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- 自社開発
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2026年5月24日(更新:2026年5月24日)
IT業界やソフトウェア開発に関わる企業を見ていると、「自社開発」「受託開発」「SES」「技術派遣」といった言葉を目にすることがあります。
どれもエンジニアとして開発に関わる仕事ですが、開発への関わり方や働く場所、担当する工程には違いがあります。この記事では、ITエンジニア志望の就活生向けに、自社開発・受託開発・SES/技術派遣の基本的な違いを整理します。
自社開発・受託開発・SES/技術派遣の違い
IT業界の企業を調べていると、自社開発、受託開発、SES、技術派遣といった言葉を見かけることがあります。いずれもエンジニアとしてシステムやサービスの開発に関わる働き方ですが、開発する対象や仕事の進め方には違いがあります。
・自社開発
自社開発は、自社のサービスや製品を企画・開発・運用していく働き方です。自社の事業として開発を行うため、リリース後の改善や機能追加などに継続して関わることもあります。
・受託開発
受託開発は、顧客企業から依頼を受けて、システムやアプリ、Webサービスなどを開発する働き方です。顧客の要望や課題をもとに、必要な機能を整理し、設計・開発・テストなどを進めていきます。
・SES/技術派遣
SES/技術派遣は、顧客先のプロジェクトに入り、開発やテスト、保守運用などを担当する働き方です。所属する会社の社員として働きながら、実際の業務は顧客先で行うケースが多くなります。
大まかに整理すると、自社開発は「自社サービスや自社製品を開発する」、受託開発は「顧客から依頼されたシステムを開発する」、SES/技術派遣は「顧客先のプロジェクトに入って業務を担当する」という違いがあります。
そして、実際の仕事内容は企業ごとに異なります。同じ自社開発でも、企画から運用改善まで幅広く関わる場合もあれば、一部の機能開発を担当する場合もあります。受託開発やSES/技術派遣でも、担当する工程や関われる技術領域は企業や案件によって変わります。
そのため、開発形態の違いを理解したうえで、気になる企業については、入社後にどのような開発に関わるのかを1社ずつ確認していくことが大切です。
自社開発とは
自社開発とは、自社でサービスや製品を企画し、開発・運用・改善まで行う働き方です。たとえば、次のようなサービスや製品を自社の事業として開発している企業が該当します。
・Webサービス
・スマートフォンアプリ
・SaaS
・業務支援システム
・自社製品に組み込まれるソフトウェア
自社開発の特徴は、サービスを作って終わりではなく、リリース後の改善や機能追加にも継続して関わることがある点です。ユーザーの反応や利用状況を見ながら、より使いやすいサービスにしていくことも重要な仕事になります。そのため、1つのサービスやプロダクトに長く関わりやすい点は、自社開発ならではの特徴です。
また、自社内で開発を行うことが多いため、企画、デザイン、営業、マーケティング、カスタマーサポートなど、他職種と連携しながら仕事を進めることもあります。技術だけでなく、ユーザーや事業への理解が求められる場面もあります。
一方で、自社開発だからといって、必ず企画から幅広く関われるとは限りません。たとえば、大規模な開発組織では、特定の機能や一部の領域を担当することがあります。反対に、少人数の開発組織では、開発だけでなく、運用、障害対応、問い合わせ対応など、幅広い業務を担当することもあります。
また、自社サービスは事業の状況に影響を受けます。事業方針の変更、サービスの終了、新規事業への転換などによって、担当する開発内容が変わる可能性もあります。
■確認しておきたいポイント
・どのようなサービスやプロダクトを開発しているのか
・新卒社員はどのような業務から始めるのか
・開発組織の規模や役割分担はどうなっているのか
・事業やサービスの方向性はどのように変化しているのか
自社開発は、自社サービスに長く関わりながら改善を重ねられる可能性がある一方で、企業によって担当範囲や働き方は異なります。だからこそ、「自社開発」という言葉だけでなく、入社後の開発における関わり方まで確認することが重要です。
■企業例
自社開発の企業例としては、サイバーエージェント、メルカリ、マネーフォワード、ZOZOなどが挙げられます。
たとえば、サイバーエージェントはABEMAやAmebaなどのサービス、マネーフォワードは会計・人事労務などのクラウドサービス、ZOZOはファッションECサービスなどを展開しています。自社のサービスやプロダクトを継続的に開発・改善していく企業は、自社開発のイメージを持ちやすい例です。
受託開発とは
受託開発とは、顧客企業から依頼を受けて、サービスやシステムなどを開発する働き方です。自社開発が自社の事業に関わる開発であるのに対し、受託開発では顧客から依頼された開発を行います。
受託開発では、顧客の課題や要望をもとに、必要なシステムを形にしていきます。そのため、プログラミングだけでなく、要件の整理、設計、テスト、納品後の保守など、開発全体の流れに関われる場合があります。
特に、顧客から直接依頼を受ける一次請けに近い企業では、要件定義や設計などの上流工程に関われる可能性があります。一方で、二次請け以降の場合は、別の会社が決めた仕様に沿って、開発やテストを担当するケースもあります。
また、受託開発は顧客から依頼を受けて進める仕事のため、納期や仕様変更の影響を受けやすい面もあります。
■確認しておきたいポイント
・どの業界の案件が多いのか
・一次請けに近い案件が多いのか
・要件定義や設計から関われるのか
・新卒社員はどの工程から担当することが多いのか
受託開発は、さまざまな業界やシステムに関わりながら、開発の流れを学びやすい働き方です。ただし、実際にどのような経験を積めるかは、企業の立ち位置や案件内容によって変わります。
■企業例
受託開発の企業例としては、NTTデータ、SCSK、TIS、メンバーズなどが挙げられます。
これらの企業は、顧客企業のシステム開発やIT基盤構築、業務システムの開発などに関わることがあります。ただし、同じ企業の中でも事業領域は幅広いため、受託開発だけでなく、自社サービスやITコンサルティングなどを行っている場合もあります。
SES/技術派遣とは
SESや技術派遣は、所属会社に雇用されながら、顧客先に常駐して開発に取り組む働き方です。受託開発が自社側で開発を引き受けることに対し、SES/技術派遣では顧客先のプロジェクトに入って業務を行う点に違いがあります。
SESと技術派遣はまとめて語られることもありますが、厳密には契約形態が異なります。大まかにいうと、技術派遣は派遣先企業の指揮命令を受けて働く形であり、SESは所属会社が契約した業務に対して技術力を提供する形です。
担当する領域は企業や配属される案件によってさまざまです。また、プロジェクトが変わることで、勤務地、チーム、使用技術、業務内容が変わることもあります。
また、エンジニアとしてどのような成長を描けるのかも、企業によって異なります。テストから入り、徐々にプログラミングや設計へ役割を広げられるケースもあれば、目の前の案件対応が中心となり、次の成長ステップが見えにくいケースもあります。
さらに、常駐先で求められるアウトプットが出せなかったり、周囲と円滑に連携できない状態が続いたりすると、プロジェクトが短期で終了し、次のプロジェクトを探すことになる場合もあります。短期での変更が続くと、落ち着いて経験を積みにくくなる可能性があります。
■確認しておきたいポイント
・どのような案件が多いのか
・開発、テスト、運用保守の割合はどのくらいか
・新卒社員はどの工程から担当することが多いのか
・配属先はどのように決まるのか
・配属後のフォロー体制はあるのか
・どのようなキャリアステップを想定しているのか
SES/技術派遣は、さまざまな現場で経験を積める可能性がある働き方です。ただし、実際にどのような経験を積めるかは、企業の方針や配属される案件によって大きく変わります。
■企業例
SES/技術派遣の企業例としては、テクノプロ、メイテック、パーソルクロステクノロジー、エクストリームなどが挙げられます。
これらの企業は、顧客企業のプロジェクトに技術者が入り、技術支援を行うことがあります。ただし、企業によっては派遣だけでなく、受託開発や請負開発、自社内開発を行っている場合もあるため、実際にどの働き方になるのかは職種や配属先ごとに確認することが大切です。
企業分類と入社後の仕事内容は必ずしも一致しない
自社開発・受託開発・SES/技術派遣の違いを理解することは、IT業界の企業を見るうえで役立ちます。
ただし、この分類だけで、入社後の仕事内容まで判断できるわけではありません。たとえば、自社開発を行っている企業でも、すべてのエンジニアが自社サービスや自社プロダクトの開発に関わるとは限りません。
企業によっては、自社サービスを持ちながら、同時に受託開発やSES/技術派遣の事業を行っている場合もあります。その場合、会社全体としては自社開発を行っている企業に見えても、入社後の職種や配属によっては、顧客向けの受託案件や客先常駐のプロジェクトを担当することがあります。
反対に、受託開発やSES/技術派遣の企業であっても、開発経験をしっかり積める環境や、上流工程に関われる機会がある企業もあります。
■確認しておきたいポイント
・複数の開発形態に取り組む場合、自分がどこに関われるのか要確認
・受託開発でも、上流工程から関われる企業と、一部工程を担当する企業がある
・SES/技術派遣でも、上流工程に関われる案件と、テストや運用保守が中心の案件がある
・同じ会社の中でも、職種や部署、案件によって仕事内容が変動する
・求人票や採用サイトの表現だけでは、入社後の担当業務まで分からないことがある
自社開発に関心がある場合は、会社として自社サービスを持っているかだけでなく、新卒社員が自社プロダクトの開発に関われるのかを確認する必要があります。
受託開発に関心がある場合は、1次請けの案件が多いのか、どの業界に関われるのか、どの開発工程が中心なのかを確認すると、入社後の業務をイメージしやすくなります。
SES/技術派遣の場合は、配属先の決まり方、案件内容、開発・テスト・運用保守の割合、配属後のフォロー体制などを確認しておくとよいでしょう。
このように、自社開発・受託開発・SES/技術派遣の違いを知ることは、入社後に自分がどのような仕事を担当する可能性があるのかを確認するための前提知識となります。
AI時代における開発経験の見方
近年は、生成AIやAIコーディング支援ツールの活用が広がり、エンジニアの働き方にも変化が出ています。
たとえば、コードの補完、テストコードの作成、エラー原因の調査、仕様の整理、ドキュメント作成など、開発のさまざまな場面でAIを活用するケースが増えています。
そのため、これからエンジニアを目指す学生にとっては、どのような開発形態の企業かだけでなく、AIを含めた開発環境の中で、どのような経験を積めるのかも重要です。
ただし、AIを使うからといって、プログラミングやシステム開発の基礎が不要になるわけではありません。AIが生成するコードや提案が正しいのかを判断するためには、プログラミングの基礎、設計の考え方などの理解が必要になります。AIが補助してくれる部分が増えても、最終的に仕様を理解し、品質を確認し、必要に応じて修正する力は求められます。
また、AIを活用できる範囲は、企業やプロジェクトによっても異なります。セキュリティや情報管理の観点から、使用できるツールに制限がある企業もあります。反対に、開発効率を高めるために、積極的にAIツールを取り入れている企業もあります。
だからこそ、AI時代においても、自社開発・受託開発・SES/技術派遣の違いを理解したうえで、入社後にどのような開発経験を積めるのかを見ることが大切です。
自社開発であれば、AIを活用しながら自社サービスの改善や機能開発に関われる可能性があります。受託開発であれば、顧客の要望を整理し、AIも活用しながらシステム開発を進める経験ができるかもしれません。SES/技術派遣であれば、配属先の開発環境やルールによって、AI活用の範囲や経験できる工程が変わる場合があります。
特に新卒の場合、最初にどのような開発経験を積むかは、その後のキャリアにも影響します。AI時代だからこそ、単に新しいツールを使えるかどうかではなく、開発の流れやシステムの仕組みを理解できる環境かどうかも確認しておきたいポイントです。
まとめ
自社開発は、自社のサービスや製品を開発・改善していく働き方です。受託開発は、顧客企業から依頼を受けて、サービスやシステムなどを開発する働き方です。SES/技術派遣は、顧客先のプロジェクトに入り、開発やテスト、保守運用などを担当する働き方です。
それぞれに特徴はありますが、分類だけで企業の実態がすべて分かるわけではありません。大切なのは、まず自社開発・受託開発・SES/技術派遣の違いを理解したうえで、気になる企業を1社ずつ詳しく見ることです。
応募する職種、入社後の仕事内容、担当する工程、開発体制、教育体制、新卒社員の配属例などを確認しながら、自分がどのような環境で経験を積めるのかを考えていきましょう。
特に近年は、AIを活用した開発も広がっており、エンジニアに求められる経験やスキルも変化しています。企業分類だけで判断するのではなく、入社後にどのような環境で、どのような開発経験を積めるのかを確認することが大切です。
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