理系女子を後押しする制度と社会の動き

日本では、女性の社会進出が社会課題の解決に向けた重要な取り組みとして位置づけられています。その中でも、2016年に施行された女性活躍推進法や、内閣府が進める「理工チャレンジ（リコチャレ）」は、女子中高生や女子学生が理工系分野に興味を持ち、進路選択を後押しするための施策として注目されています。

このような背景から、多くの企業が以下のような取り組みを進めています。

• 女性技術者（エンジニア）の積極採用

男女問わない技術者不足の解消、ダイバーシティの実現、優良企業認定、多様な働き方を推進するきっかけなど、様々な意図から女性技術者の採用に力を入れています。

• 育児介護と仕事を両立できる働き方の提供

フレックス、時短、リモートワーク（在宅勤務）など柔軟な勤務制度を導入する企業が増えています。他にも育児休暇・介護休暇の取得推奨など、ライフイベントに対応した支援を拡充しています。

• 女性リーダーや管理職の登用

女性活躍推進法により、女性管理職30%以上の登用が目標として掲げられています。女性がリーダーシップを発揮できるような体制を整備すべく、企業によって様々な取り組みを行っています。

また、大学でも理系女子の入学支援が進んでいます。大きな話題となった一例として、東京科学大学（旧 東京工業大学）では、2024年4月入学の学士課程入試から、総合型選抜および学校推薦型選抜において女性を対象とした「女子枠」を設けています。

政府や企業だけでなく教育機関も含め、理系女子が専門性を活かすだけでなく、ライフイベントも両立しながら安心して長期的なキャリアを築ける社会の実現に向けて動いています。

理系女子に人気の職種と活躍の場

理系女子に人気のある職種や分野は、技術や科学の知識を活かせることや、社会課題の解決に直結する仕事が多いのが特徴です。当社運営の就活サイト「リケイマッチ」のデータでは、以下の職種が人気の傾向です。

1. 研究開発職

自動車、電子部品、半導体、化学、素材など、専門性を追求できる分野が支持されています。大学や大学院で学んだ知識を活かし、製品や技術の進化に寄与できる職種です。

2. ITエンジニア

Webサイトの開発やインフラシステムの設計構築など、幅広いスキルを活かせるIT分野は高い需要があります。昨今では情報工学専攻者以外で、ITエンジニアとして就職する方々が増加傾向です。

3. 機械設計、電気電子回路設計、半導体設計

特に機械工学や電気電子を専攻した理系女子は、これらの仕事を選ぶ割合も高いです。自動車やロボット、家電など多様な製品開発に関われる職種です。

4. AIエンジニア、機械学習、データサイエンティスト

ビッグデータを扱う職種も注目されています。生成AI（例：ChatGPTなど）が昨今では話題ですが、最先端のAI技術を扱った社会課題の解決や、アルゴリズム開発やデータ分析なども人気です。

参考：ソフトバンク株式会社に内定。AIエキスパート木口佳南さんのインタビュー記事

理系女子の就職後は？リケイマッチ元ユーザーのリアルな体験談

理系女子がどのように就活を進め、キャリアを築いているのか。リケイマッチを活用して就職した先輩の声をお届けします。

車載機器メーカーで機械設計に挑むSさんの体験談

・Sさんのプロフィール

日本大学 理工学部 機械工学科を卒業し、自動車部品（車載機器）メーカーに技術職として入社。

現在は機械設計者として、カーナビ等の設計開発に従事。

理系学部卒であり、就活では他にもIT企業から内定を獲得したが、ものづくりに対する意欲が強いことからメーカー就職を決意。

・Sさんの体験談

「私は大学で機械工学を専攻し、車載機器メーカーで設計職に就いています。最初は設計補助や図面作成から始まり、現在では設計の仕様検討にも挑戦しています。働きやすさの面でも、男女の壁を感じることなく、コミュニケーションを取りながら仕事に励めています。

また、育休・産休の取得を推奨する風土が整っており、実際に先輩社員が取得後スムーズに復職されています。当初は不安な側面もありましたが、想像以上に働きやすい環境で、楽しく仕事に取り組めています！」

まとめ

理系女子の就活環境は、制度や企業の取り組みによって整備が進んでいます。就活を進める中では、自分の強みを活かせる職場やライフイベントと両立できる環境を見極めることも重要です。この記事を通じて、理系女子の皆さんが自分に合ったキャリアを見つける一助となれば幸いです。

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