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2025年11月8日(更新:2025年11月9日)
27卒理系就活生の中には、早期選考で一次面接が始まっている方々が増加傾向です。一方で、これから始めて経験する方々も沢山いることから、今回は「1次面接」をテーマにお届けします。
理系の一次面接では、研究内容や専門知識の深さよりも、相手に伝わる話し方や「自分はどう考えて行動してきたか」を言語化できるかが特に評価されます。学部生の場合、研究がまだ始まっていなくても、講義・実験・課外活動の経験から十分に話せます。
本記事では、一次面接でよく聞かれる質問と、学部生・院生それぞれが自分らしく答えるためのポイント、そして逆質問の考え方を解説します。
目次
一次面接で見られているポイント
一次面接では、理系就活生であっても専門性や研究内容そのものより、履歴書・ESだけでは見えない人柄やコミュニケーション力が重視される傾向があります。その評価の基盤になるのが、以下の4つのポイントです。
■一次面接で重視される4つのポイント
① 質問の意図を理解して答えられるか(会話のキャッチボール)
・相手が「何を知りたいのか」を汲み取り、簡潔に答える力。
・準備した内容をそのまま話すのではなく、状況に応じて受け答えができるか。
② 相手に合わせて説明できるか(伝える力)
・専門用語をかみ砕く、例えを使う、焦点を絞るなどの工夫。
・面接官が「この人と働くイメージが持てるか」を判断する基準になります。
③ 表情・声・姿勢などから伝わる人柄(印象・態度)
・笑顔・相槌・聞く姿勢・落ち着き。
・話す内容が良くても、態度に違和感があると評価は下がります。
④ 経験の中での“考え方”と“行動”が語れるか(ストーリー性)
・「どんな場面で、何を感じ、どう判断し、どう動いたか」を自分の言葉で説明できるか。
・成果の大きさではなく、再現性のある思考が見られています。
ただし、同じ一次面接でも企業によって評価基準が異なることは珍しくありません。面接回数が2回の企業では、価値観・判断軸・行動プロセスなど質問で深掘りされることもあります。「一次=軽い面接」と決めつけず、不意の質問でも対話を意識して落ち着いて答えましょう。
基本の質問(全学生共通)
① 自己紹介
・30〜60秒で「所属 → 取り組んだこと → 今の関心」の順に簡潔に。
・長く話す必要はありません。整理されている印象が良い評価につながります。
・「30秒以内で」「主に〇〇について」などの指示があれば厳守しましょう。脱線すると「意図を汲めない」「準備した話を押し通す」などのマイナス評価になります。
② 学科・専攻の説明
・専門用語を多用せず、「誰にでも分かる言い回し」や「短い例え」を使うと伝わりやすくなります。
・学科名だけでは内容が伝わりにくい場合、「自分は何を学び、何が得意か」を簡潔に示しましょう。
(例:電気電子情報学科だと、電気寄りの学生もいれば情報寄りの学生もいます。企業は“どちらに近いのか”を知りたがっています)
③ 専攻を選んだ理由
・「興味のきっかけ → 学びの中で深まった点 → 今後活かしたい方向性」の流れで説明します。
・受験期にその学科を選んだ背景や原体験を添えると説得力が増します。
・進学後に関心が変化した話も効果的(例:化学に惹かれて入学したが、◯◯を機にプログラミングへ関心が広がった など)。
④ 力を入れた取り組み(ガクチカ)
・活動の規模や結果そのものより、自分の思考と行動が伝わるかが核心です。
・「状況(何に取り組んだか)→ 目的(なぜ)→ 判断(どの選択肢から何を選んだか)→ 行動(具体に何をしたか)→ 結果(数値・変化)→ 学び(再現性)」のような流れで語れると、面接官が要点を掴みやすくなります。
・研究が始まっていない理系学部生の場合、講義・実験・部活サークル・アルバイトの工夫でも十分評価対象になります。
⑤ 困難の乗り越え方
・単に「大変だった」「頑張った」では伝わりません。
・「課題の定義 → 原因の仮説 → 代替案の比較 → 実行 → 結果 → 振り返り」など、伝わりやすい道筋で説明しましょう。
・数値(回数・時間・誤差・歩留まりなど)や比較(A案/B案)を織り込むと、思考の再現性が伝わります。
【質疑応答例】
Q:研究や学業で困難に直面し、乗り越えた経験を教えてください。
A:材料実験に取り組んだ際、困難に直面しました。具体的には測定の誤差が12%となってしまい、目標とする5%以内に届かない課題が発生しました。その際、原因を「センサー位置の再現性不足」と「温度調整時間の不足」の2つに仮説設定し、それぞれの案を試みました。1つは治具追加、もう1つは温度調整時間の15分延長で比較検証し、結果的に前者の方法が4.8%と目標内におさめることができました。
※この後、「どのような背景から2つの仮説を設定したのですか?」等、さらに質問で深堀りされる可能性があります。その後は質問の意図に沿って対話を心がけることがベストです。
理系特有の質問|学部生と院生での違い
1、学部生・研究がまだ始まっていない人向けの質問意図と答え方
学部生だと1次面接のタイミングで研究テーマが決まっていない場合があります。その際には学業に対する取り組みや思考が評価ポイントとなり、研究が始まっていないこと自体で大きなマイナスにはなりません。もしも研究活動が重視される場合は、エントリーシートの段階で評価対象となっていることが大半です。
■よく聞かれる質問例
・講義・実験・演習で 印象に残ったテーマ は? その理由は?
・そこからどんな気づきがありましたか?
・どんな分野に興味が広がっていますか?(材料 / 制御 / 回路 / バイオ / 情報 など)
・研究予定のテーマは何にしようと考えていますか?その選択理由は?
・将来的にどの職種(設計 / 開発 / 生産技術 / ITエンジニア など) に関心がありますか?
【質疑応答例】
Q:どのような研究テーマに取り組む予定ですか?理由と一緒に教えてください。
A:構造解析に関連するテーマを選ぶ予定です。材料力学の講義や実験で、材料の形状や荷重条件によって壊れ方が変わる点に興味を持ちました。そこから“なぜそうなるのか”を自分なりに深掘りする習慣が身につき、この分野に関わる構造解析に関心があります。
2、院生・研究が進んでいる人向けの質問意図と答え方
一次面接では、「研究の深さ」そのものではなく、研究をどのように理解し、自分の言葉で説明できるかが見られます。企業側は「何をしていたか」よりも「考え方・役割・工夫・応用可能性」を知りたがっています。
■よく聞かれる質問例
・研究テーマを専門外にも伝わる言葉で説明してください。
・そのテーマを選んだ背景・理由(興味・課題意識・配属理由など)は?
・実験・解析・設計など、自分が担当した役割はどこですか?
・その中で 自分なりの工夫・改善した点 は何ですか?
・得られた知見・気づきを、どのような仕事に活かしたいと考えていますか?
【質疑応答例】
Q:研究テーマを専門外にも伝わる言葉で説明してください。
A:私は、自動運転に使われるセンサーのデータを「より正確に読み取れるようにする方法」を研究しています。ノイズで測定がぶれやすい点に着目し、データの処理手順を調整する役割を担当しました。条件を見直したことで、測定値のばらつきを小さくすることができました。この経験は、今後、制御やソフトウェア開発の精度向上にも活かせると考えています。
逆質問は「興味」と「成長意欲」を伝える場
一次面接の終盤では、多くの場合「最後に何か質問はありますか?」と聞かれます。この逆質問は、ただ疑問を解消するだけでなく、自分がどんな視点で企業を見ているかを伝えるチャンスです。
■良い質問の方向性
・入社後の仕事のイメージを深める質問
・チームや働き方、学べる機会に関する質問
・現場の空気感や成長環境に関する質問
■質問例
・私は大学でプログラミングだけでなくハードについても学んでいますが、双方の知識を活かせる場面はありますか?
・部門間の連携で大切にしていることや、工夫されている点はありますか?
・仕事に関わる新しい技術を積極的に学んでいきたいのですが、御社においてスキルアップのためのサポートはありますか?
・新規事業が活発な印象でしたが、アイデアを直接提案できる機会などあるのでしょうか?
など、“実際に働く場面を思い描いている学生”として評価につながりやすく、会話も深まります。
逆に、企業HPで調べればわかる情報や、福利厚生だけに偏る質問は、「表面的」「受け身」の印象になる可能性があります。まずは仕事内容や成長環境に関心を向け、そのうえで働きやすさに触れると自然な流れです。
※参考記事:理系学生のための逆質問50選:仕事内容や企業カルチャーなど掘り下げるための質問集
まとめ
一次面接では、成果の大きさや専門性よりも、経験の中で「どのように考え、どう行動したか」を自分の言葉で説明できるかが評価されます。学部生は講義・実験での気づきや工夫から、院生は研究での役割や改善点から、判断と行動の流れを整理して伝えることが大切です。
また、逆質問では仕事のイメージや成長環境を深める問いかけをすることで、関心や姿勢が自然に伝わります。一次面接は、知識量ではなく「伝え方」と「姿勢」で差がつきます。
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