自動車メーカーと自動車部品メーカーの違いとは?それぞれの役割、関連性、仕事のやりがいを解説!

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  • 公開日:2024年10月28日
ものづくりにおいて、自動車メーカーと自動車部品メーカーはそれぞれ異なる役割を担っています。同じ自動車業界に属していても、両者の仕事内容や開発プロセスには大きな違いがあります。この記事では、自動車メーカーと自動車部品メーカーの違いについて、両者の役割や業務の特徴を解説します。

自動車メーカーの役割とは?

自動車メーカーは、車両全体の企画、設計・開発、製造、販売までを行う企業です。国内だとトヨタ・日産・ホンダ、国外だとフォルクスワーゲン・現代自動車・テスラなど、多くのユーザーに愛される企業が世界中に多数存在します。

 

自動車そのものを最終製品として市場に送り出すため、エンジンやボディ、内装、電気システムなど、車両のあらゆる部分に関わる総合的な開発力が求められます。自動車メーカーは、車両の企画段階で消費者ニーズや法規制、市場動向を踏まえて車の設計を行い、全体のデザイン・機能・性能を決定します。

 

しかし、すべての部品を自社で開発・製造するわけではなく、特定の部品や技術に関しては専門性を持つ自動車部品メーカーに依頼することが一般的です。車両全体の設計は自動車メーカーが行う一方、部品開発や搭載では自動車部品メーカーと連携しながら進めていくのが特徴です。

 

自動車部品メーカーについては、部品ごとに特徴があり、企業例を以下の記事で詳しくまとめていますのでご参考ください。

【理系就活】自動車部品メーカーを徹底調査!エンジン、電装、内外装部品など製品別の特徴や企業例について

 

自動車部品メーカーの役割とは?

自動車部品メーカーは、特定の自動車部品の開発・製造を専門に行う企業です。エンジン部品、トランスミッション、電装品、ブレーキシステムなど、自動車に使用される部品は非常に多岐にわたります。自動車部品メーカーはこれらの各部品の設計、開発、そして量産に特化しています。

 

自動車部品メーカーの最大の強みは、特定の部品に対する深い専門知識と技術力です。自動車メーカーが求める性能や基準に応じて、最適な部品を提供することが求められます。例えば、燃費性能を向上させるためのエンジン部品や、安全性能を高めるためのブレーキシステムなど、専門技術を駆使して自動車メーカーのニーズに応える形で開発を行います。

 

また国内だけでなく国外の自動車メーカーとも積極的に取引を拡大しており、国内外のマーケット調査を行った上で、新製品の開発にも意欲的です。新製品の開発、既存製品の改良、そして量産品の品質や生産力の向上など、技術面で非常に力を入れています。

 

自動車メーカーと自動車部品メーカーの関係


自動車メーカーと自動車部品メーカーは、車両の開発において密接に連携しています。自動車メーカーは、車両全体の設計や性能基準を決め、その設計に合わせて自動車部品メーカーが部品を開発・供給します。

 

例えば、エンジンやトランスミッションといった主要部品は、自動車メーカーと自動車部品メーカーが共同で開発することも少なくありません。とある自動車メーカーの開発現場では、そのメーカーの社員に加えて、様々な自動車部品メーカーの社員が同じプロジェクトチームとなり、共同開発を進めている事例もあります。

 

自動車メーカーが求める性能や設計に応じて、自動車部品メーカーはカスタマイズされた部品を提供し、最終的な車両に搭載していきます。自動車部品メーカーは、技術革新や新技術の導入によって、自動車全体の性能を大きく左右することもあり、両者の関係は単なる供給元と顧客の関係以上のパートナーシップといえます。

 

自動車メーカーが新しい車両を企画する際には、部品メーカーと早い段階から協力して開発を進めることが多く、その際、搭載設計や仕様に関して綿密な打ち合わせが行われます。

 

自動車メーカーと自動車部品メーカー、それぞれのやりがい

自動車メーカーと自動車部品メーカーには、それぞれ異なるやりがいがあります。以下では、その違いについて説明します。

 

自動車メーカーのやりがい

自動車メーカーは車両の企画から完成までの全工程を担っていますが、実際には分業体制が取られており、各社員は内装や外装、電装品など、特定の部分の開発に携わることが多いです。全体に関わる仕事としては、企画や搭載検討などが含まれます。

 

それでも、車両全体を視野に入れながら特定の分野で専門的に関わることで、車両全体の性能や品質に影響を与える重要な役割を果たすことができます。また、完成車を間近で見ながら開発を進められる点は大きな魅力であり、完成車が市場に出た瞬間の達成感は非常に大きいものです。

 

さらに、自動車メーカーは多くの部門や外部の自動車部品メーカーと協力して製品開発を進めるため、他の技術分野との連携やコラボレーションの機会が豊富です。エンジニアとして、企画段階から消費者のニーズに応じたデザインや機能を反映させることができ、直接フィードバックを受け取れる点もやりがいの一つです。

 

自動車部品メーカーのやりがい

自動車部品メーカーでは、特定の部品に対して深く専門的に携わることができ、部品一つひとつの性能や品質が車両全体の性能に大きく影響するため、自動車全体の機能を支える重要な役割を果たしている実感が得られます。

 

また、自動車メーカーが自社製品に専念するのに対して、自動車部品メーカーは国内外の様々な自動車に対応し、それぞれの車両特性に応じた設計開発に携われる点も大きなやりがいです。

 

さらに、次世代の車両に必要な技術をいち早く開発し、自動車メーカーに提案できることも大きな魅力です。例えば、安全性を向上させるブレーキシステムや、環境負荷を低減するエンジン部品の開発など、技術の最前線で革新的な製品を生み出し、世界中の自動車メーカーに提供できるやりがいがあります。

 

まとめ

自動車メーカーと自動車部品メーカーは、同じ自動車業界で活躍しているものの、それぞれ異なる役割を担っています。転職市場を見ていても自動車メーカーから自動車部品メーカーへ転職する方々、自動車部品メーカーから自動車メーカーへ転職する方々がどちらも多いことから、各々ならではのやりがいがあります。

 

自動車メーカーと自動車部品メーカーは、それぞれの得意分野を活かしながら、より優れた車両を生み出すために協力し合っています。エンジニアとしてのキャリアを考える際、自動車業界のどの分野で、どのように働きたいかを理解するための参考になれば幸いです。

 

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