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2025年9月19日(更新:2025年9月19日)
メーカー業界(=製造業界)とIT業界は、それぞれ独自の特徴と魅力を持っています。昨今では機電系や化学生物系などの理系大学生が、どちらに進むのか悩む声も増えています。本記事では、両業界の概要と特徴を比較し、それぞれの業界での働き方やキャリアの展望について探っていきます。
メーカー業界の特徴
メーカー業界は、物理的な製品や商品を開発・生産する産業のことを指します。日本の高度経済成長を支えた主力産業でもあり、今なお社会や生活に欠かせない存在です。その特徴と魅力を以下に整理しました。
1. 物理的な製品の開発と製造:ものづくりの追求
メーカー業界は、製品の設計・開発から製造・品質管理までのプロセスを通じて、高品質な製品を生み出すことに重点を置いています。例えば自動車や家電、精密機器のように、完成した製品が直接人々の生活を変えることが多いのが特徴です。製品が形になる瞬間や、社会に広く普及していく過程にやりがいを感じる人が多い業界です。
2. 多様な分野と職種
自動車、電子機器、医療機器、食品、化学など、多くの産業の基盤を支えるのがメーカー業界です。研究開発、設計、生産技術、実験評価、生産管理、品質管理、製造など、多様な職種が存在します。理系学生が学んできた専門知識をダイレクトに活かせるポジションや、理系だけに限定して募集を行う企業が多い点も大きな特徴です。
3. グローバル展開の機会
多くのメーカー企業はグローバルに事業を展開しており、海外工場や現地法人との協業も一般的です。海外赴任やグローバルプロジェクトに参加するチャンスもあり、異文化理解や国際的な視野を広げながらキャリアを積むことができます。
4. 長期的なキャリア形成
メーカー業界は製品ライフサイクルが長いものも多く、腰を据えて一つの技術や製品に取り組める環境があります。現場で培った知識を活かして、スペシャリストとして専門性を磨く人もいれば、将来的にはマネジメントや企画職にキャリアを広げる人もいます。
IT業界の特徴
IT業界は、情報技術に関連する製品やサービスを提供する産業を指します。近年のデジタル化やAIの台頭により、急速に存在感を増している分野です。その特徴と魅力を以下にまとめました。
1. 技術の進化と革新
IT業界は進化のスピードが非常に速く、クラウド、AI、ビッグデータ、IoT、ブロックチェーンなど新しい技術が次々に生まれています。ChatGPTに代表される生成AIのように、日々の生活や仕事のスタイルを大きく変える技術が次々登場しており、常に最先端に触れられる環境です。
2. グローバルなビジネス
ITサービスは国境を越えて利用されることが多く、世界各国の企業や個人が開発したサービスや開発ツールを私たちは日常的に利用しています。開発言語などの技術は世界各国で共通のものが使われており、リモートワークでも取り組みやすい事から、海外エンジニアとの協業や海外市場向けのサービス開発に関わる機会も豊富です。
3. フレキシブルな働き方とスキルセット
リモートワークやフレックスタイム制度が浸透しており、柔軟な働き方を実現しやすいです。キャリアの幅も広く、Webエンジニア、インフラエンジニア、AIエンジニア、データサイエンティスト、セキュリティエンジニアなど多彩な道があります。技術的専門性だけでなく、顧客折衝や問題解決力、チームでの協働力なども求められるため、バランスの取れたスキルが必要とされます。
4. 成長と挑戦の機会
新しいビジネスモデルやスタートアップが次々と登場するため、自らの力で新しいサービスを作り出すチャンスが豊富にあります。失敗と挑戦を繰り返しながら成長する風土が根付いており、主体性を持って動ける人には大きな魅力のある業界です。
理系でどちらも悩む人へ
理系といっても、専攻ごとに就職の傾向は大きく異なります。
例えば、機械・電気電子・化学・生物系はメーカー就職が多く、情報系や数学系はITを選ぶ人が目立ちます。物理系はメーカー・ITどちらにも進む人が多く、建築系ではゼネコンやインフラなど独自のキャリアが広がっています。
近年は、どの専攻でもITやデジタル技術とつながる道が増えてきました。たとえば、機械・電気電子系の人がデジタル化推進や自動運転システムに関わるケース、化学・生物系の人がデータ解析やAI活用に携わるケースなど、従来の進路と新しい進路が重なり合う事例も少なくありません。また、専攻にかかわらず、Web系企業やSIerで新しいキャリアに挑戦する先輩も増えています。
ここで大切なのは、「自分はどちらに熱中できるのか」「どちらで力を発揮できそうか」「学んできた知識をどう活かしたいか」などの問いを自分自身に投げかけてみることです。正解は一つではなく、人によって答えはさまざまです。専攻ごとの傾向や先輩の事例を参考にしながらも、最後は「自分が納得できる選択」で意思決定することが何より大切です。
まとめ
メーカー業界とIT業界は、いずれも社会や生活を支える重要な産業ですが、求められる適性や働き方には違いがあります。
メーカー業界は「形ある製品を生み出す喜び」「長期的に技術を深める環境」「グローバル展開を通じた経験」が特徴です。一方、IT業界は「変化の速さと技術革新」「柔軟な働き方」「多彩なキャリアパスと挑戦の機会」が特徴です。
そして、理系学生が両者の間で悩むのは自然なことです。自分の専門性を活かすか、新しいフィールドに挑戦するか──この選択を通じて、自分のキャリアの軸を見つけることが将来につながります。両業界の特徴を理解したうえで、自分にとって最適なキャリアを描いていきましょう!
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