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- 公開日:2024年7月11日
なぜ企業研究が必要なのか?
企業研究は自分に合う企業を見つけ出すための取り組みです。「業界や職種の魅力」「どのようなキャリアアップができるのか」「同業他社や競合他社との違いは何か」など調べることで、自分の志向に合う企業を絞り込むことができます。
もしも企業研究を行わなかった場合、入社後に「期待、想像したことと大きく違う」「キャリアパスが自分の理想と異なる」というミスマッチを起こす可能性があります。実態として、新卒3年以内の離職率は約30%。退職理由で特に多いのが「自身の希望と業務内容のミスマッチ」「待遇や福利厚生に対する不満」「キャリア形成が望めない」等であり、企業研究は欠かせません。
またES(エントリーシート)や面接で頻出する「志望動機」においては、企業研究をどこまで深掘りできるかどうかが重要です。
業界研究の方法
企業研究の前に、自分の志望している、または気になる業界について調べましょう。業界の大枠についてインプットした上で個々の企業を深掘りすることで、その企業の立ち位置や強みなども含めた理解を深められるようになります。
1、インターネット
例えば、自動車業界についてネットで調べる場合、「自動車 業界」「自動車 企業研究」「自動車 設計 魅力」など、気になる内容に応じて検索すると該当する記事が豊富です。また、「〇〇業界協会」「〇〇業界団体」などといった、各業界の企業が加盟している任意団体のホームページや、各業界のニュースなどから最新の動向を知ることができます。
2、本(書籍)
業界地図(会社四季報や日経が出版)という書籍が毎年、発刊されています。各業界の動向だけでなく、多くの業界の全体の流れも把握できます。また、各業界に特化した書籍も豊富であり、特に気になる業界の仕組みや魅力など更に深堀ることもお勧めします。
3、先輩、OB 、リクルーターからヒアリング
イメージと実態にギャップがないか確認し、実際のやりがいや大変な事などを聞いて理解を深めていきます。1、2で調べた中で「実態としてどうなのか」「書籍では得られない情報がないのか」など、理解を深めていくことも大事です。
企業研究の方法
気になる企業が見つかった場合、さっそくその企業について理解を深めていきましょう。
1、志望企業のホームページを確認する
基本的な企業情報はもちろん、その企業が掲げるビジョンや代表のメッセージなどが掲載されています。採用情報では学生向けのコンテンツ作りに注力している企業も多いです。貴重な一次情報でもあるので、企業の雰囲気や求める人物像などを知るヒントになります。
2、サービスや製品について調べる
企業の商品から得られる情報もあります。サービスや製品について調べることで、その企業のビジネスモデルを具体的に知ることができるからです。また、面接で企業の製品について聞かれる事も多いので、必ず押さえておきたいポイントです。
3、会社/OB・OGへの訪問
現場の声や雰囲気を、自ら仕入れに行くことも大切です。会社訪問や OB・OG 訪問では、文字情報だけでは決して得られない貴重な情報が得られます。調べて理解した事と差異がないか、直接確かめることができます。
4、他社との違いをはっきりさせる
集めた情報から、業界における志望企業の立ち位置を知ることは大切です。その企業の強みは何なのか、競合企業はどこなのか、どういった戦略の違いがあるのか、そうした他社との違いを明確に押さえることは欠かせません。他社との比較については面接で聞かれることも多く、必ず押さえておきたいポイントです。
企業研究のチェックポイント
業界研究、企業研究の大枠について記述してきましたが、すぐに実践できる具体的なチェックポイントについても記述します。
1、会社概要
まずは会社概要を確認します。以下に挙げた企業の基本情報を押さえましょう。
- 企業理念
- 企業の沿革
- 従業員数
- 売上、資本金
- 事業所の所在地
- 事業内容
- 製品情報 など
~メーカーの場合~
- 自社製品開発、受託(請負)開発、技術派遣(アウトソーシング)など、どのような事業形態なのか。
- 特に力を入れている領域は何か(製品分野、 技術分野など)
- 製品分野:自動車、家電、産業機械、プラントなど
- 技術分野:研究開発、設計、生産技術、製造など
~IT企業の場合~
- 自社サービス開発、 受託開発、派遣・ SES(アウトソーシング)など、どのような事業形態なのか。
- 特に力を入れている領域は何か(顧客属性、技術分野など)
- 顧客属性:自動車向け、不動産向け、金融向け、もしくは個人向けなど
- 技術分野:Web 開発、ハード系開発(組み込み、制御)が強みなど
ホームページだと分かりにくい場合、ナビサイトの求人情報が学生向けで分かりやすいので確認してみましょう。更に深堀る場合、中途採用(転職活動)向けの求人情報や IR 資料の決算説明書を確認することもおすすめです。中途向けだと事業内容や業務内容が詳細に記載されている事や、IR 資料では株主向けに分かりやすく記載されている傾向から、情報収集においても効果的です。
2、仕事内容
- どんな役割を任されるのか(メーカーだと設計、実験、生産技術、製造など。IT企業だと要件定義、設計、プログラミング、テストなど)
- どこまでの範囲を任されるのか(設計に特化、設計~製造、テストまで広くなど)
- キャリアパス(中長期で見た際、どのような道があるのか)
3、競合企業(同業他社)の確認
次は競合となる企業を把握しましょう。競合とはいわゆる“ライバル会社”のことで、同じ課題を解決するための商品やサービスを提供する企業を指します。競合を把握すると、その企業の強みや業界内での立ち位置を知ることができます。「同業他社よりも貴社を企業を志望する理由」を明確にできると、志望動機の説得力も増して採用担当者にも伝わりやすくなります。
4、求める人物像
続いて、企業が求める人物像をチェックしましょう。採用情報に記載されていることもありますが、企業理念や事業内容から推測しなければならない場合もあります。また、インターンシップで感じ取ったり、説明会やOB・OG訪問で質問したりするのも一つの手です。「貴社で働く方々に共通する特徴や価値観はありますか?」等、積極的に聞いてみましょう。
5、社風
同じ業界でも企業によって社風は異なります。目指す姿に強く共感した方々が集まる企業もあれば、技術力を高める事に貪欲な方々が集まる企業など様々です。入社前に社風を把握し、自分の性格に合った環境なのかを考えておくことは大切です。また、参考として口コミサイトやSNSなどで調べてみてもいいでしょう。
6、企業の動向
本や新聞、ニュースで企業の動向をチェックし、企業の将来性・成長性を見極めましょう。本当にその企業で大丈夫なのか、倒産する可能性はないかなどを確認しておきましょう。
7、他にも自分自身が大事にしていることを確認
どんな企業が自分にとってベストなのか、1人1人によって違います。1~6だけに限らず、企業を選ぶ上で欠かせない軸がある場合は、必ずチェックしましょう。例えば、人によっては下記を大事にするケースもあります。
- 企業としてどのような目標を掲げているのか
- 一緒に働く社員は、何を大切にしているのか
- どのような社員が活躍しているのか
- 年齢に関係なく、努力や実力が評価されるのか
- リモートワークの制度、副業可否など
これらは一例であり、自分自身が就職する上で大事なことを確認しましょう。
まとめ
以上、企業研究の方法について具体的に記述しました。一方で、この記事ではカバーしきれないほど、企業はさまざまな情報を発信しています。志望度の高い企業や気になる企業については、色々な角度から調査して深掘りしていきましょう!