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2026年4月11日(更新:2026年4月11日)
理系就活における自己PRは、エントリーシート(ES)で頻出する重要項目です。
研究や実験だけに限らず、アルバイトや部活・サークルなどの課外活動も含め、自分の強みや考え方が伝わるテーマを選ぶことが重要です。題材の種類よりも、「その経験の中で何を考え、どう行動したか」が評価につながります。
この記事では、理系就活生向けに、自己PRの考え方・構成・具体例まで整理していきます。
自己PRとは何か
自己PRは、単に「自分の良いところ」を書くものではありません。
企業が見ているのは、どのような強みを持ち、どのように行動し、それを仕事で活かせるかです。
つまり自己PRは、
・強み
・その根拠となる経験
・仕事へのつながり
この3つをセットで伝えるものです。
特に理系の場合は、「どう考えて行動したか」まで言語化できているかが重要になります。
「長所」と「自己PR」の違い
似ているようで、自己PRと長所は少し異なります。
長所は、「責任感がある」「粘り強い」などの性格的な特徴です。
一方で自己PRは、それをもとに、企業でどう活かせるかまで含めて伝えるものです。
たとえば、
・長所:几帳面である
・自己PR:実験条件の記録を徹底し、再現性改善につなげた。その姿勢は品質管理にも活かせる
このように、「行動」と「活かし方」が入ることで自己PRになります。
理系の自己PRで見られていること
理系の自己PRでは、派手な成果よりも、次のような点が見られています。
・課題をどう捉えるか
・仮説を立てて改善できるか
・実行に移すことができるか
・周囲と連携できるか
・仕事でも再現できそうか
理系学生は実験や研究活動を通じてすでにこのプロセスが身についていても、言語化できていないケースが多いのも実情です。
そのため自己PRでは、「何をやったか」よりも「どうやったか」が重要になります。
自己PRの基本構成
自己PRは、以下の流れで書くと整理しやすくなります。
① 結論(強み)
② エピソード(課題・背景)
③ 行動(思考と工夫)
④ 結果(数値や変化)
⑤ 活かし方(仕事との接続)
この構成が重要なのは、読み手である企業側が「この人はどのように課題を解決するのか」をイメージしやすくなるためです。
特に③の行動(思考と工夫)は、書き方だけでも差がつきやすいポイントです。
多くのESでは、
・頑張った
・工夫した
・試行錯誤した
といった抽象表現で終わってしまうことが多く、「具体的に何をしたのか」が見えません。
一方で、
・どんな選択肢があり
・なぜその方法を選び
・どのように実行したのか
まで書けていると、「再現性のある強み」として評価されやすくなります。
企業は、同じような状況に直面したときに、あなたがどのように考えて動くのかを知りたいと考えています。そのため、行動の具体性がそのまま評価の差につながります。
自己PRのOK例・NG例
まずは、よくあるNG例から見ていきます。
<NG例>
私の強みは粘り強さです。大学では実験がうまくいかないことも多くありましたが、諦めずに何度も取り組みました。その結果、最終的には納得のいく結果を出すことができました。この粘り強さを入社後も活かしたいです。
■なぜ評価されにくいのか
この書き方だと、以下が見えません。
・どんな実験や課題だったのか
・何を考えて行動したのか
・どの程度改善したのか
「頑張ったこと」は伝わりますが、仕事で活かせる強みとしての再現性が判断できない状態です。
<OK例>
私の強みは、課題に対して原因を分解し改善につなげる力です。有機化学の実験で収率が安定しない課題がありました。原因を特定するため、反応温度・触媒量・攪拌時間の3要素に分解し、段階的に条件を変えて検証しました。その結果、触媒量と攪拌時間の影響が大きいと分かり、条件を最適化することで収率を60%前後から75%程度まで改善することができました。このように原因を分解し改善につなげる力は、品質改善や製造プロセスの最適化にも活かせると考えています。
テーマ別|自己PR例 4選
ここからは、実際に評価されやすい自己PRの例をテーマ別に紹介します。いずれも、具体性・思考・数値を意識した内容です。
・実験をテーマにした自己PR
私の強みは、実験結果をもとに設計条件を整理し、最適化につなげる力です。機械材料の引張試験において、試験片の形状や加工条件によって引張強度が480〜560MPaとばらつくことが課題でした。原因を明確にするため、試験片の断面形状・切削条件・表面粗さの3要素に着目し、それぞれを段階的に変更しながら検証しました。計24パターンの条件で比較した結果、断面形状と表面粗さの組み合わせが応力集中に影響し、強度低下を引き起こしていることを特定しました。この結果をもとに、応力集中が起きにくい形状と加工条件を整理し、強度を520MPa以上で安定させる設計指針をまとめました。このように実験結果から設計に落とし込む力は、製品設計においても活かせると考えています。
・研究をテーマにした自己PR
私の強みは、仮説検証を繰り返しながら性能を改善する力です。卒業研究では、PythonとTensorFlowを用いた画像分類モデルの精度向上に取り組みましたが、初期の正答率は68%でした。原因を分析した結果、データの偏りと過学習が影響していると考え、データ拡張とDropoutの導入を行いました。また、学習率の調整も行いながら検証を繰り返しました。その結果、正答率を82%まで向上させることができました。このようにデータに基づいて改善を進める力は、開発やデータ分析業務でも活かせると考えています。
・アルバイト(カフェ)をテーマにした自己PR
私の強みは、顧客の状況を踏まえて周囲と連携し、満足度向上につなげる力です。カフェのアルバイトで、平日朝のテイクアウトが多い時間帯では提供までに5分前後かかってしまい、注文前に列を離れるお客様が1時間あたり平均3組ほど発生していました。そこで、レジ対応時に急いでいる様子のお客様には提供時間の目安を伝えるようにしました。また、提供を急ぐ注文については、ドリンク担当に一言添えて共有し、手が空いているスタッフがカップ準備や受け渡しを補助するようにしました。その結果、ピーク時の離脱数を1時間あたり1組程度に抑えることができ、「時間が読めて助かりました」といった声をいただく機会も増えました。このように、顧客と周囲の双方に働きかけながら価値を高める力は、チームで進める業務においても活かせると考えています。
・部活動(学生フォーミュラ)をテーマにした自己PR
私の強みは、技術的な課題を数値で捉え、改善に落とし込む力です。学生フォーミュラでは、車両重量が200kgの規定に対して195kgと余裕がなく、加速性能が課題でした。各パーツの重量を分析し、影響度を整理した結果、フレームとサスペンションの軽量化が有効だと判断しました。フレーム材をスチールからアルミ合金に変更し、構造を見直すことで約12kgの軽量化を実現しました。その結果、加速タイムを前年比で約8%短縮しました。このように課題を数値で捉え改善につなげる力は、設計・開発業務でも活かせると考えています。
共通しているポイント
上記の自己PR例に共通しているのは、以下の3点です。
・何を扱っているかが具体的に分かる
・自分なりの思考と行動が入っている
・結果が数値で示されている
この3つが揃うと、読み手は「この人はどう課題を解くのか」をイメージできます。単に「頑張った人」ではなく、仕事でも同じように再現できそうかという観点で評価されやすくなります。
特に理系の場合、結果そのものよりも、どのように考え、どのように改善してきたかが重視される傾向にあります。そのため、同じテーマであっても、「切り口」と「具体性」によって印象は大きく変わります。
ただし、1つ注意点があります。
ここで紹介した例文をそのまま真似すれば選考に通過する、というわけではありません。
最近は就活に役立つ情報が広く公開されており、例文も多く出回っています。さらに、生成AIによる作成や添削も気軽にできるようになりました。その結果、ES全体のレベルは上がっており、型に沿っているだけの自己PRは埋もれやすくなっています。
たとえば同じ「研究」であっても、
・どの課題に着目したのか
・その課題に関心をもった原体験
・大学や高校、それまでに取り組んできたこととの関連
・なぜその仮説を立てたのか
・どこにこだわって改善したのか
など、どこに違和感を持ち、どう考え、どう行動したかは一人ひとり違います。そして、その違いこそが自己PRの価値になります。
企業が見ているのも、「すごい経験かどうか」ではなく、その人がどのように課題に向き合うのかです。だからこそ、例文をなぞるだけでなく、自分自身の経験の中にある思考や判断のプロセスを言語化することが重要です。
まとめ
理系の自己PRで重要なのは、「何をやったか」よりも「どうやったか」です。
・結論から書く
・行動と思考を具体化する
・数値で結果を示す
・仕事へのつながりまで書く
この流れを押さえることで、自己PRの質は大きく変わります。
ただし、型に当てはめるだけでは、他の就活生との差はつきません。重要なのは、自分ならではの思考や判断が入っているかです。理系の経験は、研究でも実験でもアルバイトでも、伝え方次第で十分に評価されます。
まずは、純粋に自分の経験を振り返ることから始めてみてください。その中で、「どのように考え、なぜその行動を選んだのか」まで言語化することが重要です。そこまで整理できると、単なる自己PRではなく、自分の強みが伝わる内容に変わっていきます。
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