサービス)では他社のプロダクト開発を請け負います。「自社プロダクトの開発に長く携わる」「様々なプロダクトの開発に携わる」といった点で、それぞれ異なることが特徴です。
自社開発の主な魅力
- 自由な技術選定:新しいプログラミング言語やフレームワークを試し、最適な技術を採用することができます。
- プロダクトへの深い関与:一連の開発工程に関与するため、ユーザーのフィードバックを直接反映しながら改善を重ねることが可能です。
- 働き方の柔軟性:リモートワークやフレックスタイム制度を導入している企業が多く、効率的で自由な働き方が実現できます。
- アジャイル開発が主流:短期間で小規模な機能を開発、リリースを繰り返すアジャイル型が多く取り入れられています。
- 自社プロダクトに全集中:関心の強い課題や分野に向き合い、自社プロダクトの成長へ集中することができます。
Web業界の4つの分類
Web業界を理解するためには、「誰に何を提供するか」を軸に整理することが役立ちます。
以下はWeb業界をBtoB・BtoCと商品/サービス提供の観点で分類したものです。
BtoC(Business to Consumer)
商品/コンテンツ提供:
– ECサイト(例:楽天、Amazon、ヤフー、ZOZO)
– コンテンツ販売(例:Netflix、U-NEXT、Hulu、DMM)
サービス提供:
– SNS(例: Instagram、TikTok、X、Facebook)
– マッチングサービス(例: メルカリ、Uber、Airbnb、ココナラ)
– 漫画・電子書籍(例: メディア工房、and factory、インフォコム)
BtoB(Business to Business)
商品/コンテンツ提供:
– ECサイト(例: ミスミ、アスクル、モノタロウ)
– 業務ソフト(例: SmartHR、freee、ラクス)
サービス提供:
– 広告(例: Google、LINEヤフー、サイバーエージェント)
– マーケティング支援(例: HubSpot、Salesforce、SATORI)
– 社内チャット(例: Slack、Chatwork、Microsoft Teams)
自社開発のメリットと求められるスキル
自社開発の形態では様々なメリットがあり、そして求められるスキルも多数あります。ここでは各々3つずつ紹介します。
メリット
- プロジェクト主導権の確保:自社主導で開発が進められるため、プロジェクトの方針決定やスケジュール管理が柔軟に行えます。
- ユーザーの声を直接反映:プロダクトの利用状況をデータで分析し、ユーザーのフィードバックを即座に改善に反映できます。
- 長期的なスキルアップ:継続的な機能改善やアップデートを行う中で、新しい技術やトレンドに触れながらスキルを伸ばせます。
求められるスキル
- 技術力:新たな開発言語やクラウド技術をはじめ、最新の技術を取り入れる柔軟性が重要です。
- 問題解決力:ユーザーの課題を正確に分析し、効果的な解決策を提案する能力が求められます。
- コミュニケーション能力:営業、マーケティング、カスタマーサクセスなどの他部門との連携が必要になるため、協働力が不可欠です。
これからのWeb業界で注目すべきトレンド
1. DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展
企業が業務効率化や顧客体験向上を目的にデジタル化を進める中、Web業界の需要が急速に高まっています。特に製造業や小売業では、ECサイトやマーケティングツールを活用した新たなビジネスモデルの構築が進んでいます。これにより、Web業界では業界特化型のサービス開発やコンサルティングの機会が増加しています。
2. AIと自動化
AI(人工知能)の活用はWeb業界でも重要なトレンドです。他にも様々なシーンでAIが普及しており、例えばチャットボットによるカスタマーサポートの効率化や、ユーザー行動データを分析して最適な広告を表示するパーソナライズド広告などがあります。
また、ChatGPTが大きな話題となったように、自然言語処理技術や画像生成AIなどを活用したコンテンツ制作の自動化も注目されています。これらの技術は、Web業界の業務効率向上や新しいサービスの提供に繋がっています。
3. サステナブルなサービスの提供
環境配慮型のWebサービスが企業の新たな競争軸として注目されています。例えば、データセンターの運用で再生可能エネルギーを活用したり、ユーザーの行動に基づく環境負荷の可視化するサービスなどが登場しています。こうした取り組みは、エンドユーザーの意識変化に応えるだけでなく、企業自身の社会的責任(CSR)やブランド価値の向上にも寄与しています。
4. 働き方の多様化
Web業界では、リモートワークや副業が当たり前となりつつあります。クラウド型のコミュニケーションツールやプロジェクト管理ツールが広く普及したことで、物理的なオフィスに縛られることなく働ける環境が整っています。また、副業を通じて異業種の経験を得たり、自分のスキルを高める機会が増えており、エンジニアやクリエイターにとっても魅力的な状況です。このような自由度の高い働き方は、優秀な人材を引き付ける要因にもなっています。
5. セキュリティ強化とプライバシー保護
Webサービスの利用が増加する一方で、サイバー攻撃や個人情報漏洩のリスクも増えています。そのため、セキュリティ対策やプライバシー保護を強化したサービスが求められています。例えば、二段階認証の導入や、GDPR(一般データ保護規則)に対応したデータ管理が注目されています。セキュリティ面での信頼性が、今後のWebサービス選定の重要なポイントになるでしょう。
6. メタバースとWeb 3.0
メタバースやWeb 3.0(分散型インターネット)の概念が登場し、新しいビジネスチャンスが広がっています。例えば、メタバース内での仮想店舗運営やNFT(非代替性トークン)を活用したデジタル資産の販売が挙げられます。これらのトレンドは、Web業界における新しい収益モデルとして期待されています。
7. 海外の影響を受ける変化の激しさ
Web業界は特に海外のトレンドの影響を受けやすく、変化のスピードが非常に速い分野です。例えば、SNSではX(旧Twitter)やInstagram、TikTokといった海外発のサービスが日本市場に瞬く間に浸透し、大きな影響を与えています。
また、AI分野ではOpenAIやGoogleの最新技術が日本市場に即座に展開されるなど、世界的な技術革新が日本国内の市場や働き方にダイレクトに影響を及ぼしています。
Web業界は技術革新や社会の変化とともに常に進化を続けています。DX、AI、サステナビリティ、働き方改革、グローバル化といった多様なトレンドが交錯し、新たな可能性を生み出しています。これからWeb業界に挑戦する人は、これらのトレンドを把握し、最新技術や市場の動向を積極的にキャッチアップすることが重要です。
まとめ
Web系企業は技術革新とともに成長を続ける業界です。自社開発に携わることで、プロダクトの企画から運用まで一貫して経験でき、ユーザーの声を反映した開発に携わることができます。これからWeb業界を目指す方は、自社開発、BtoB/BtoCの特徴などを把握した上で、自分に合った企業を探してみてください!
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