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2025年9月9日(更新:2025年9月9日)
理系学生の就活は、学業や研究と並行することもあり、効率の良さが求められます。その一方で、学業や技術スキルを強みにできるというチャンスもあります。就活にはさまざまな手段がありますが、どれも一長一短。ここでは代表的な6つの手段を整理し、それぞれの有効活用法やメリット・デメリットを紹介します。
ナビサイト
特徴
就活生の多くが利用する基本ツール。特にリクナビやマイナビは、あらゆる業界・職種・地域・規模の求人が集まることから、ほとんどの学生が就活に伴って登録しています。
メリット
・掲載企業が多く、情報収集の幅が広がる
・自分の好きな条件で検索することができ、視野が広がる
・エントリーから説明会予約まで一括でできる
・業界研究や企業比較に適している
・サイトによっては各企業ごとの口コミが充実している
デメリット
・情報が多すぎて取捨選択が難しい
・エントリー数だけ増やして形骸化するリスク
・「総合職」とまとめられ、技術系の詳細が不明瞭な場合もある
・人気企業は競争も多く、ES(エントリーシート)のハードルが高い
・サイトによっては広告費の高い企業が上位表示されることも
有効活用法
「まずは広い検索条件で調べる」「就活軸に沿った検索条件で質を重視」など、使い方次第で企業との出会いも変わる。情報を整理しながら進めましょう。
合同説明会(学内)
特徴
大学が主催して、キャンパス内で実施する合同説明会。理系の場合、大学全体だけでなく学部・学科単位で開催されることも。規模は小さめですが、効率よく企業と接触することができます。
メリット
・自分の所属大学の学生に関心のある企業と出会える(学歴フィルターの心配不要)
・同じ大学出身の社員に会えることが多い
・少人数で距離が近く、質問しやすい雰囲気
・大学と繋がりのある参加企業が中心という安心感がある
・企業の出展費は原則無料で、優良企業も積極的に出展傾向
デメリット
・参加企業は大学と関係のある一部に限られる
・業界、職種、地域など偏りが出ることもある
・大規模な学外合説と比較すると出会える企業数が少ない
・学内合説のみにこだわると視野が狭くなる
・目的意識がないと、参加したことに満足する懸念
有効活用法
「自分の所属大学に関心を持つ企業」と効率よく出会える場として活用。特に理系だと学部や学科単位で合説が開催されることもあり、悩んだら講義の合間などに気軽に参加してみるのもおすすめです。まずは気軽に話を聞いてみることから、就活の一歩を踏み出す方々もいます。
合同説明会(学外)
特徴
ナビサイトや人材会社が主催する大規模イベント。「業界・規模問わない企業が多数出展」「特定の業界・地域の企業だけが少数出展」など、合説によって特徴はさまざまです。
メリット
・一度に複数の企業と出会うことができる
・大規模合説だと、異なる業界や職種を横断的に比較できる
・セミナーや講演で就活の基礎を学ぶ機会もある
・学内合説には出展していない企業とも出会え、視野が広がる
・採用担当者や現場担当者の生の声を聞くことができる
デメリット
・文理問わない出展も多く、効率良く情報を収集できるかは自分次第
・出展企業が事前に告知されていない場合、関心のない企業ばかりであることも
・個別の質問や相談がし辛く、自分に合った情報が得にくい
・特化型の合説でも偏りが出ることも(例:理系特化でメーカーを期待したらほとんどが技術派遣など)
・目的意識がないと、参加したことに満足する懸念
有効活用法
事前に出展企業名を閲覧し、「関心を持てそうな企業」が参加しているかは必ずチェック。それが1~2社だけなら個別にインターン・説明会の枠に申し込んで密度濃く情報を得るという選択も。参加後に「想像した企業の出展がなかった」とならないよう気をつけましょう。
逆求人型就活サイト(スカウト型/オファー型)
特徴
プロフィール/学習・研究内容/ガクチカなどを登録し、企業からスカウトを受け取る仕組み。「文理不問」「理系特化」など様々なサービスが増えています。
メリット
・企業から直接スカウトメッセージが届く
・スカウト限定の案内が届くことも(例:1~2次選考免除、非公開求人など)
・ガクチカだけでなく専門性や研究内容も評価される
・自分では気づかなかった企業と出会える
・手間がかからず、実験・研究等と両立しやすい
デメリット
・プロフィールが空欄だらけだとスカウトが届かない懸念
・希望外のスカウトが届くこともある
・サイトによって登録企業に偏りがあることも
・依存しすぎると自分で企業を探す習慣が薄れる
・企業によってはスカウトを一括配信、自動配信している事例もある
有効活用法
プロフィールは常に更新し、定期的にログインする習慣を持ちましょう。多くのサイトでは、採用担当者がログイン順で学生を探す傾向があります。また、逆求人サイトだけに依存すると視野が狭まり、自分で探していれば出会えたはずの企業を見逃してしまう恐れがあります。
全国の理系学部生が積極利用中!AIが準備を支えるオファー型理系就活サイト「リケイマッチ」
就職エージェント(人材紹介企業)
特徴
就職エージェントに申し込むと担当者がつき、企業紹介や選考対策を無料でサポートしてくれます。一方、学生の内定承諾や入社が決まった際に企業から成果報酬を受け取る仕組みでサービスが成立しています。
メリット
・エージェントに希望を伝え、求人を紹介してもらえる
・自分では気づかなかった企業に出会える
・ESや面接対策など助言を受けることができる
・日程調整などもサポートしてもらえる
・返答期日等の交渉を代行してくれる場合もある
デメリット
・サポートの品質は企業だけでなく担当者によっても差が大きい
・内定承諾=人材会社の売上であり、強引に勧められることがある(※)
・成果報酬が高額であり、紹介先企業が限られる(例:他手段で学生が集まらない等)
・直接応募より選考ハードルが上がる場合がある(企業視点だと、直接応募は成果報酬無し)
・依存すると自主性が失われる
有効活用法
就職エージェントは品質の差が出やすいサービスで、信頼できる担当者の見極めや情報の取捨選択などが有意義な活用に繋がります。一方で理系だと採用1名につき100~150万円程の成果報酬が就職エージェントへ支払われることが多く、この構造ならではのトラブルも度々取り上げられています。
※参考記事:学生の利用広がる就活エージェント巡りトラブル 志望を否定、特定の企業をごり押し(ヤフーニュース)
学内求人や教授推薦
特徴
学部・学科に届く求人へ自由応募や、大学教員を通した推薦で企業と繋がる手段。専門性を深めてきた理系ならではの選択肢です。
メリット
・専攻分野に近い企業と出会いやすい
・OBOGが活躍している企業とも出会いやすい
・自分の所属大学、学部学科に関心を持つ企業が中心
・推薦だと、内定率が通常応募より高くなる場合も
・大学と企業の信頼関係があるからこその安心感がある
デメリット
・応募先は繋がりのある企業だけに限られる
・学科や研究室に届く求人だと、専攻分野以外の企業と出会いにくい
・依存すると選択肢が狭くなってしまう懸念も
・推薦の場合、内定後の辞退は厳しい
・企業によっては推薦も通常応募も同様の基準で選考する場合もある
有効活用法
専攻分野や研究内容と直結する企業を探す際に有効です。関心のある企業がナビサイトと学内求人の両方に掲載されている場合、学内求人から応募した方が競争が少なく、採用担当者の目にも留まりやすくなります。それが迷わず第一志望と言える企業であれば、推薦応募について就職担当教員と相談してみるのも良いかもしれません。
参考記事:理系大学生の内定者に学ぶ!就活と学生生活を両立するための1日スケジュール5選
まとめ
理系学生の就活は「限られた時間で、自分に合った手段を組み合わせるか」が成功のカギです。文系に比べて売り手市場で選択肢も多い分、受け身になって視野を狭めてしまうのは勿体ないことでもあります。就活という大事な節目だからこそ、自分の意思で、主体的に取り組む姿勢が社会に出た後の満足度にも繋がります。
■就活に役立つ参考動画
面接前の練習に!理系新卒の1次面接シミュレーション(模擬面接)