2025年9月15日(更新:2025年9月15日)
カジュアル面談は、企業と学生がざっくばらんに情報交換をする場です。面接のように合否は出ませんが、会話の内容や第一印象は後工程に残ることもあります。この記事では、特徴や進行の流れに加え、理系(機械・電気電子・情報・数物科学・化学・生物等)に幅広く役立つ基本とコツを紹介します。
カジュアル面談とは?
面接の前段に位置づけられる、相互理解を目的とした個別の対話の場です。
逆求人サイトのスカウト経由や、選考フローの前に挟まれることが多く、選考ではないためリラックスして話せます。
✅ポイント
・合否は出ない(=選考ではない)
・会社理解と学生理解を深めるための「すり合わせ」
・理系の場合、配属先や技術領域のイメージ共有に使われやすい
どんな話をするの?
内容は企業説明や業務理解にとどまらず、学生の考えや就活状況を知る時間でもあります。よく尋ねられるのは次のとおりです。
・現在の就活状況(インターン経験、エントリーの有無)
・就活の軸(例:仕事内容、勤務地や働き方、理念共感、向き合う社会課題など)
・興味のある分野や職種(設計、生産、研究、IT関連 など)
・学んできたこと(授業・実験・研究・課題制作 など)
学んできたことについて、大学院生は研究テーマや方法論を一般化して説明すれば十分です。理系学部生で研究経験がなくても心配不要です。実験や演習での工夫、サークル・制作活動での取り組みを、質問の意図に沿って伝えましょう。
マメ知識:面接との違い
カジュアル面談は「評価して合否を出す場」ではなく、自由度の高い対話です。履歴書やESが不要だったり、服装がオフィスカジュアルでよいケースも多い一方、会話内容や印象は人事・現場に共有される可能性があります。リラックスしつつも、根拠ある説明と基本マナーは忘れないようにしましょう。
企業がカジュアル面談を行う意図
企業がカジュアル面談を実施するのは、単なる雑談ではなく明確な狙いがあるからです。
・動機形成:学生の志望度を高め、選考への意欲や内定後の承諾意欲につなげる。
・ミスマッチの低減:仕事内容やカルチャーを事前に共有し、入社後の「想像と違った」を減らす。
・接点づくり:スカウトや早期接触で「顔の見える関係」を築き、後の選考をスムーズにする。
理系職種は求人票だけでは伝え切れない要素が多く、学部・院を問わず「具体的な業務内容」や「用いる技術」を理解してもらうために面談が設けられるケースもあります。
選考への影響はある?
形式上は選考ではありませんが、実際には「第一印象」や「会話メモ」が次の担当者へ共有される場合があります。
・表情や態度が好印象なら「丁寧な学生」として記録される
・全体的に好印象なら「1次面接免除」の案内が届く場合もある
・極端な準備不足や無礼な態度は「要注意」として残ることもある
理系では、研究や授業の話を「正直に、わかりやすく」伝えるだけでもプラスに働きます。逆に「面談だから適当でいい」「ネガティブな話をたくさんする」という姿勢はマイナスにつながるため注意しましょう。
準備:事前に調べておくこと+逆質問例
カジュアル面談は情報収集の場です。調べれば分かることを訊ねてしまうと機会を活かせません。最低限、次を押さえておきましょう。
✅事前に押さえよう!
・事業内容、主力製品やサービス
・直近のニュース
・募集職種
・勤務地や働き方の特徴
・自分の学びとどう結びつくか
そのうえで「逆質問」を用意して臨むと、面談の価値がぐっと高まります。
— 逆質問の例 —
・新卒1〜2年目に期待される役割は何ですか。
・OJTやメンター体制、独り立ちまでの目安を教えてください。
・配属やプロジェクトの決まり方と、希望はどの程度反映されますか。
・授業や研究で学んだ◯◯(例:CAD/回路/プログラミング)は実務でどう活きますか。
・開発や評価プロセスの課題と、それをどう改善しているか教えてください。
・学会発表や資格取得などのスキルアップ支援はありますか。
・他部署や製造現場との連携頻度はどのくらいですか。
・活躍している先輩社員の共通点などあればお伺いしたいです。
これらに限らず、調べたうえで分からない点や気になる点は積極的に質問していきましょう。
まとめ
カジュアル面談は合否を決める場ではなく、企業と学生がお互いを知るための時間です。
・事前調査で基礎情報を押さえる
・就活の軸や学びをわかりやすく伝える
・逆質問で深い情報を引き出す
この三点を意識すれば収穫は大きくなります。理系学部生も「研究が始まっていないから話すことが少ない」と構えず、授業や実験・演習を題材に自分なりの学びを整理して話してみましょう。誠実で前向きな姿勢こそ、一連の就活において大切です。