大和製衡株式会社、機械設計エンジニアインタビュー:オーダーメイドで産業を支える“はかり”の技術

大和製衡株式会社で機械設計として活躍する宍戸さんに、学生時代から仕事、会社の魅力まで伺いました。

近畿大学工学部機械工学科を卒業後、2022年に大和製衡株式会社へ新卒入社。現在は産機事業部・試験機グループで、風洞天秤やタイヤバランサーなどの機械設計を担当。就活体験、入社後の仕事内容、働く環境、そして理系就活生へのメッセージまで語っていただきました。

学生時代と就活

ーー学生時代の専攻について教えてください。

近畿大学で機械工学を専攻し、力学や製図・CAD操作など“ものづくり”の基礎を幅広く学びました。

研究室では少し異分野に挑戦し、JAXA関連のテーマで「炭素質隕石に弾丸を当て、その砕け方を検証する」実験に取り組みました。小惑星探査機「はやぶさ」への憧れが原点で、教授が宇宙分野に強かったことも研究室選びの理由です。

 

ーー工学分野に興味を持ったきっかけは何でしたか?

父が地学の教師で、幼い頃から科学館に通う機会が多く、小学生の頃に話題になった「はやぶさ」に心を掴まれました。ものづくりで社会にインパクトを与える面白さに惹かれ、工学を志しました。

 

ーー就職活動の経緯と、大和製衡に入社した理由を教えてください。

当初は製造業全体を広く見ながら「設計ができる会社」を軸に探索していました。私の就活期(22卒)はコロナの影響を直接受け、企業環境が不安な状況でした。

学内の就職支援課のカタログをきっかけに大和製衡を知り、国内外の販売基盤が強く、コロナ禍でも業績が安定している点に魅力を感じて入社を決めました。

 

入社後の仕事内容について

ーー現在の担当業務を教えてください。

計量器・秤(はかり)の総合メーカーである当社の中で、産機事業部の試験機グループに所属し、風洞天秤やタイヤバランサーなど「性能評価に用いる計測機器」の機械設計を担当しています。扱う“はかり”は大きく、産業・工業用途が中心です。

 

ーー風洞天秤とはどのような製品なのでしょうか?

自動車・二輪車や飛行機などの車両の研究開発において、人工的に発生させた空気の流れを利用して実際に走行している環境を再現し、車両が空気から受ける力を正確に測定するためのはかりです。この力のほとんどは車両の形状によって決定され、安定した挙動や燃費の向上といった多くの性能に直結します。そのため自動車を中心とした車両の開発においては必ず使用するはかりとなっています。

 

私が担当した二輪車(バイク)向けの風洞天秤では、台座を回転させて横風や追い風など様々な角度の風を再現できるようにして納品しました。市販だけでなくレース用の二輪車など、特殊な条件を求められるはかりも開発しています。

 

ーー機械設計の詳細な内容もお伺いしたいです。

お客様の試験条件を踏まえて、形状や精度などの仕様を検討し、図面化までを一貫して担当します。基本は2D CADで設計し、負荷の大きい部分では3D CADによるモデル作成と要素解析による強度検討も行っています。

 

ーー設計では、他部門と連携する機会も多いのでしょうか?

産機事業部では設計課のすぐ隣に組立・調整の工場があり、製造側からの改善フィードバックを素早く取り込める環境です。電気設計、ソフトウェア、資材調達、組立のメンバーと“設計審査”で集中的に議論し、部門横断で仕様を決めることもあります。

 

はかり業界や自社製品の魅力

ーーはかり業界の全体像についても教えていただきたいです。

自動車・二輪・重工・鉄鋼・化学・素材・電力・食品など幅広い産業で“はかり”が使われています。計量機メーカーは国内で約30社と言われています。

 

ーー大和製衡ならではの特徴や強みもお伺いしたいです。

創業以来、はかりに特化して技術を磨く姿勢で取り組んできました。

当社のはかりはオーダーメイドの一品対応。お客様の設備条件や研究テーマに合わせ、他社では難しい案件でもニーズに寄り添って設計・製作できる対応力が強みです。

例えば、コンパクトな風洞天秤を他社とコラボして作ったことがあります。従来大型設備であった風洞天秤をコンパクト化し、展示会でも注目を集めました。他にも航空機模型用の風洞天秤を JAXA様に継続利用いただいており、新聞に載ったこともありますね。

 

会社の魅力

ーー働く環境や社員の雰囲気など教えていただきたいです。

理系出身者が多く、落ち着いた雰囲気で質問や相談がしやすい職場です。年齢層も幅広く、OJTで学びやすい環境があります。私が所属する産機事業部では自動車やバイク好きの社員が多く、仕事の話題がそのまま趣味の話に発展することもあります。

 

ーーどのような専攻の出身者が活躍しているのでしょうか?

理系だと機械や電気電子に限らず、化学、生物、物理、数学、農学など幅広い分野を出身の社員も活躍していますね。入社後に専門知識を習得できる環境も整っていると思います。

 

ーー制度・福利厚生について教えてください。

有給が取りやすく、時間単位の有給制度により、生活と仕事のバランスを取りやすい点が好評です。例えば明日から旅行するので、2時間早く仕事を切り上げるとか、私だけでなく他の社員も気軽に利用しています。

そして若手向けの寮・社宅制度(毎月1万円で入居可など)もあり、安心して働ける環境です。組合主催のバス旅行やBBQなど部署横断の交流機会があり、コロナ以前に実施していたスポーツ大会も今年から再開予定です。

 

ーー教育・研修についてもお伺いしたいです。

英語の教育にも力を入れており、私自身、英語研修を1年間受講しました。週1回の頻度で、外部講師のマンツーマンで勤務時間内に受講していました。

他にもTOEIC受験の費用補助や、材料力学、エアシリンダー、電源、表面処理など社外専門講座の受講機会も豊富です。オンライン講座を勤務時間内に受けられるなど、実務スキルを着実に引き上げる仕組みが整っています。

 

読者へのメッセージ

ーー理系就活生に向けてメッセージをお願いします!

日々の授業は思っている以上に大事です。一見、将来の業務と直結しないと思う講義でも、入社後に新しい知識を吸収するための土台となることがあります。私自身も熱力学や流体力学など、機械設計と直接関係しないと思っていたことが基礎となって、仕事理解の深まりが大きく変わると実感しました。

 

そして就活では、業界などの視野を広げることもおすすめです。自動車が好きなら、自動車メーカー以外にも“車の形状や性能を決める測定設備をつくる”という関わり方もあります。他にも企業によって様々な形で車に関われる機会があるので、ぜひ色んな方向から調べてみてください。

 

まとめ

大和製衡株式会社で機械設計に携わる宍戸さんに、学生時代から就活体験、仕事や会社の魅力まで幅広くお話いただきました!

同社では新卒採用を積極的に実施しており、理系就活サイト「リケイマッチ」を通してインターンや本選考の募集を行っています。

「オーダーメイドの一品対応」「自動車・二輪・航空・食品など幅広い産業に貢献」「英語研修や専門講座など教育制度が充実」などに関心のある方々は、ぜひチェックしてみてください!

 

大和製衡株式会社の新卒採用情報はこちらから
https://www.yamato-scale.co.jp/recruit/