理系新卒採用の配属先決定に関する企業調査結果:配属ガチャの懸念と対策

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  • 公開日:2024年6月18日

リケイマッチ運営企業の株式会社カンビアにおいて、理系新卒採用を行う企業に配属先決定の調査を実施しました。「配属ガチャ」という言葉を耳にする機会も多く、理系学生にとっても関心の強い内容だと思います。配属先決定について企業はどのような取り組みを行っているのか、今回の記事では企業調査結果を届けていきます。

目次

  • 調査背景
  • 調査結果 概要
  • まとめ

調査背景

技術職・研究開発職・ITエンジニア職における理系新卒採用に取り組む企業を対象に、配属先決定に関する調査を実施しました。「配属ガチャ」という言葉がニュースや新聞で頻繁に取り上げられる中、技術系職種に絞った理系新卒採用の企業調査は近年行われていませんでした。

 

このテーマは理系学生の大きな悩みですが、企業も同様に様々な課題に直面しています。「理系新卒の売り手市場による採用難」「配属を理由とした内定辞退、早期離職」等の背景から、企業も配属先決定について多くの課題を抱えています。学生だけでなく企業側から実態を調査し、日本の理系採用に還元したい思いから、今回のアンケート調査を実施しました。

 

・調査対象:技術職・研究開発職・ITエンジニア職のいずれかにおいて、理系学生の新卒採用に取り組む企業
・有効回答数:104社
・調査方法:WEBアンケート形式
・アンケート実施期間:2024年6月10日(月)~6月13日(木)

 

調査結果 概要

・配属先通知は「入社後の研修期間」が最多で42.3%。
・製造業は研修期間中、IT業界は募集段階に配属先を通知する企業が多い。
・入社後に配属先を通知する企業のうち、16.7%が将来的に変更を検討。
・配属先決定の課題は、本人希望と受入部門のマッチング精度や希望と現実の乖離など。

 

[1]調査対象企業の業種・規模

調査対象企業は製造業52.9%、IT33.7%が特に多い割合を占めておりました。その他は鉄道、レンタル・リース、機械設計の3社が回答しております。

従業員数別では、100-4999人規模の企業を中心に様々な規模の企業から回答がありました。当社が準大手・中小規模の企業を中心とした採用支援を行っていることから、この規模の回答が特に多くなっております。

 

[2]配属先通知のタイミング

最も多いのは「入社後の研修期間」であり、全体の42.3%を占めております。これにより、企業が新入社員の適性を見極めた上で配属先を決定する姿勢が見受けられます。一方で、募集段階で配属先を明示する企業も約1/3を占めております。入社後(入社式~研修期間)と入社前(募集段階~入社前)で分けると、前者が44.2%、後者が55.8%であり、入社前に伝える割合が全体では多くなっております。

 

[3]業種別の配属先通知のタイミング

[2]では業種を問わない割合を提示しましたが、製造業とIT業界だけに絞った結果も示します。製造業では、入社後の研修期間に配属先を決定する企業が過半数を占め、新入社員の適性を見極めた上での配属を重視していることがわかります。

一方、IT業界では、募集段階で配属先を明示する企業が過半数を占め、職種別の採用を重視する傾向が強いことがわかります。

[4]配属先を通知する場合の変更予定

入社前に配属先を通知する企業に絞ると、大多数の企業が現行の配属先通知方法を維持する意向を示しており、変更の予定がない企業が約7割を占めております。

一方、入社後に配属先を通知する企業では、現行の方法を維持する意向が多いですが、将来的に変更を検討している企業の割合が約17%と、入社前に通知する企業よりも高くなっております。

[5]配属先決定における課題

自由記述の項目であり、要約した上で記述します。企業が感じている主な課題として、本人の希望と会社の要望のマッチングが難しいこと、全社員の希望に応えられないこと、経営層によるトップダウン配属決定に対する不満が挙げられます。

 

また、都市部勤務希望の集中や入社前の希望変更による調整の必要性、人気のない配属先の募集が困難という希望と現実の乖離も問題となっています。その他にも、採用人数が多いため全ての学生の希望を反映させることが難しいこと、特定の職種で人が集まりにくいこと、配属後に適性が異なる場合の調整が必要であること、計画的な人員配置の難しさなど、様々な課題に企業は直面しています。

 

[6]配属先に対する学生の希望反映

自由記述の項目であり、要約した上で記述します。配属先通知を入社前に実施する企業では、職種別に募集を公開することもあれば、説明会や面接の際に学生の希望を確認した上で、その職種を前提に選考へ進めるケースもありました。

 

一方、入社後に通知する企業では、入社後に各部門の仕事を体験する期間を設定し、学生の希望が叶うように配慮しています。しかし、[5]で述べたように全員の希望を実現しきれない悩みも多くありました。

 

まとめ

今回の調査で、理系新卒採用における配属先決定について深く知ることができました。一方で、企業の業種や規模によって特徴も異なるため、自分の希望する企業に当てはまるかどうかも考慮することが重要です。この記事に限らず気になるデータがあれば様々な企業が取り上げていますので、ぜひ調べてみてください!

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