【理系就活】民間企業以外の就職先とは?技術系公務員・研究機関・国公立大学の仕事を紹介

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理系学生の就職先は、メーカーやIT企業などの民間企業だけではありません。技術系公務員や研究機関、国公立大学などにも、理系の知識を活かせる仕事があります。本記事では、民間企業以外にはどのような仕事や就職先があるのか、具体的な組織例とあわせて紹介します。

理系学生が目指せる民間企業以外の就職先

理系学生の就職先としては、メーカーの研究開発・設計・生産技術や、IT企業のエンジニア・データサイエンティストなどがよく知られています。

 

一方、大学で学んだ知識を活かせる仕事は、民間企業以外にもあります。例えば、国や自治体でインフラ整備や行政DXに携わる技術系公務員、科学技術の研究を行う研究機関、大学の研究環境を支える技術職員などです。

 

主な就職先

・国家公務員・地方公務員

国や自治体で、道路・河川などのインフラ、公共施設、防災、環境、情報システム、農業などに関わります。

・国立研究開発法人

宇宙、材料、AI、生命科学、エネルギーなどの研究開発や、それを技術面から支える仕事があります。

・研究開発を支援する法人

大学や企業による研究開発を、資金提供やプロジェクト運営、産学連携などを通して支援します。

・国公立大学

実験・研究の支援、研究設備や情報システムの管理、大学施設の運用などを担当する仕事があります。

・その他の公的機関

医薬品・医療機器の審査、企業への技術支援、製品の試験・分析など、特定分野の専門性が関係する仕事もあります。

 

なお、公的な組織で働く人がすべて公務員というわけではありません。国立研究開発法人や国立大学法人などでは、それぞれの法人に雇用される職員として働きます。

 

国家公務員・地方公務員の技術職

公務員には、行政事務を中心とする仕事だけでなく、理系の専門知識を活かして働く技術系の仕事があります。国家公務員の一般職では、デジタル・電気・電子、機械、土木、建築、物理、化学、農学、農業農村工学、林学などの技術系区分が設けられています。

 

国家公務員の技術職

国家公務員の技術系職員は、国全体に関わる政策や制度、社会インフラ、科学技術などに専門的な立場から関わります。

 

・国土交通省

道路、河川、港湾、空港などのインフラ整備や防災、都市・建築などに関する仕事があります。土木・建築だけでなく、機械や電気電子などの知識が関係する業務もあります。

・経済産業省

産業政策、エネルギー政策、技術開発の促進などに携わります。機械、電気電子、情報、化学など幅広い技術分野と関係があります。

・気象庁

気象、地震、火山などの観測・予測や、防災情報の提供を行います。物理、数学、情報などの知識が関係する仕事があります。

・農林水産省

農業、森林、水産業、食品安全、農業インフラなどに関する仕事があります。農学、生物、化学、土木など幅広い分野と関係します。

・環境省

気候変動、自然環境、廃棄物、化学物質などに関する政策や調査に携わります。

 

技術系公務員の仕事は、製品の設計や研究だけではありません。専門知識を活かして制度を考える、技術的な基準を検討する、公共事業を管理するなど、行政の立場から技術に関わる仕事があります。

 

地方公務員の技術職

地方公務員の技術職は、都道府県や市区町村などで地域のインフラや公共サービスを支えます。例えば、東京都庁や神奈川県庁などの都道府県、大阪市役所や横浜市役所などの市区町村でも技術職の採用があります。

 

土木系では道路・橋梁・上下水道などの整備、機械・電気電子系では公共施設や水道施設などの設備管理、情報系では行政システムやDX、化学系では水質や大気などの環境分野に関わる仕事があります。

 

農学系では農業技術の普及や地域農業の支援、林学系では森林管理などに携わる場合もあります。同じ専攻でも、民間企業とは異なる形で専門知識を活かせる仕事があります。

 

研究機関・研究開発を支援する法人

科学技術に関わる仕事には、民間企業の研究開発部門とは異なる選択肢もあります。国立研究開発法人では、さまざまな科学技術分野の研究開発や、それを支える業務が行われています。

 

研究開発を行う機関

・宇宙航空研究開発機構(JAXA)

人工衛星、ロケット、宇宙探査、航空技術などに関わる組織です。機械、電気電子、情報、通信、制御、材料など、さまざまな理系分野と関係する仕事があります。

・産業技術総合研究所(産総研)

AI、ロボット、エネルギー、材料、計測、生命科学など、幅広い産業技術の研究開発を行っています。研究職のほか、研究開発の現場を支える技術職や、組織運営を担う職員も働いています。

・理化学研究所(理研)

物理、化学、生命科学、情報・計算科学など、幅広い自然科学分野の研究を行っています。

・物質・材料研究機構(NIMS)

金属、半導体、電池、電子材料など、物質・材料分野を中心に研究開発を行っています。材料、化学、物理、電気電子などを学ぶ学生とも関係の深い研究機関です。

 

研究開発を支援する機関

研究そのものを行うだけでなく、大学や企業の研究開発を支える仕事もあります。

 

・新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)

エネルギー、環境、AI・ロボット、材料などの研究開発プロジェクトを支援しています。大学や企業などが取り組む研究開発について、プロジェクトの企画、進捗管理、評価、社会実装に向けた支援などを行います。

・科学技術振興機構(JST)

大学や研究機関の研究開発支援、研究成果の社会への活用、科学技術人材の育成などに取り組んでいます。

 

理系の知識を活かす仕事というと、自分自身が研究や開発を行う仕事を想像しやすいですが、研究設備を支えたり、研究開発プロジェクトを動かしたりする仕事もあります。

 

国公立大学・その他の公的機関

大学や地域の技術支援機関、医薬・医療分野などにも、理系の知識を活かせる仕事があります。

 

国公立大学

東京大学、東京科学大学、京都大学、東北大学、東京都立大学、大阪公立大学などの国公立大学では、教員や研究者だけでなく、教育・研究を支える職員も働いています。

 

例えば、実験装置や研究設備の管理、学生実験の支援、試料の分析、大学内のネットワークやシステムの運用、研究棟などの施設・設備管理といった仕事があります。機械、電気電子、情報、化学、生物、建築など、さまざまな分野の知識が関係します。

 

地域の企業や産業を支える機関

地域の企業を技術面から支える公的機関もあります。例えば、東京都立産業技術研究センターでは、製品の試験・分析、技術相談、研究開発などを通して企業のものづくりを支援しています。

 

各地域にも、工業技術センター、産業技術センター、農業試験場、食品技術センターなどの公設試験研究機関があります。機械、電気電子、情報、材料、化学、食品、農学など、地域や機関によってさまざまな専門分野が関係します。

 

医薬品・医療に関わる機関

医薬品や医療機器、医療研究などに関わる公的機関もあります。

 

例えば、医薬品医療機器総合機構(PMDA)では医薬品や医療機器などの審査・安全対策、国立医薬品食品衛生研究所では医薬品や食品などの品質・安全性に関する試験・研究、日本医療研究開発機構(AMED)では大学や企業などが行う医療分野の研究開発支援を行っています。

 

薬学だけでなく、生物、化学、医療機器に関係する工学分野など、さまざまな専門知識が関係する仕事があります。

 

このように、身近な企業名だけを見ていると気づきにくい仕事もあります。興味のある技術や分野がある場合は、民間企業だけでなく、大学や行政、公的機関ではどのような仕事があるのかまで広げて調べることで、新しい選択肢が見つかることもあります。

 

民間企業と比べたメリット・デメリット

公務員や公的機関には、民間企業とは異なる特徴があります。ただし、仕事内容や給与、勤務地、働き方は組織や職種によって大きく異なります。ここでは、すべてに当てはまるものではなく、全体的な傾向として紹介します。

 

メリットとして考えられる点

・公共性の高い仕事に関われる

道路、防災、環境、科学技術など、社会全体や地域に関わる仕事があります。一つの商品やサービスだけではなく、制度や社会インフラなどを通して広く社会に関わる仕事ができる場合があります。

・長期的なテーマに関われる

基礎研究、大型インフラ、エネルギー、環境など、長い期間をかけて取り組むテーマを扱う組織があります。短期間で成果を出すことだけではなく、中長期的な視点で取り組む仕事に興味がある学生にとっては、一つの選択肢になります。

・民間企業とは異なる立場から技術に関われる

企業で製品やサービスをつくるだけでなく、行政として制度や基準をつくる、研究開発を支援する、地域企業へ技術支援を行うなど、異なる立場から科学技術に関わることができます。

・給与や勤務制度を確認しやすい場合がある

公務員では給与や勤務条件が法律・条例などに基づいて定められています。公的法人でも給与規程や休暇制度などを公開している場合があり、応募前に条件を確認できます。

 

デメリットとして考えられる点

・希望する分野だけを担当し続けるとは限らない

公務員や総合職では、異動によって担当する部署や仕事内容が変わる場合があります。専門分野に近い仕事から別の業務へ移ることもあるため、専門性を一つの領域で深めたい場合には、配属や異動の仕組みも確認しておきたいポイントです。

・成果が給与へ直接反映されにくい場合がある

公務員や公的法人でも、人事評価が昇給や賞与などに反映される場合があります。一方、民間企業の一部に見られるような成果連動型の給与体系とは異なり、給与制度や評価の反映方法があらかじめ定められている組織も多くあります。

・制度や関係者との調整が多い仕事もある

行政機関や公的法人では、予算、法律、制度、関係機関などとの調整をしながら仕事を進める場面があります。スピード感を持って自分たちだけで意思決定できる仕事とは、進め方が異なる場合があります。

・研究機関では任期付きの募集もある

研究機関で働く職員がすべて無期雇用とは限りません。特に研究職などでは任期付きで募集されるケースもあるため、応募する際には雇用期間や契約条件の確認が必要です。

 

民間企業とは違う仕事の選択肢として考える

民間企業にも、社会インフラ、環境、医療、研究開発など、公共性の高い仕事は数多くあります。一方、公務員や公的機関にも、技術開発に近い仕事から企画・調整を中心とする仕事までさまざまな仕事があります。

 

組織の種類だけで比べるのではなく、「どのような仕事をするのか」「自分はどのような立場で技術に関わりたいのか」という視点で見ていくと、それぞれの違いが分かりやすくなります。

 

採用方法と就職活動

民間企業以外の就職先では、組織によって採用方法も異なります。

 

国家公務員

国家公務員では、人事院が実施する採用試験を受験し、志望する府省の官庁訪問などを経て採用されるルートがあります。

試験区分や採用までの流れは、総合職・一般職などの区分や年度によって異なるため、最新の採用情報を確認する必要があります。

 

地方公務員

地方公務員では、都道府県や市区町村などがそれぞれ採用試験を実施します。

技術職の募集区分や試験内容は自治体によって異なります。従来型の専門試験を実施する自治体だけでなく、SPIなどの適性検査を取り入れた採用を行う自治体もあります。

 

国立研究開発法人・独立行政法人

法人ごとに採用選考を行うことが一般的です。公務員試験が必要とは限らず、エントリーシート、適性検査、面接などを通して採用する法人もあります。

例えば、JSTでは入職にあたって公務員試験を受ける必要がないことを案内しています。研究職では、修士・博士などの学位や研究実績を応募条件とする募集もあります。一方、総合職や一部の技術職など、学部卒から応募できる仕事もあります。

 

国公立大学

国立大学法人では、地区ごとの国立大学法人等職員採用試験を利用する場合があります。

一方、大学や技術職の分野によって独自採用が行われることもあります。公立大学についても、大学や運営する法人によって採用方法は異なります。

 

民間企業との併願もできる

民間企業、公務員、公的な法人などを並行して検討することもできます。ただし、公務員試験の勉強が必要になる場合や、それぞれ採用時期が異なる場合があります。

 

少しでも興味のある仕事があれば、募集時期や試験内容、応募資格を確認しながら、民間企業も含めて比較してみると自分に合う仕事を見つけやすくなります。

 

まとめ

理系学生の就職先には、メーカーやIT企業などの民間企業に加えて、技術系公務員、研究機関、研究開発を支援する法人、国公立大学などがあります。

 

同じ専門分野でも、製品をつくる、制度をつくる、研究する、研究を支えるなど、関わり方はさまざまです。幅広い仕事を知ったうえで、自分の興味や専門性に合う進路を考えてみてください。

 

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