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2025年10月25日(更新:2025年10月25日)
近年、理系の学部・学科では「ロボティクス」「電気電子情報」「機械電子創成工」「システムデザイン」「生体医工」など、複数分野を横断して学べるカリキュラムを設ける大学が増えています。
こうした流れは時代に合った有意義な変化ですが、企業の採用担当者の中には、学科ごとの特徴や強みを十分に理解できていない場合もあります。本記事では、そうした誤解を防ぎ、学びの幅を自分の強みに変えて伝えるためのポイントと応募のコツを紹介します。
目次
“融合・横断型学科”が評価される時代背景
AI・自動運転・エネルギー・環境・バイオなど、現代のテーマは複数分野の知識を前提とします。
例)
・電気×情報:センサー制御/IoT/自動運転システム
・機械×化学:新素材開発/熱解析/燃焼制御
・生物×情報:バイオインフォマティクス/AI創薬
・建築×環境:スマートシティ/再エネ建築
こうした“掛け算の学び”は、単に知識が広いというだけでなく、異なる視点を組み合わせて考えられる力を養う点で大きな価値があります。実際、企業によっては「分野を横断して問題を捉え、解決策を考えられる人材」は高く評価されます。
就活では、この横断的な経験を「具体的な取り組み」や「扱える技術」に置き換えて伝えることがポイントです。
例えば、
・「回路設計に加え、Pythonでデータ解析を行った経験」
・「機械設計を学びながら、AIによる最適化に取り組んだ研究」
といった形で、分野をまたいで得た知識をどう活かしたかを具体的に示すと、専門と応用の両方を理解している学生として評価されやすくなります。
つまり、“融合・横断型”の学びは「専門が定まらない弱点」ではなく、「複数の技術を橋渡しできる強み」として整理できるかどうかが鍵です。
採用担当に伝わる「学科名+補足説明」
採用担当がすべての学科名を把握しているとは限りません。特に「応用理工学科」「システム創成工学科」「知能情報工学科」など、複数の領域をまたぐ学科では、どんな専門性を持っているかが一見して伝わりにくいことがあります。
そのため、自身の専門や関心領域を自分の言葉で位置づけて説明することが重要です。自由記述欄や研究概要、自己PRなどに、どんな分野を中心に学び、どの領域に関心を持っているかを簡潔に補足すると、採用担当が理解しやすくなります。
■記載例
・「AI制御と電気回路設計の両方を学び、IoT分野に関心があります。」
・「機械設計を軸に、材料力学と熱解析の研究を行っています。」
・「環境工学をベースに、データ解析で都市設計に取り組みました。」
さらに、企業によっては「機械系」「電気系」といった分類で募集をかけているケースもあります。その場合、自分の学びがどの分類に近いかを明確に伝えることが、応募対象として見落とされないためのポイントです。
例:電気電子情報工学科の学生が電気系の求人へ応募する場合
「電気電子情報工学科の中でも、主に電気回路や電子制御の領域に重点を置き、モータ制御や電源設計に関する実習にも取り組みました。」
→「学科名+補足説明」とは、単に名称を補うだけではなく、自分の学びを企業の視点で翻訳することです。自分の専門を第三者にも伝わるように表現できるようになると、スカウトでも面接でも印象に残りやすくなります。
スカウトで見つけてもらう工夫(検索最適化)
スカウト型(オファー型・逆求人型)の就活サイトでは、企業は「学科名」「専攻分野」「研究内容」「技術関連のキーワード」等で学生を検索します。そのため、講義・実験・実習などで扱った分野や技術をキーワードとして補足しておくことが大切です。
ポイント:
① 学科名の補足ができない場合でも、授業内容や研究を具体的に記載
例:「電気電子情報工学科として、電気回路・制御工学・マイコン実習などを通して電気系を中心に学びました」
→このような記述内のワードも検索対象に含まれるだけでなく、自分自身の専門性が高い解像度で伝わります。
② タグ登録ができる場合、研究だけでなく講義や実験・実習経験で扱った技術も含めて入力
例:「回路設計/Python/制御/IoT/半導体デバイス実験/3D CAD/構造解析/Python/Java/機械学習」
→ 授業レベルの経験でも、スカウト検索では「関連ワード」として十分ヒットします。
③ 学びの方向性を明記
例:「電気×情報の両面から制御システムを学び、ロボット開発への応用を目指しています」
→ 自分の学びがどの分野と関係しているのかを一文で示すと、採用担当の理解が早まります。
さらに、成果物や学びの証拠(レポート要約、発表資料、ポートフォリオ、GitHubなど)を添えると、文面以上に理解が深まります。研究経験がまだ少ない段階でも、「授業や実験で扱った技術を自分の言葉で説明できる学生」は印象に残りやすく、スカウトにつながりやすくなります。
なお、当社の運営するスカウト型理系就活サイト「リケイマッチ」は、上記の工夫をすべて実施しやすいUI設計となっており、企業担当者に魅力が伝わりやすいプロフィール構成となっています。
※実際の事例:企業担当者が学生を探すときの検索例
自動車系メーカーで、自社製品の設計職を募集中。理系の中でも機械や電気電子を学んだ学生を歓迎。
1、検索設定:対象の学年/希望勤務地が合致/フリーワード:機械 or 電気
2、検索結果で機械工学科や電気電子工学科の学生がヒットすればスカウト対象
3、知らない学科名の場合は、学科以外に専攻分野をチェック。機械や電気を学んでいる記述があればスカウト対象。
4、一方で、知らない学科で、機械や電気に関する記載が無い場合はスカウト対象外。
このように、どのようなワードが含まれているかでスカウトの可否が大きく左右されます。
特に自分が希望する分野のスカウトを受け取る場合、企業が求める内容を想定した上で、自分の学んできたことを伝わる言葉でアピールすることが大切です。
自主応募・面接での伝え方(具体例つき)
自主応募や面接では、志望動機の核となるのは「学びと関心のつながり」です。どんなテーマに興味を持ち、どのように深めてきたのか、そのプロセスを自分の言葉で整理することが大切です。
たとえば、複数分野を横断して学ぶ学科では、学びの幅をどのように捉え、どの分野に特に力を入れてきたのかを簡潔に伝えると効果的です。
例文:
・「私は電気電子情報工学科で、電気回路・電子デバイス・プログラミングを幅広く学びました。その中でも特に電気電子分野を中心に、制御システムの最適化に関する研究に取り組みました。」
・「私はロボティクス学科で、機械設計・電気制御・情報処理を横断的に学びました。大学3年からは情報系コースを選択し、ロボットの画像認識と制御アルゴリズムの研究を行いました。」
このように、「学科全体の特徴」+「自分の学びの軸」を併せて説明すると、採用担当者が理解しやすくなります。また、研究テーマだけでなく、講義や実験・実習の経験も交えて話すことで、学部生でも具体性のある自己紹介が可能です。
理系就活では、「専門をわかりやすく、過不足なく伝える力」も評価されるポイントです。自分の学びを正確に整理し、自信を持って語れるように準備しておきましょう。
まとめ|“学びのつながり”を言葉にする
理系就活では、学科名の印象で判断されることもありますが、実際に評価されるのは「何を学び、それをどう活かせるか」です。
・学科名に一言補足を添える
・授業・研究・スキルのキーワードを整理し、成果物やポートフォリオで示す
・学びの内容と興味の方向性を結びつけ、応用のイメージを一文で伝える
この3点を意識することで、名称が特徴的な学科や複合・横断型の学びも「幅広く応用できる力」として伝わります。学んだことを相手にわかる言葉で整理し、専門性を自分らしく表現できれば、それがあなたの強みそのものになります。
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