【理系就活】研究概要書の書き方|学部生・大学院生向けの例文・テンプレートを紹介

  • 研究概要書
  • 30卒
  • 29卒
  • 28卒
  • 研究テーマ
  • ES
  • エントリーシート
  • 理系就活

研究概要書は、理系学生の選考で提出を求められることがある書類です。

一方、学部生の場合は、研究室にまだ配属されていない、研究テーマが未定、研究を始めたばかりといったケースもあります。

今回は、学部生・大学院生それぞれを対象に、研究概要書の基本的な書き方や、研究が十分に進んでいない場合の考え方、状況別の例文・テンプレートを紹介します。

研究概要書とは?

研究概要書とは、自分が取り組んでいる研究について、テーマや背景、目的、方法、結果などを整理した書類です。

 

技術職や研究職を中心に、理系学生の選考で提出を求められることがあります。研究概要書という名前から「研究成果のすごさをアピールする書類」と考えてしまうかもしれませんが、成果だけを書くものではありません。

 

何を目的とした研究なのか、どのような方法で取り組んでいるのか、現在どこまで進んでいるのかなどを、読み手が理解できるように整理することが大切です。

 

また、採用担当者や面接官が、自分と同じ専門分野とは限りません。研究室内で使っている資料や学会向けの文章をそのまま使うのではなく、専門外の人が読んでも研究の全体像を理解できるように説明することを意識します。

 

企業から指定がある場合は指定を優先する

研究概要書には、すべての企業で共通する決まった形式があるわけではありません。

 

「A4用紙1枚」「指定のフォーマットに記入」「〇〇文字以内」など、企業から形式が指定されている場合は、その指示に合わせます。また、「研究テーマが決まっていない場合は〇〇を記載してください」などの案内がある場合もあります。

 

まずは応募先の設問や提出方法を確認することが基本です。

 

研究概要書に書く基本的な内容

企業から細かな指定がない場合は、研究について初めて知る人でも流れを理解できるように整理します。

 

研究テーマ

まずは、何について研究しているのかを簡潔に示します。

正式な研究題目だけでは内容が伝わりにくい場合は、簡単な説明を加える方法もあります。

 

研究の背景・目的

「なぜその研究が必要なのか」「何を明らかにしたいのか」を説明します。

専門的な話から始めるよりも、現在どのような課題があり、その課題に対して何を目指しているのかを順番に書くと伝わりやすくなります。

 

研究方法・取り組んでいること

目的を達成するために、どのような実験、分析、開発、調査などを行っているのかを書きます。

共同研究や研究室全体で取り組んでいるテーマの場合は、研究全体の説明だけでなく、自分がどの部分を担当しているのかも分かるようにします。加えて、研究を進める中で課題が生じた場合は、自分が何を原因と考え、どのような工夫や行動をしたのかまで書くと、自分自身の取り組みが伝わりやすくなります。

 

結果・現在の進捗

すでに結果が出ている場合は、分かったことや得られた成果を書きます。数値で表現できる結果がある場合は、「精度が向上した」だけでなく「従来と比べて〇%向上した」など、具体的な数値を用いることで成果が伝わりやすくなります。

ただし、就活時点では研究が完成していないことも珍しくありません。その場合は無理に成果を作るのではなく、「現在〇〇の条件を比較している」「〇〇まで実験を終えている」など、現在の進捗を書きます。

 

今後の予定

研究途中の場合は、今後どのような実験や検証を行う予定なのかを加えると、研究全体の流れが伝わりやすくなります。

「まだ結果が出ていない」で終わらせず、現在地と次に取り組むことを整理して書きます。

 

学部生は研究の進み具合に合わせて工夫して書こう

理系学部生の場合、就活を始めた時点では研究がまだ本格化していないことも珍しくありません。

 

研究室に配属されていない、研究テーマが決まっていない、研究を始めたばかりといった状態で研究概要書の提出を求められることもあります。そのため、「研究概要書を書けないから応募を諦める」のではなく、まずは今の自分に書ける内容を整理してみましょう。

 

研究テーマが決まっている場合

すでに研究テーマが決まっている場合は、そのテーマについて書くことができます。まだ実験や分析が始まっていなくても、研究の背景や目的、これからどのような方法で進める予定なのかを整理すれば、研究概要書として形にできます。

研究開始前であれば、「現在は関連する論文を読んでいる」「実験に必要な知識を学んでいる」など、現在取り組んでいる準備について書くこともできます。

 

研究テーマがまだ決まっていない場合

研究テーマが未定の場合は、「まだ決まっていない」で終わらせず、現在関心を持っている分野や、今後取り組みたいことを書きます。研究室に配属されている場合は、その研究室で扱っている分野や、自分が興味を持っているテーマについて触れることができます。

まだ研究室に配属されていない場合も、大学で学んでいる専門分野や、興味のある技術・テーマから今後の研究につなげることができます。

 

授業・実験・自主学習も材料にできる

研究内容だけでは余白が多くなってしまう場合は、学生実験、設計演習、プログラミング演習、自主学習などについて触れる方法もあります。

例えば、「授業で〇〇を学んだ」「学生実験で〇〇を経験した」で終わらせず、「研究ではその経験を活かして〇〇に取り組みたい」とつなげることで、現在の学びと今後の研究を一つの流れとして伝えられます。

 

研究概要書は、研究の進み具合によってさまざまな書き方ができます。白紙で提出したり、研究が始まっていないことを理由に応募を諦めたりする前に、今の自分にある材料からどのように組み立てられるかを考えてみましょう。

 

研究状況別|研究概要書の例文・テンプレート

ここでは、理系学部生・大学院生それぞれの状況に合わせた研究概要書の例文とテンプレートを紹介します。そのまま使うのではなく、自分の研究分野や現在の進捗に合わせて内容を置き換えて活用してください。

 

学部生|研究室配属前・研究テーマ未定の場合

研究室にまだ配属されていない場合は、現在学んでいることや興味のある分野、今後研究で取り組みたいことを中心に組み立てます。

 

【例文】

「現在は研究室配属前のため、卒業研究には着手していません。大学では機械工学を専攻し、材料力学、熱力学、機械設計などを学んでいます。特に、機械の振動や騒音を抑える技術に関心があり、授業では振動解析の基礎について学びました。今後の研究では、これまで学んだ力学の知識を活かしながら、機械設備の振動低減や状態把握に関するテーマに取り組みたいと考えています。」

 

【テンプレート】

現在は研究室配属前のため、卒業研究には着手していません。大学では【専攻分野】を専攻し、【授業・実験などで学んでいる内容】について学んでいます。特に【興味を持っている分野・技術】に関心があり、【これまでに学んだこと・取り組んだこと】を通じて理解を深めています。今後の研究では、これらの知識や経験を活かしながら、【取り組みたい研究分野・テーマ】に取り組みたいと考えています。

 

学部生|研究テーマは決まっているが、まだ研究が始まっていない場合

研究テーマが決まっていれば、まだ実験や分析を始めていなくても、背景・目的・予定している方法を中心に書くことができます。

 

【例文】

「卒業研究では、リチウムイオン電池の劣化状態を推定する方法について研究する予定です。電池は使用を重ねることで性能が低下するため、安全かつ効率的に利用するには劣化状態を把握することが重要です。現在は関連する論文を読みながら、電池の充放電特性や劣化要因について学んでいます。今後は充放電時に得られるデータを分析し、電池を分解せずに劣化状態を推定できる方法について検討する予定です。」

 

【テンプレート】

卒業研究では、【研究テーマ】について研究する予定です。【研究対象に関する課題・背景】という課題があり、【研究によって明らかにしたいこと・実現したいこと】を目的としています。現在は【論文調査・基礎学習・実験準備など】を進めています。今後は【予定している実験・分析・開発方法】を行い、【検証したいこと・目指す状態】について検討する予定です。

 

学部生|卒業研究が進行中の場合

研究が始まっている場合は、背景・目的・方法に加えて、現在までの進捗と今後の予定を書きます。

 

【例文】

「私は、植物の生育環境と葉の成長速度の関係について研究しています。農作物を安定して生産するためには、温度や光などの環境条件が成長に与える影響を把握することが重要です。現在は異なる光量の環境で植物を育て、葉の大きさや成長速度を定期的に測定しています。これまでの測定では、光量によって成長速度に違いが見られており、条件によって最大〇%の差を確認しています。今後は温度条件も変えながら比較し、植物の生育に適した環境条件について考察する予定です。」

 

【テンプレート】

私は、【研究テーマ】について研究しています。【研究の背景となる課題】という背景から、【研究の目的】を明らかにすることを目的としています。現在は【実験・分析・開発などの方法】を用いて、【現在取り組んでいること】を進めています。これまでに【数値を含む現時点で分かっていること・進捗】が確認されています。今後は【今後行うこと】を進め、【最終的に明らかにしたいこと】について検討する予定です。

 

大学院生(修士・博士)|研究が進行している場合

大学院生は、修士課程のM1・M2や博士課程など研究段階によって進捗は異なりますが、研究の概要だけでなく、自分がどのような課題に取り組み、どのように考えて研究を進めているのかまで示すことで、自分自身の取り組みが伝わりやすくなります。

 

【例文】

「私は、河川に設置された橋脚周辺で発生する局所的な地盤の侵食について研究しています。豪雨などで河川の流量が増えると、橋脚周辺の土砂が流され、構造物の安定性に影響する可能性があります。そこで、水流の速度や橋脚形状によって侵食の進み方がどのように変化するのかを実験しています。当初は測定ごとのばらつきが大きいことが課題でした。私は、水流条件と測定位置の違いが原因の一つではないかと考え、条件を統一した上で複数回測定し、再現性を確認しながら実験方法を見直しました。現在は複数条件でデータを取得し、侵食量との関係を分析しています。今後は結果を比較し、侵食を抑えやすい条件について考察する予定です。」

 

【テンプレート】

私は、【研究テーマ】について研究しています。【社会・技術・研究上の課題】という背景から、【研究の目的】を明らかにすることを目指しています。研究では【実験・解析・開発などの方法】を用いて、【具体的な検証内容】に取り組んでいます。研究を進める中で【直面した課題】があり、私は【自分が考えた原因・仮説】をもとに【工夫・改善したこと】を行いました。現在は【数値を含む得られている結果・現在の進捗】まで進んでいます。今後は【今後の研究内容】を進め、【最終的に明らかにしたいこと・研究の意義】につなげる予定です。

 

テンプレートは自分の状況に合わせて変えて良い

研究概要書には、すべての学生に共通する一つの正解があるわけではありません。特に学部生は、研究室配属前、テーマ決定直後、研究途中など、就活時点の状況によって書ける内容が大きく異なります。

 

研究がまだ始まっていない場合は「現在学んでいること→興味のある分野→研究で取り組みたいこと」、研究が始まっている場合は「背景・目的→方法→進捗→今後の予定」のように、自分の状況に合わせて組み立てます。

 

研究概要書を書くときの注意点

研究内容が整理できたら、読み手に伝わる資料になっているかも確認します。

 

修士・博士など大学院生は研究内容を詰め込みすぎない

大学院生の場合、修士課程のM1・M2や博士課程など、学年や研究段階によって研究の進み具合は異なります。研究期間が長くなるほど、実験条件や分析方法、研究結果など、多くの情報を書けるケースがあります。一方で、情報を詰め込みすぎると、研究の目的や重要なポイントが伝わりにくくなります。

まず「何を解決するための研究なのか」を示し、その後に方法や結果を説明するなど、研究の全体像から伝えることを意識します。また、その中で自分がどの部分を担当し、どのように考えて取り組んだのかが分かるようにすることも大切です。

 

数値で表現できるところは具体的に示す

研究結果や進捗を数値で表現できる場合は、できるだけ具体的に示します。

例えば、「精度が向上した」「多くのデータを取得した」とするだけでなく、「従来手法と比べて精度が20%向上した」「100件のデータを取得した」などと書くことで、成果や規模が伝わりやすくなります。

 

自分の考えや行動が分かるようにする

研究概要書が、研究内容や実験結果の説明だけにならないよう注意します。

例えば、想定した結果が得られなかった場合も、「結果が出なかった」で終わらせず、何が原因だと考えたのか、その仮説をもとにどのような条件変更や追加実験を行ったのかまで書くことで、自分の考え方や研究への向き合い方が伝わります。

研究室全体の取り組みと、自分自身が考えて行動したことを区別して整理することも大切です。

 

専門用語を使いすぎない

研究概要書を読む人が、その研究分野の専門家とは限りません。専門用語を完全になくす必要はありませんが、その言葉を知らない人でも大まかな意味を理解できるように補足します。

例えば、手法の正式名称を書くことだけを目的にせず、「何を調べるための方法なのか」まで説明すると理解しやすくなります。

 

結果が出ていなくても誇張しない

研究途中の場合、成果が少ないことを不安に感じるかもしれません。

しかし、まだ確認できていない内容を成果として書いたり、今後行う予定のことを実施済みのように書いたりするのは避けます。「実施済み」「現在取り組んでいること」「今後の予定」を分けて書けば、研究途中でも現在の状況を伝えられます。

 

図やグラフは分かりやすさを優先する

自由形式で作成できる場合は、研究内容に応じて図やグラフを使うことで理解しやすくなることがあります。

ただし、論文や研究発表で使用した図をそのまま大量に載せる必要はありません。研究の流れや結果を理解するために必要なものを選び、何を示している図なのかが分かるようにします。

 

研究室内の資料をそのまま使わない

研究室内では当たり前に使っている専門用語や前提知識も、採用担当者には伝わらない場合があります。

完成後は、自分の研究分野を詳しく知らない友人などに読んでもらい、「何を研究しているのか分かるか」を確認する方法もあります。

 

面接で聞かれることも想定しておく

研究概要書に書いた内容は、面接で質問されることがあります。「なぜこのテーマに取り組んでいるのか」「なぜこの方法を選んだのか」「研究で苦労したことは何か」など、記載した内容について自分の言葉で説明できるようにしておきます。

学部生で研究開始前の場合も、「なぜその分野に興味を持っているのか」「これまで何を学んできたのか」などを整理しておくと対応しやすくなります。

 

外部に出してよい情報か確認する

共同研究や企業との研究、未発表の研究成果などには、外部への公開を制限されている情報が含まれる場合があります。

判断に迷う場合は、研究概要書を提出する前に指導教員などへ確認します。

 

まとめ

研究概要書では、研究テーマや成果だけでなく、研究の背景・目的・方法・現在の進捗などを、専門外の人にも分かるように整理することが大切です。

 

大学院生は研究内容や成果を詰め込みすぎず、研究の全体像と自分が取り組んだ部分が伝わるようにします。数値で示せる成果は具体的に示し、研究の中で自分が何を考え、どのように行動したのかも整理します。

 

一方、理系学部生は研究室に未配属だったり、研究テーマが決まっていなかったり、研究を始めたばかりだったりすることもあります。

その場合も白紙で提出したり、研究概要書を出せないことを理由に応募を諦めたりするのではなく、研究テーマが決まっていればその内容を、未定であれば今後取り組みたいことを、必要に応じて授業・実験・自主学習なども組み合わせながら整理してみましょう。

 

研究の進み具合に合わせて書き方を工夫し、自分の現在地とこれから取り組みたいことを分かりやすく伝えることが重要です。

 

■関連情報

・頻出の面接質問集も配布中!逆求人型の就活サイト「リケイマッチ」

・理系就活の情報をYouTubeやInstagramで発信中!

 

【理系就活】研究内容を面接で質問された時のOK・NG例

【理系就活】面接で実験内容を質問された時のOK・NG例