【27卒】理系学生の就活軸はどうやって作る?モチベーション・成長・働き方の3視点で整理

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就活が近づくと、つい「業界」「職種」「大手かどうか」など“外側の条件”から企業を選びがちです。もちろん大切な視点ですが、本当に自分に合うキャリアを見極める鍵は、「自分が会社を選ぶ際に大事にしたい基準=就活軸」を持てているかどうか。

理系学生は、研究・実験・設計で培った視点を落とし込みやすいのが強みです。まずは、自分の価値観を言葉にし、軸を見直してみましょう。

就活軸とは何か?

就活軸とは、会社を選ぶときに自分が大事にしたい基準のことです。

業界や職種で決める人もいれば、会社規模や知名度、仕事の裁量、取り組みたい社会課題、企業の理念や文化、働き方や待遇で決める人もいます。決め方に正解はなく、人それぞれです。

 

例:

・成果が目に見える開発に価値を感じる → 現場との距離が近い会社
・技術を深掘りしたい → 研究開発色が強く、技術に専念できる会社
・自動車の設計開発に深く取り組みたい → Tier1、Tier2として自動車部品を開発する会社
・プログラミングから離れたくない → 若手~ベテランまで実装に取り組んでいる会社
・裁量とスピードを重視 → 若手に任せる社風や挑戦機会の多く、体現している先輩が多い会社
・社会課題に挑みたい → 少子高齢化、環境問題、教育格差、ジェンダー不平等、医療問題等に関わる会社
・国内外など場所を問わず働きたい → フルリモートの求人が多い職種×自分の得意・関心が活かせる会社

 

「自分が大事にしたい基準=就活軸」を持てると、数ある企業から“合う会社/合わない会社”を見極めやすくなります。逆に軸が曖昧だと、内定がゴールになりやすく、入社後の違和感やミスマッチにつながることがあります。

 

就活軸を考える3つの切り口

就活軸は「自分にとって大事な基準」を明確にするものですが、いきなり考えようとするのは難しさがあります。そこで、以下の3つの視点から整理してみましょう。

 

① 夢中になれること(モチベーション)

「どんな瞬間に一番ワクワクするか」を振り返ってみましょう。

 

例:

・新しい知識や技術を学んで理解するのが楽しい
・好きな製品やサービスに関わる仕事が熱中できる
・CAD、実験、プログラミングなど“手を動かすこと”に没頭できる
・データ解析やアルゴリズム設計で仮説検証を繰り返すことが好き
・社会や人の課題解決に取り組む時にやりがいを感じる
・得意分野で、他の誰よりも活躍できる瞬間が楽しい

 

→ 心が動くポイントを知ると、「なぜその業界に惹かれるのか」「どんな仕事に充実感を得られるのか」が見えてきます。

 

② 成長の方向性(キャリアの理想像)

「どんな成長をしていきたいか」の視点です。よくある事例を8つ取り上げます。

 

1、専門特化型:一つの領域を突き詰め、研究者や技術の第一人者を目指したい
2、ゼネラリスト型:設計、開発、品質保証、マネジメントなど幅広い領域を経験したい
3、裁量志向型:若いうちから責任を持ち、自分のアイデアを実装やプロジェクトで形にしたい
4、協働/個人志向型:仲間と切磋琢磨して成長したい/一人で集中して成果を出したい
5、社会インパクト志向型:社会課題や環境問題に取り組み、成果が社会に役立つ実感を得たい。
6、グローバル志向型:海外や国際的な環境で多様な方々と協働し、世界市場に挑戦して成長したい。
7、ビジョン共感型:企業の世界観や理念そのものに共鳴し、その一員として働くことで成長したい。
8、報酬志向型:成果が評価や収入に直結する環境を求め、そのプレッシャーを成長の糧にするタイプ。

 

→ どのタイプに惹かれるかで、向いている企業や環境が変わります。

 

③ 働き方のスタイル(環境の好み)

「どんな環境で力を発揮しやすいか」の視点です。

 

例:

・仕事タイプ:現場で実験や検証に関わりたい/設計や解析に集中したい/顧客対応や課題定義を通じて動きたい
・裁量の幅:自律的に判断して動きたい/決められた手順を着実にこなしたい
・スピード感:ベンチャーのような高速サイクルで挑戦したい/大手のように腰を据えて精度を高めたい
・チームの規模:少人数で密に動きたい/大規模組織で役割分担しながら働きたい

 

→ 自分に合う働き方を把握すれば、入社後に無理なく力を発揮できる会社を見つけやすくなります。

 

就活軸の例

上の3視点を踏まえると、就活軸として具体化しやすくなります。

就活軸は人によるものなので全て紹介はできませんが、ここでは5つの例を紹介します。

 

① 理念・社会課題×技術適用

指すもの:技術で解きたい課題が明確(脱炭素、エネルギー効率、医療DX、宇宙・防災 など)
例:電力需給最適化アルゴリズム/高効率モータ設計/医用画像AIの精度向上に挑む事業を選ぶ

 

② 一緒に働く人・技術文化

指すもの:レビュー文化、再現性を重視する実験設計、品質保証・安全規格への向き合い方、学会・勉強会支援
例:設計審査やコードレビューが機能し、技術ドキュメント・実験ノートが整備された組織

 

③ 専門性の深さとスコープの広さ

指すもの:上流工程から下流工程まで全てカバー、分業ではなく1人1人が広く挑戦
例:(メーカー)仕様検討→設計→評価→量産までの一貫開発/(IT)要件定義→設計→実装→テストまでの一貫開発

 

④ 研究と実装の距離

指すもの:研究成果を試作・実証・量産へ橋渡しできる環境、現場データで検証を回せるか
例:実機評価設備やテストベンチ、ユーザー現場でのPoCが可能な組織

 

⑤ 働き方・設備・待遇

指すもの:フレックス/リモート可否、クリーンルーム・計測機器・CAE環境など設備、学会参加/研究費支援、報酬・SO制度
例:開発効率を高めるツール投資や検証設備が充実し、学び直しや外部発表を後押しする制度がある

 

業界・職種だけでは判別できないほど沢山の企業があるからこそ、自分なりに重視する就活軸を定義しておくと、企業選びの精度やインターン・説明会参加における学びがより良いものになります。そして、ES(エントリーシート)や面接においても、具体性のある話ができ、内定率も高まります。

 

まとめ

就活軸とは、会社を選ぶときに自分なりの大事にしたい基準を持つことです。

「やりたいことが分からない…」場合でも、何にワクワクするか/どんな成長を望むか/どんな働き方が心地よいかを書き出せば、少しずつ輪郭が見えてきます。大切なのは正解探しではなく、自分が納得できる選び方を持つこと。軸が定まるほど、面接での一貫性も伝わりやすくなります。

 

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