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2026年10月28日(更新:2026年10月28日)
自己分析は、自分の強みや興味、価値観を整理し、就職活動の方向性を考えるための方法です。ただ、「自己分析をしよう」と言われても、何から始めればよいのかわからない方もいると思います。
本記事では、理系学生にも取り組みやすい10種類の自己分析手法を、具体例とあわせて紹介します。すべて行う必要はないため、自分に合いそうな方法から試してみてください。
目次
自己分析を始める前に知っておきたいこと
自己分析では、自分の強みだけを探すわけではありません。「どのようなことに興味を持ちやすいか」「どのような場面で力を発揮しやすいか」「何を大切にしたいか」など、さまざまな角度から自分自身を整理していきます。
例えば、「実験が好き」という理系学生でも、実験計画を考えることが好きなのか、実際に手を動かすことが好きなのか、結果を分析することが好きなのかによって、興味の方向性は変わります。
自己分析では、こうした違いまで掘り下げて考えることが大切です。
研究経験がなくても自己分析はできる
理系学生の場合、「研究活動の経験も分析しなければならない」と考えてしまうこともありますが、研究室に所属していなくても問題ありません。
授業、実験、設計課題、プログラミング、アルバイト、サークル、趣味なども十分な材料になります。特別な成果を出した経験を探す必要もありません。普段どのように考え、どのように行動しているかを振り返ることも自己分析です。
すべての方法を試す必要はない
今回紹介する方法には、それぞれ得意な分析があります。過去の経験を整理したいなら「自分史」、自分の強みを見つけたいなら「STAR分析」、仕事で大切にしたいことを整理したいなら「価値観の優先順位付け」など、目的に応じて使い分けられます。
気になるものを2〜3種類試し、異なる方法でも同じ特徴が出てくるか確認するのもおすすめです。
自分史|過去の経験から自分の特徴を探す

自分史は、中学・高校・大学などの時期ごとに過去の出来事を振り返る方法です。長い期間を振り返ることで、自分が繰り返し興味を持っていることや、行動の共通点を見つけやすくなります。
自分史のやり方
中学、高校、大学などに分け、それぞれの時期について次のような内容を書き出します。
・特に熱中したことは何か
・頑張ったことは何か
・大変だったことは何か
・自分から進んで取り組んだことは何か
・達成感を感じたことは何か
・反対に、苦手だったことは何か
理系学生の例
・中学
パソコンを使うことが好きで、簡単なプログラムを自分で調べながら作っていた。
・高校
数学の難しい問題を解くことに達成感があった。一方で、理由を理解せず暗記するだけの勉強は苦手だった。
・大学
プログラミング演習で、自分の書いたコードが正しく動いたときに面白さを感じた。授業で扱っていない機能も自分で調べて追加した。
どこを見る?
書き出した後は、それぞれの経験に共通している部分を探します。
今回の例では、「自分で調べる」「仕組みを理解する」「試行錯誤する」といった特徴があります。単に「プログラミングが好き」と考えるだけでなく、なぜ好きなのかまで掘り下げることで、自分の興味をより具体的に整理できます。
モチベーショングラフ|やる気が上がる・下がる条件を知る

モチベーショングラフは、これまでの出来事と、そのときの意欲や充実感をグラフにする方法です。楽しかった経験だけでなく、やる気が下がった経験も振り返ることで、自分に合いやすい環境や苦手な状況を考えられます。
モチベーショングラフのやり方
まず、中学から現在までの印象的な出来事を5〜10個程度書き出します。それぞれについて、例えば「-5〜+5」の範囲で当時のモチベーションを付けます。
横軸を時間、縦軸をモチベーションとして線でつなぐと、自分の変化を視覚的に確認できます。
理系学生の例
・高校で数学の難しい問題を解けた:+4
・大学受験で進路に悩んだ:-3
・大学で初めてプログラミングを学んだ:+3
・実験結果が安定せず苦労した:-2
・実験条件を見直して結果が改善した:+5
・グループ課題で役割が曖昧だった:-3
どこを見る?
特に数値が高かった出来事と低かった出来事について、「なぜそう感じたのか」を考えます。例えば、実験結果が改善したときにモチベーションが高かったのであれば、
・自分で原因を考えられたから
・工夫した結果が目に見えて表れたから
・試行錯誤する過程が面白かったから
といった理由が見つかるかもしれません。
一方、グループ課題でモチベーションが下がった理由が「役割が曖昧だったから」であれば、役割や目標が明確な環境の方が取り組みやすい可能性があります。
マインドマップ|興味や考えを広げて整理する

マインドマップは、一つのテーマから関連する言葉を枝分かれさせていく方法です。自分の興味や強みがまだはっきりしていない場合でも、思いつくことから自由に広げられます。
マインドマップのやり方
紙やアプリの中央に「自分」と書き、そこから次のようなテーマを広げていきます。
・好きなこと
・得意なこと
・苦手なこと
・興味のある分野
・大切にしたいこと
・印象に残っている経験
そこからさらに、思いつく言葉を枝分かれさせます。
理系学生の例
・好きなこと → ものづくり → 電子工作 → 回路を組む → 動作確認
・得意なこと → 細かい作業 → ミスを見つける → 原因を調べる
・興味のある分野 → 電気電子 → センサー → 自動化
・大切にしたいこと → 技術を学び続ける → 新しい知識を身につける
どこを見る?
異なる枝に何度も登場する言葉や、特に多く広がったテーマに注目します。今回の例では、「電子工作」「センサー」「自動化」など、電気電子系の興味が具体的に見えてきます。
また、「ミスを見つける」「原因を調べる」といった行動から、細かな違いに気づき、原因を確認することが得意な可能性もあります。
STAR分析|経験から自分の強みを見つける

STAR分析は、一つの経験を4つの要素に分けて整理する方法です。
・Situation:状況
・Task:課題
・Action:行動
・Result:結果
特に、自分がどのように考えて行動したかを振り返りたいときに使いやすい方法です。
STAR分析のやり方
授業、実験、研究、アルバイトなどから、一つの経験を選びます。その経験について、4つの項目に分けて整理します。
理系学生の例
・Situation
大学の実験で、測定結果に大きなばらつきが出ていた。
・Task
原因を確認し、できるだけ安定した測定結果を得る必要があった。
・Action
測定条件を整理し、温度や測定手順などを一つずつ確認した。また、グループ内で作業方法をそろえた。
・Result
測定値のばらつきが小さくなり、改善前後を比較して考察できた。
どこを見る?
特に注目したいのはActionです。今回の例では、以下のような特徴が考えられます。
・条件を整理する → 分析力
・一つずつ確認する → 丁寧さ、粘り強さ
・メンバーと手順をそろえる → 協調性、調整力
ただし、一つの経験だけで「自分の強みはこれ」と決める必要はありません。ほかの経験でも同じような行動をしているか確認してみましょう。
5Why分析|「なぜ?」を繰り返して考えを深掘りする

5Why分析は、一つの考えに対して「なぜ?」を繰り返し、その理由を深く考える方法です。自己分析では、「なぜ好きなのか」「なぜ頑張れたのか」などを掘り下げるときに使えます。
5Why分析のやり方
まず、自分について一つテーマを決めます。例えば、「プログラミングが好き」から始めます。
1、なぜプログラミングが好き?
自分で作ったものが動くと嬉しいから。
2、なぜ動くと嬉しい?
自分の考え方が正しかったと確認できるから。
3、なぜそれが嬉しい?
試行錯誤して問題を解決することに達成感があるから。
4、なぜ達成感がある?
できなかったことが、工夫によってできるようになるから。
5、なぜそれが楽しい?
新しいことを学び、自分の力でできることが増えるのが好きだから。
どこを見る?
最初は「プログラミングが好き」という話でしたが、深掘りすると「学ぶこと」「試行錯誤」「成長」「課題解決」といった価値観が見えてきます。必ず5回繰り返す必要はありません。自分で納得できる理由まで掘り下げることが大切です。
他己分析|周囲から見た自分を知る

他己分析は、友人や家族などに自分の特徴を聞く方法です。自分では当たり前だと思っている行動が、周囲から見ると強みになっていることもあります。
他己分析で聞きたい質問
・私の長所は何だと思う?
・どのような場面で頼りになると感じる?
・私らしいと感じた行動はある?
・改善した方がよいと思う部分はある?
・どのような役割が向いていると思う?
できれば、大学の友人、アルバイト先、家族など、異なる関係性の人から聞いてみると、自分をさまざまな角度から見られます。
理系学生の例
大学の友人から、
「授業でわからないところを聞くと、図を書きながら説明してくれるのでわかりやすい」
と言われたとします。
アルバイト先でも、
「新人に説明するとき、順番を整理して話している」
と言われた場合、「相手が理解しやすいように説明する力」が自分の特徴として考えられます。
どこを見る?
一人の回答だけではなく、複数人から似た評価を受けている部分に注目します。また、「なぜそう思ったのか」「具体的にどの場面だったのか」まで聞くと、より自分の行動を具体的に理解できます。
ジョハリの窓|自分と周囲の認識の違いを整理する

ジョハリの窓は、自分が考えている自分の特徴と、周囲から見た特徴を比較する方法です。特徴を次の4つに分けます。
・開放の窓:自分も他人も知っている特徴
・盲点の窓:自分は気づいていないが、他人は知っている特徴
・秘密の窓:自分は知っているが、他人には伝わっていない特徴
・未知の窓:自分も他人もまだ気づいていない特徴
ジョハリの窓のやり方
「慎重」「論理的」「積極的」「粘り強い」「好奇心が強い」など、自分の特徴を表す言葉を複数用意します。自分に当てはまると思うものを選び、友人などにも同じ中から選んでもらいます。
理系学生の例
自分も友人も「慎重」「粘り強い」を選んだ場合、この2つは開放の窓に入ります。一方、自分では選ばなかった「リーダーシップがある」を友人が選んだ場合は、盲点の窓に入ります。
理由を聞いてみると、「グループ課題で自然に役割分担を考えてくれるから」といった回答があるかもしれません。自分では意識していなかった行動から、新しい特徴を見つけられます。
Will・Can・Must分析|やりたいこと・できることを整理する

Will・Can・Must分析は、自分の方向性を3つの観点から整理する方法です。
・Will:やりたいこと
・Can:できること
・Must:求められること
Willを整理する
どのような活動に興味があるのか、何をしているときに楽しいと感じるのかを考えます。
例:ものづくりに関わりたい。自分で考えたものが形になることに興味がある。
Canを整理する
自分ができることや、これまで身につけた知識、周囲から評価されたことを考えます。
例:CADの基礎知識がある。課題を整理して考えることが得意。
Mustを整理する
興味のある仕事や環境で求められていることを確認します。
例:機械設計では、機械工学の知識やCADの活用、他部署とのコミュニケーションなどが必要になる。
どこを見る?
WillとCanの共通点を見ることで、自分の興味と得意なことを整理できます。さらにMustを加えると、これから学びたいことや、調べてみたい仕事も見つけやすくなります。
学生の段階では、Will・Can・Mustがすべて一致していなくても問題ありません。
SWOT分析|自分の強み・弱みと周囲の環境を整理する

SWOT分析は、次の4つの観点から状況を整理する方法です。
・Strengths:強み
・Weaknesses:弱み
・Opportunities:機会
・Threats:脅威
もともとは企業分析などで使われる方法ですが、自己分析にも応用できます。
理系学生の例
・Strengths
情報系の基礎知識がある。Pythonを使ったプログラミング経験がある。
・Weaknesses
複数人での開発経験が少ない。大人数の前で話すことが苦手。
・Opportunities
大学でチーム開発の授業を受けられる。学外の開発イベントにも参加できる。
・Threats
AIの普及により、プログラミングよりもチーム開発スキルを求められる可能性がある。
どこを見る?
4つを書き出した後は、それぞれを組み合わせて考えます。例えば、「Pythonの経験がある」という強みと「チーム開発の授業を受けられる」という機会を組み合わせれば、大学の授業を活用して実践経験を増やすという選択肢が考えられます。
自分の特徴だけでなく、周囲の環境まで含めて考えられるのがSWOT分析の特徴です。
価値観の優先順位付け|仕事で大切にしたいことを整理する

自己分析では、自分の強みだけでなく「何を大切にしたいのか」を整理することも重要です。例えば、仕事に求めるものとして次のような価値観があります。
・専門知識を活かしたい
・新しい技術を学びたい
・社会に役立つ仕事がしたい
・自分のアイデアを形にしたい
・安定した環境で働きたい
・給与や待遇も重視したい
・勤務地を重視したい
・チームで協力して働きたい
・自分の裁量で仕事を進めたい
・ワークライフバランスを大切にしたい
価値観の優先順位付けのやり方
まず、自分が大切にしたいものを5つ程度選びます。次に、その中で順位を付けます。迷った場合は、「どちらか一方しか選べないとしたら、どちらを選ぶか?」と考えると比較しやすくなります。
理系学生の例
1位:新しい技術を学べること
大学で新しい知識を学ぶことが楽しく、社会人になっても成長したいから。
2位:専門知識を活かせること
大学で学んだ機械工学の知識を仕事につなげたいから。
3位:自分のアイデアを形にできること
設計課題で、自分が考えたものが完成したときに達成感があったから。
どこを見る?
順位そのものだけでなく、「なぜそれを大切にしたいのか」まで考えます。また、一度決めた順位が就職活動の途中で変わることもあります。企業説明会やインターンシップなどを経験した後に見直しても問題ありません。
自己分析の結果をどう活かす?
自己分析をした後は、見つかった強みや興味、価値観を就職活動につなげていきます。まず、これまでの分析結果を次の5つに整理してみます。
・自分の強みは何か
・その強みが表れた経験は何か
・どのようなことに興味ややりがいを感じるか
・仕事で何を大切にしたいか
・今後、どのような仕事や企業について調べたいか
自己PRに活かす
自己PRでは、自分の強みと、その強みが表れた具体的な経験を組み合わせます。
例えば、
強み:課題の原因を整理し、改善する力
経験:大学の実験で測定結果にばらつきが出た際、条件を整理して改善した
と整理できていれば、自己PRの土台になります。
ガクチカに活かす
ガクチカでは、経験そのものだけでなく、その中で自分がどのように考え、どのように行動したのかを伝えます。STAR分析で整理した内容は、そのままガクチカを考える材料にもなります。
志望動機に活かす
自己分析で見つかった興味や価値観と、企業の仕事内容や特徴をつなげます。例えば、「試行錯誤しながら改善することが好き」という特徴があれば、実際にどのような職種で改善業務に関われるのかを調べるきっかけになります。
企業・職種選びに活かす
自己分析だけで、自分に向いている企業や職種が決まるわけではありません。「こういう仕事に興味があるかもしれない」「こういう環境の方が力を発揮しやすそう」と仮説を立て、企業研究や職種研究で確かめていくことが大切です。
自己分析と企業研究を行き来しながら、自分に合う選択肢を少しずつ絞っていきましょう。
まとめ
自己分析には、自分史、モチベーショングラフ、STAR分析、他己分析など、さまざまな方法があります。どれか一つの方法だけで自分のすべてがわかるわけではありません。
複数の方法を試し、共通して表れる特徴を探すことで、自分の強みや興味、価値観を整理しやすくなります。理系学生の場合、研究だけでなく、授業、実験、プログラミング、設計課題、アルバイトなども自己分析の材料になります。
自己分析で見つけた特徴は、自己PRやガクチカ、志望動機だけでなく、企業や職種を考える際にも活用してみてください。
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