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2025年11月15日(更新:2025年11月15日)
カメラに向かって一人で話し続けるAI面接。「ちゃんと答えたつもりなのに、なぜか毎回落ちる……」と悩む理系学生は少なくありません。この記事では、理系のAI面接でよくある失敗例をもとに、「どこで減点されているのか」「どう直せばいいのか」を理系目線で分解して解説します。
目次
就活で増えている「AI面接」とは?
理系採用でも、AI面接から選考が始まるフローが増えています。AI面接は「人の代わり」を果たすだけでなく、次のような観点でデータを集める役割を担っています。
・質問への回答内容:主体性・課題設定力・協働姿勢・計画力など
・話し方や態度:論理性・明瞭さ・ストレス耐性・落ち着き
・音声・映像:声の大きさ・スピード・表情・視線・背景の印象
理系だと専攻や研究について質問されることがありますが、「専門知識そのもの」よりも、「技術的なテーマをどれだけ分かりやすく説明できるか」「数字や因果関係を使って語れるか」が特に評価されやすいポイントです。
理系AI面接でよくある失敗パターン
失敗例1:実験・研究の話をしすぎて質問に答えていない
AI面接の質問に対して、測定条件や装置の説明ばかりしてしまい、最後は時間切れ。
「質問への回答が不明瞭」「結論が分かりにくい」という評価がついてしまうケースです。
【対策】
研究や開発の「技術解説」ではなく、「課題 → 工夫 → 結果 → 学び」の流れで話すようにします。最初の10〜15秒でテーマ・役割・成果をまとめ、専門用語は高校生にも伝わるレベルにするのがポイントです。
例:「私が学生時代に力を入れたのは、授業で行った“アルミ合金の硬さ測定実験”で、測定時間を短縮する工夫をしたことです。当初はサンプルの表面処理に時間がかかり、予定していた3つのデータを取り切れないことが課題でした。そこで使う紙やすりを2種類に絞り、作業の流れを整理しました。その結果、1つのサンプル準備にかかる時間を約40%短縮でき、実験全体のデータ量を増やすことができました。この経験から、小さな工程でも見直すことで成果が大きく変わると学びました。」
失敗例2:数字がなく、理系らしい「再現性」が伝わらない
理系の経験は本来、数字とセットで語りやすいはずですが、慣れないAI面接では次のような話し方になりがちな人もいます。
・「大幅に効率化しました」「かなり改善しました」だけで終わる
・「たくさん」「かなり」「多くの」など曖昧な量の表現が多い
AIから見ると、「どのくらいすごいのか」「本当に成果があるのか」が判断できず、評価が伸びにくくなります。
【対策】
可能な限り、理系らしく「before / after」と「規模」を数字に置き換えます。
・実験の例:測定時間を1回あたり30分から18分に短縮(40%削減)
・プログラミングの例:処理時間を5秒から1.8秒に短縮、バグ報告件数を50%削減
・サークル・アルバイトの例:イベント参加者を20名から35名に増加、売上を前月比130%に改善
失敗例3:AIを意識しすぎて読み上げ調になる
理系の人ほど、台本を完璧に作ってその通りに読み上げようとしがちです。
その結果、抑揚がなく早口になり、柔軟性が低く見られてしまうことがあります。
【対策】
文章を丸暗記するのではなく、「キーワードの順番」だけ覚えます。
例として、「結論 → テーマ → 数字 → 課題 → 工夫 → 結果 → 学び」という流れを頭に入れておき、各パートを2〜3行程度で話せるように準備しておくと、本番でも崩れにくくなります。
失敗例4:環境・機材の準備不足で評価を落とす
内容は悪くないのに、次のような理由で損をしてしまうケースも多いです。
・逆光で顔がほとんど見えない
・マイクのノイズが大きく、音声が途切れ途切れになる
・Wi-Fiが不安定で途中で接続が切れる
・背景の生活感が強く、清潔感に欠ける印象になる
AI面接は、映像や音声をもとに評価することから、こうした技術・環境の問題が原因でマイナス評価につながることがあります。
失敗しないための「答え方」の型(STAR法×結論ファースト)
理系のAI面接では、個人差よりも「話し方の構造」で差がつきます。おすすめなのが、STAR法と結論ファーストの組み合わせです。
・結論:一番伝えたい成果や行動(できれば数字を入れる)
・Situation:どんな状況・背景だったか
・Task:自分は何を達成しようとしていたか
・Action:どんな工夫・行動を取ったか
・Result:どんな結果が出て、何を学んだか
たとえば、研究テーマを話す場合には「最初に結論と数字を一文で述べ、その後にSTARで補足する」という流れを意識します。
また、「なぜその方法・技術・言語を選んだのか」「他の選択肢との比較」「もう一度やるならどこを改善したいか」といった観点を整理しておくと、追問に対しても論理的に答えやすくなります。
録画型/対話型AI面接の違いと対策
録画型:時間配分とワントーク完結
録画型は、決められた時間の中で一方的に話す形式です。理系の人がやりがちな失敗は、詳細説明に時間を使いすぎて、結果と学びがほとんど言えないまま終わってしまうことです。
目安として、60秒なら「結論15秒+STAR全体で45秒」、90秒なら「結論15秒+Situation/Task/Action/Resultをそれぞれ15〜20秒程度」で構成するとバランスが取りやすくなります。
対話型:追問に耐える“経験の分解”
対話型では、1つのエピソードに対して何度も深掘りされます。
経験を「主体性」「チームワーク」「課題解決」「計画性」などの切り口で分解し、
・なぜその方法や技術を選んだのか
・どのデータや根拠をもとに判断したのか
・途中で方針を変えた理由は何か
といった点を説明できるようにしておくと、論理性や課題設定力の評価が高まりやすくなります。
研究前の学部生でも語れる話題の作り方
「まだ研究室に配属されていない」「専門っぽいことを話せない」という学部生でも、AI面接で評価される話題は作れます。
日々の講義、実験実習、自学習、課外活動、長期インターンなどから、次のような経験を整理してみましょう。
・実験系の授業・実験レポートで工夫したこと
・プログラミングの授業や個人開発で取り組んだ課題
・ロボコン・フォーミュラ・ものづくり系サークル・ハッカソン
・長期インターン・アルバイトでの改善活動(手順書作成など)
大切なのは、「どれだけ専門的か」ではなく、「課題を見つけて、主体的に考え、解決しようとしたか」です。
エピソードは、
・背景(どんな授業・活動か、どれくらいの規模か)
・課題(どこに不便さや問題を感じたか)
・行動(どんな仮説を立て、どんな工夫を試したか)
・結果(うまくいった点/うまくいかなかった点)
・学び(次に同じ状況ならどうするか)
といった順で整理すると、規模が小さくても「理系らしいガクチカ」として伝わりやすくなります。
環境と話し方で損しないためのチェックポイント
音・光・背景のチェック
・顔全体がはっきり見える明るさになっているか(逆光は避ける)
・背景に生活感が強すぎるもの(洗濯物・ごちゃごちゃした棚)が映っていないか
・マイクテストで、自分の声がこもらず聞こえているか
・Wi-Fiが不安定なら、有線接続や大学の個人ブースなどの利用を検討する
AIが聞き取りやすい話し方
・普段の会話より少し大きめの声で、ゆっくりめに話す
・1文を短めにし、文の区切りで一拍置く
・大事なところだけ少しトーンを上げて強調する
・「えーっと」「あのー」を減らすため、答える前に1〜2秒考える
AI面接は、聞き取れなかった部分を「ないもの」として処理します。内容が良くても、認識されなければ評価されません。事前に必ずテストしておきましょう。
今日からできるAI面接トレーニング
ステップ1:想定質問を10〜20個書き出す
自己PR、学生時代に力を入れたこと、困難を乗り越えた経験、チームで成果を出した経験、失敗から学んだことなど、理系でよく聞かれる質問も含めて書き出します。
ステップ2:各質問に対して「結論+数字」の一文を作る
すべての質問に対して、「最初の10〜15秒で言う一文」だけ先に作ります。
・「○○の実験で、測定時間を40%短縮した経験です」
・「アルバイトで、新人のミス件数を半分以下に減らした経験です」
ステップ3:スマホで録画して自己チェック
・60〜90秒で話してみて、時間オーバーしていないか
・結論が最初に来ているか
・数字や具体例が入っているか
・表情や姿勢が極端に硬くなっていないか
理系のレポートと同じで、「書いて終わり」ではなく、「読み返して修正する」プロセスが大切です。録画を見て、論理の飛びやすい部分や説明が長すぎる部分を少しずつ削っていきましょう。
※マメ知識:AIの評価基準をGPTで体験しよう
ChatGPTで模擬面接を依頼し、チャット形式で回答内容を添削してもらう方法もおすすめです。AI面接で使われる技術に近いため、「AIがどんな点を良い/悪いと判断するのか」をつかむヒントになります。
また、理系就活サイト「リケイマッチ」にもAI面接診断を搭載しているので、理系向けのAI面接対策として練習に活用してみましょう。
最後に
AI面接は、AIの特性を理解するほど対策しやすくなります。
・数字で成果を示せること
・仮説・検証のプロセスを整理して話せること
・改善案まで含めて説明できること
こうしたポイントを押さえれば、評価を大きく伸ばすチャンスがあります。「内容は良いのに、伝え方や環境で損をしている」状態を解消できれば、AI面接は理系にとって十分“勝ちやすい領域”になります。今日できることから一つずつ整えていきましょう。
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