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- 公開日:2023年2月16日
- 最終更新日 : 2024年11月1日
物理学科は物理学の基礎として力学、電磁気学、熱力学、量子力学、統計力学を学びます。機械、電気電子、化学、そしてプログラミングなど分野として広く学ぶため、「何かに特化した学問を学んだわけではないから就職活動が不安」との声もよく聞きます。
そこでこの記事では、物理学科の就活での特徴や就職に人気の業界・職種を紹介します。
目次
- 物理学科出身者の特徴は?
- 物理学科出身者が就職する業界は?
- 物理学科出身者に人気の職種は?
- まとめ
物理学科出身者の特徴は?
物理学科は就職が難しいとの意見が出る事もありますが、理学部出身や物理学科出身だからと言って就職が不利になることはありません。
むしろ物理学科は、以下の特徴から就活では評価が高いのが事実です。
- 論理的思考力の高さ
- データや数値の把握能力
- 力学や量子力学、統計力学など専門知識の豊富さ
物理学ではあらゆる現象に対して実験を行い、それらの結果や考察をレポートや論文にまとめる機会が多いです。
レポートや論文にまとめるには、論理的にデータや結果を取り扱う必要があるため、物理学科出身者はその能力が自然と身についています。
論理的思考は業務を進める上でも不可欠な能力であるため、就職活動では有利な能力となります。
また論理的思考と同様に、レポートや論文ではデータや数値の把握能力も求められます。
得られたデータの解析や現実問題の解決へと落とし込む能力は、他分野出身者と比較すると非常に優れています。
企業では顧客データや製品データ等数値を扱う場面は多いため、データや数値を扱う能力は就職活動において大きなアピールポイントとなります。
物理学科で学ぶ力学などの四大力学や電子回路、ソフトウェアなどの学問は企業で多く扱われる機械工学や情報工学、電気電子工学の基礎となっています。
そのため学生時代に工学を学んでいない物理学科出身者は、工学の知識はなくとも工学の基礎となる知識を持っていることから、メーカーなどでの就職活動で知識面で不利になることはありません。
物理学科出身者が就職する業界は?
物理学科出身者が就職する業界の幅は広いです。
工学部出身者と同業種に就職されるケースも多々あります。
物理学科出身者が就職する主な業界を調査したところ、下記が特に多かったです。
- 電機メーカー
- 半導体メーカー
- 医療機器メーカー
- IT業界
- 金融・コンサル業界
- 教育業界
物理学科の就職先としても人気が高いのが、電機メーカーや半導体メーカーなどの「メーカー業界」です。
メーカー業界であれば、工学部出身者と同様に物理学科で学ぶ力学などの四大力学や電気回路、ソフトウェアなどの知識を活かすことができるからです。
また「IT業界」へ就職する方々も、各大学の就職実績を閲覧すると高い傾向です。
大学のカリキュラムのなかでプログラミングを学んだ場合や、実験や研究のデータ解析のためのソフト開発のためにプログラミングを使用した経験などがある場合、親しみやすい業界です。
プログラミングが未経験であっても、物理学科出身者の特徴である論理的思考力の高さを活かせばIT業界で活躍することもできます。
またメーカやITなど理系の業界以外にも、数値に強い能力を活かし金融・コンサル業界や、知識や経験を次の世代へ引き継ぐ教育業界に就職する人もいます。
物理学科出身者に人気の職種は?
物理学科の就職先の業界を見てきましたが、さらに対象を絞り人気の職種について紹介していきます。
・研究開発職
工学系出身者と同様に、物理学科出身者に人気の職種は「研究開発職」です。
特に人気の高いメーカー業界では、製品に応用するための技術の基礎的な研究や新たな製品を開発する仕事において、物理学科で学んだ知識を存分に生かすことができます。
なかでも研究職であれば、企業によっては学生時代の研究とつながりのあるテーマ―を研究し続けることができるため、物理学科出身者には人気の高い職種です。
・システムエンジニア
物理学科出身者は、IT業界でシステムエンジニアとして活躍している人も多いです。
現象を数値に落とし込み、実験や検証を繰り返す物理学と、クライアントのニーズをシステム設計に落としこみ、テストや評価を繰り返すシステムエンジニアの仕事には共通点が多いため活躍の場も広いでしょう。
・機械設計、電気電子回路設計、制御設計
機械や電気の知識を活かした「機械設計職」や「電気設計職」も物理学科出身者に人気です。
機械設計、電気電子回路設計、制御設計を担当し、製品の仕様や動作を具体化する業務です。
製品の品質や効率を上げる設計を行い、ものづくりの現場で貢献します。
・実験、評価、解析
物理学科出身者の論理的思考力やデータ解析力が活かせる職種です。
CAE(Computer-Aided Engineering)やシミュレーションツールを用いて製品の動作や性能を検証し、設計や開発を支援します。
また、実験データをもとに製品の評価・改良を行い、製品の信頼性や性能向上に貢献する重要な役割を担います。
・データサイエンティスト
データ分析のスキルを活かし、企業の課題解決や意思決定を支援する「データサイエンティスト」の道もあります。
膨大なデータを解析し、仮説検証や予測モデルの構築を行うため、データや数値に強い物理学科の特性が役立ちます。
上記だけに限らず、物理学科出身者は様々な職種で活躍しています。広い選択肢がありますので、自分に合ったものを考えていきましょう。
まとめ
この記事では物理学科出身者の特徴や就職先、人気の業界について紹介しました。
「理学部や物理学科は就職活動で苦戦する」という情報も耳にすることがありますが、物理学科で学んだことや身につけた力をしっかりアピールすれば不利になることはありません。
就職活動では不安になる情報も多く存在しますが、自己分析や企業研究を進め自信をもって就職活動を行いましょう。