- 理系就活
- キャリア形成
- 公開日:2024年10月24日
両者には異なる魅力があり、キャリア選択によって将来の方向性が大きく変わる可能性があります。この記事では、理系就職と文系就職のメリット・デメリットを比較しつつ、どちらが自分に合っているかを考える手助けとなる情報を提供します。
理系就職とは?
理系就職とは、理系として培ってきた専門的なスキルや知識を活かして、製品やシステムの設計・開発・運用などに携わる仕事です。例えば、機械/電気電子/情報/化学/生物/建築などの専門分野が求められ、理系出身者が学んだことを活かすことができます。
技術職や研究開発職だと、企業によっては理系限定で募集を行うこともあり、理系ならではの選択肢の1つです。これらの職種で募集を行う企業としてはメーカー・エネルギー・IT業界など、さまざまな分野があり、活躍する場が広くあります。
文系就職とは?
文系就職とは、営業、マーケティング、人事、経営企画などの業務に携わる職種です。文理を問わず幅広いバックグラウンドの人が挑戦できる分野であり、文系だけでなく理系学生でも選択可能です。
しかし、文系就職には異なるリスクもあります。理系で培った専門性を直接的に活かさずにキャリアを進めることで、後悔する可能性があるかもしれません。理系から文系に移った場合、理系ならではの仕事に戻るのは難しくなることがあります。
理系就職のメリット・デメリット
■メリット
・専門知識を活かせる
理系で学んだ知識を直接活用でき、技術力を発揮できる場が多いです。例えば、機械工学科で学ぶ四力学・CAD・実験・機械操作などは、メーカーにおける研究開発・設計・実験・生産技術でも強く求められる知見であり、未経験者がゼロから学んで習得するには相当な高いハードルがあります。
・高い需要
製造業(メーカー)やIT業界などでは理系人材が不足しているため、理系学生には常に高い需要があります。
厚生労働省の有効求人倍率を閲覧すると、令和6年3月時点の職業計の有効求人倍率が1.17倍であることに対し、製造技術者(開発)は1.98倍、建築・土木・測量技術者は5.70倍、情報処理・通信技術者は1.59倍、 その他の技術者は1.90倍です。職業計の平均値をいずれも上回っており、求人数に対して求職者の数が追いつかないほどの売手市場となっています。
・競争が少ない
技術職では「理系歓迎」「理系限定」の募集も多いため、大企業や人気企業に応募する場合も、文系就職と比較すると就活生間の競争が少ない場合が多いです。
例えば、とある私立大学の就職実績を閲覧すると、文系学部だと内定者の少ない人気企業に、理系学部だと内定を獲得する方々が多いといった事例もあります。
・キャリアの安定性
技術職は専門性が高いだけでなく求人倍率も高いことから、企業にとっても希少性の高い社員です。万が一、会社都合により離職せざるを得なくなった場合でも、転職市場においても大きな需要があり、次の仕事を比較的見つけやすいことが魅力です。
■デメリット
・専門性が求められるため、分野を大きく変えることが難しい
理系就職に限った話ではないですが、一度技術職や研究開発職に就くと、ビジネス系の職種に転職することが新卒就活と比較すると困難になります。ただ、営業職やマーケティング職は既卒・第二新卒を募集する企業も多く、可能性が無い訳ではございません。
・常に技術を磨き続ける必要がある
昨今では流行となる技術の変化も激しく、理系就職した場合には常にキャッチアップしながら、スキルや知識を磨き続ける必要があります。大学卒業後も技術を学ぶことには抵抗がある場合、仕事がストレスとなってしまう懸念もあります。
文系就職のメリット・デメリット
■メリット
・文系就職は文理不問で応募可能
文系就職は文理問わず挑戦できるため、理系学生であっても自由に応募することができます。営業・マーケティング・バックオフィスなど幅広い分野に挑戦が可能です。
・コミュニケーションスキルが活かせる
特に営業やコンサルタントなどは顧客や社内の各部署と連携が重要となり、コミュニケーション能力をフルに活かすことができます。
・営業だと同期よりも売上を出すことで、早期出世の可能性も
営業は売上という明確な数値で年齢問わず結果が出る仕事であり、客観的な指標に基づいた競争が好きな人にはやりがいとなることがあります。企業によっては20代という若手であっても、結果を出した人にはリーダー・マネージャーや支社長を任せるといった事例もあります。
■デメリット
・競争の激しさ
文理問わず多くの学生が志望するため、就活においても競争が激しくなりがちです。文系就職を選ぶことで、理系専門職の安定性や高い需要とは違った道を進むことになります。
・後悔する可能性
自分の目標や適性などを考え抜いた上で文系就職をして、活躍している社会人は実は多くいます。
一方で、「人と話すことが好きだから」等の理由で深く考えず文系就職を選び、後から専門性を活かせなかったことに後悔してしまう方々も多くいます。
第二新卒として技術の道に戻ろうとしても、人気企業ほど「〇〇の開発を3年以上経験」などの募集要件で中途採用に取り組んでおり、理系卒とは言えど新卒就活と比較すると選択肢が狭まってしまうリスクがあります。
どちらが自分に合っているかを考える
理系就職と文系就職、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自分に合ったキャリアを選ぶことが大切です。関心や強みをしっかり見つめ直し、理系で学んだ知識を活かすのか、それとも人と関わる業務に挑戦するのかを考えましょう。
また、長期的な視点でキャリアプランを考えることも重要です。求人倍率にも表れているほど、理系の専門性は多くの企業から求められており、希少性もあります。大学受験では英語だけでなく数学・物理・化学などにも励み、大学生活では実験や研究活動にも打ち込んできたからこそ選択できる道でもあります。
どちらにもメリットとデメリットがあり、人によって正解は変わることです。自分自身に置き換えて様々な軸から考え抜いた上で、意思決定することを推奨します。
まとめ
この記事では、理系就職と文系就職の違いを仕事内容や就職活動だけでなく、将来のキャリア形成や競争環境などを交えて広い視点から記述しました。どちらの道を選んでも納得のあるキャリアを形成されている方々がおり、人によって正解は異なります。この記事はこの2つの選択で悩んだ方にとって、考えるための参考になると幸いです。