【SPI対策】理系が7割を安定して取るには? ― 9割安定スタッフが考えるスコア帯別攻略法

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理系大学生向けに、SPIで7割以上を安定して取るための実践ガイドです。この記事は、当社スタッフの中でも「常に9割以上を安定していた人」や「5割前後から7割台へ伸ばした人」が協議の上、企画・執筆しました。

現在の得点帯を「6~7割台付近」「4~5割台」「4割未満」の3パターンに分けて、スコアを引き上げるためのコツと学習メニューを紹介します。理系が伸ばしやすい“非言語の速度×正確さ”を軸に、言語・英語・構造把握・性格検査まで一気通貫で対策していきましょう。

まずは把握:SPIの全体像と理系がハマるポイント

SPIは「能力」+「性格」。能力は主に言語/非言語(企業により英語・構造的把握力を追加)、性格は一貫性と傾向を見ます。理系は非言語で優位に立ちやすい一方、時間切れ・国語語彙・設問運用(見直し不可等)で失点しがち。まずは模擬試験で分野別の正答率と未着手数を数え、課題を「速度」「知識」「運用」の3軸で特定しましょう。

 

速度課題:手が止まる/計算が遅い→解法パターン化+見切り秒数の設定
知識課題:語彙/公式を忘れている→頻出語彙・公式の最小セットを暗記
運用課題:序盤で迷う/戻れない→スキップ基準・ページ送りのルール化

 

現在地別:スコア帯ごとの伸ばし方(6~7割/4~5割/~4割)

① 6~7割台付近:“取りこぼし”の削減で7.5~8割を狙う

非言語:場合の数/確率/割合・損益/速度算などの頻出分野は「問題の型を見極め → 解法を選び → 数値を当てはめる」流れを徹底。最初に「どのパターンか」を判断してから手を動かす。
言語:整序と長文は設問先読み→段落トピック拾いで処理。未知語は誤選肢のパターン(主語ズレ・因果逆)で排除。
英語:長文は設問を先に読み、各段落の最初の1文で主張をつかむ(パラグラフリーディング)。文全体を訳そうとせず、文頭・接続詞・結論表現を目印に読む。
構造把握:文の関係を因果/対比/包含の3パターンで整理する練習を重ね、パッと分類できる感覚を身につける。
ゴール:「理解できずに解けなかった問題」を放置せずに対策。その上で、制限時間内に解き切るための自分なりのペース配分と判断ルール(スキップ基準・見切り秒数など)を確立する。

 

② 4~5割台:頻出の“勝ち筋”を固めて6~7割台へ

非言語:基幹4種(割合・損益/速さ/場合の数/確率)を優先。図示→式立て→代入の3手順を口頭で説明できるくらいまで練習。
言語:語彙は「多義語・反意語・接続詞」を集中強化。整序は指示語と接続詞から文の繋がりを掴み、骨格となる順番を先に決める。
英語:同意語・空所補充を集中的に演習。長文は設問先読み+各段落1行要約。
ゴール:得意分野は伸ばし、苦手分野は点数を稼ぎやすい部分から演習。まず未着手ゼロを目標に。

 

③ 4割未満:“速度が出る土台”を2週間で作り、まずは5割台へ

非言語:四則演算・分数・割合換算のウォームアップから開始。公式カード(損益・速さ・順列/組合せ・確率)を毎日回す。
言語:二語関係・語句の意味に絞り、1日30語以上の暗記+翌日テスト。
ゴール:同一問題集1冊を2周+直前見返しで理解を深める。まずは5.5~6割の“底上げ”を達成。

 

分野別のコツ:言語/非言語/英語/構造的把握力/性格

🧠 言語

・二語関係:言葉の関係性(包含/対義/同義/目的―手段/材料―製品/因果)を見分け、すぐタグ付けできるよう練習。
・空欄補充:空欄の前後+指示語の先をまず確認。間違いの多くは主語のズレ。
・整序:接続詞→指示語→時制の順で関係をつかみ、文の骨格から並べる。

 

<整序の例題とコツ>

【問題】
①それは過去に行われた研究である。
②結果は良好だった。
③しかし

【解答】
②結果は良好だった。③しかし①それは過去に行われた研究である。

【解説】
「しかし」は対比・逆接を示す接続詞なので、前文(良好な結果)を受けて内容が反転する文が後に来ます。次に「それ」は前文(結果)を指す指示語。最後に「行われた」は過去時制で完結した事実を述べているため、時制的にも自然な流れになります。

接続詞 → 指示語 → 時制の順に見れば、文の骨格が整理しやすくなります。

 

⚙️ 非言語

・割合・損益:まず比で考え、最後に数値化。端数は早めに近似判断して時短。
・速さ:ダイヤグラムや数直線で図示し、距離・速さ・時間のうち「求める要素」を即断。
・場合の数・確率:最初に順列/組合せのどちらかを決める。樹形図は必要最小限に。
・集合:ベン図で整理。全体・重なり・片方のみの3領域に分けて処理。

 

🌍 英語(指定企業のみ)

・語彙:同意語・反意語のセット、前置詞+動詞の組み合わせ、接続詞を暗記。
・長文:設問を先に読む→各段落の最初の1文で主張をつかむ(パラグラフリーディング)。

 

<英語長文の例題とコツ>

【問題】
Question: What is the main idea of the passage?

まず設問を読んで、「何を探す問題か(=主張/理由/具体例など)」を意識しておく。
この場合は main idea(主張) を問われているので、「筆者の結論」がどこにあるかを意識して読む。

【本文】
Recently, the use of renewable energy has been expanding rapidly around the world.However, there are still some challenges such as high costs and weather dependency.Therefore, it is important to promote renewable energy through both technological innovation and government support.

この文章を、以下の3段落だと把握。

Paragraph 1: Recently, the use of renewable energy has been expanding rapidly around the world.
Paragraph 2: However, there are still some challenges such as high costs and weather dependency.
Paragraph 3: Therefore, it is important to promote renewable energy through both technological innovation and government support.

【解答】
A. The demand for renewable energy is decreasing due to high costs.
B. The government should stop supporting renewable energy projects.
C. Renewable energy has no challenges and is already widely used.
D. Promoting renewable energy requires both technology and policy efforts.

→D(技術と政策の両輪で推進が必要という結論)

【解説】
設問で主張を聞かれているため、「結論らしい部分」を探して読むのがポイントです。
本文では、各段落の最初の1文に要点があり、

第1段落:話題の導入(再生可能エネルギーが広がっている)
第2段落:課題の提示(コストや天候の問題)
第3段落:結論(技術と政策の両面で進める必要がある)

と構成が明確。特に “However” や “Therefore” といった接続詞は、主張や転換点のサインになります。この流れが、時間をかけずに要旨を把握する「パラグラフリーディング」の基本手順です。

 

🧩 構造的把握力(指定企業のみ)

・言語型:「因果」「対比」「包含(全体と部分)」等の構造をマーカーで整理して読む。
・非言語型:「どちらも“確率が独立している”」「2条件が重なっていない(背反)」といった関係の型を見抜く。

 

<言語型の例題とコツ>

【問題】
A:「多くの人が健康を気にするようになった。そのためジムの利用者が増えた。」
B:「気温が下がったので、暖房器具の売上が伸びた。」
C:「電車が遅れたが、会議には間に合った。」

Aと同じ関係の文はどれ?

【解答】
→ B(どちらも「原因→結果」の因果関係)

【解説】
“そのため”をチェックした上で、 “ので”と “が”をチェック。因果関係を示すのは “ので”であることから、構造が一瞬でわかります。

 

<非言語型の例題とコツ>

【問題】
A:「サイコロを2回振って出る目の合計を求める」
B:「カードを1枚引いて、同じカードを戻してもう1枚引く」
C:「袋からボールを1個取り出し、戻さずにもう1個取り出す」

Aと同じ構造のものはどれ?

【解答】
→ B(どちらも独立事象。1回目が2回目に影響しない)

【解説】
数字を追うより、「影響する/しない」「重なる/重ならない」という構造パターンを整理して考える。

 

🧭 性格検査

・一貫性を最優先。 極端な回答を続けず、自分の行動と矛盾しない選択を。
・「良く見せる」よりも自分の価値観や行動特性を自己分析した上で答え、不一致を防ぐ。

 

※マメ知識:性格検査は良く見せようとしすぎると逆効果

性格検査の結果は、企業側ではグラフや数値で行動特性や価値観を確認できる形式になっています。面接や入社後の参考情報として扱われますが、回答に一貫性がないと「虚偽の可能性」と表示され、言語・非言語が高得点でもSPI不通過となる場合があるので注意が必要です。

「その企業の求める人物像」に合わせようとして虚偽の回答が多くなってしまう場合、その企業にマッチしない可能性や仮に入社できても様々なギャップで短期離職となる懸念もあります。

 

本番で点が伸びる“運用術”:時間配分・判断力・精度管理

SPIは知識よりも「運用力」で差がつきます。限られた時間の中で、どの問題にどれだけ時間を使うか・どう判断するか・どの程度の精度で答えるかをルール化しておくことで、実力を最大限に引き出せます。

 

・ 時間配分と見切り判断

SPIは基本的にページ送りが不可逆(戻れない形式)。1問に悩みすぎると、得点できる問題を逃すリスクがあります。「30秒考えて手が止まったらスキップ」「解法が浮かばない問題は“捨て問”としてマーク」など、自分なりの判断ルールを決めておくことが大切です。重要なのは、“1問の正解”よりも“全体の完走”を優先する姿勢です。

 

・書き方と整理のコツ

メモは“書くため”ではなく、“答えを出すため”の手段。途中式は最小限の数式+キーワードのみを残し、後から見返しても一瞬で流れが分かるようにします。丁寧に書き込みすぎると時間を浪費するため、「必要な情報だけを整理する」意識が大切です。

 

・ミスを防ぐ習慣作り

誤答の多くは焦りや確認不足によるものです。「計算後に1行だけ見直す」「単位や符号を読み飛ばさない」など、自分専用の確認ステップを1~2個決めておきましょう。この“ワンテンポ確認”を入れるだけで、正答率は確実に上がります。

 

まとめ

理系は非言語分野で伸びやすい一方、言語や本番運用での取りこぼしで点数を落とす事は珍しくありません。まずは自分の得意・不得意を把握し、それぞれに合った対策を行いましょう。演習で分からない問題に出会ったときは、解説を理解し、自分の言葉で説明できるまで反復することが重要です。

基礎理解さえ固まれば、時間配分・判断力・精度管理を意識した練習を重ねることで、安定して高得点を狙うことができます。

 

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