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2026年10月17日(更新:2026年10月17日)
自動車は、ブレーキ、モーター、電子制御システム、シート、タイヤなど、数多くの部品で構成されています。こうした部品を開発・製造し、完成車メーカーに直接供給する企業は「Tier1(ティアワン)」と呼ばれています。
今回は、異なる製品分野からTier1自動車部品メーカー20社を紹介します。各社の主な製品や技術、事業の特徴を見ていきます。
目次
Tier1とは?自動車部品メーカーの役割
Tier1(一次サプライヤー)とは、トヨタ自動車、Honda、日産自動車などの完成車メーカーに対し、自動車部品やシステムを直接供給する企業のことです。
自動車部品の供給網は、一般的に次のような構造になっています。
・完成車メーカー:自動車全体の企画・開発・生産・販売などを担う
・Tier1:完成車メーカーに部品やシステムを直接供給する
・Tier2:主にTier1に部品や材料などを供給する
・Tier3:主にTier2に部品や素材などを供給する
ただし、すべての企業がこの構造に明確に分かれているわけではありません。同じ企業が完成車メーカーと直接取引する一方で、別の部品メーカーにも製品を供給している場合があります。
また、Tier1には特定の部品を専門とするメーカーもあれば、複数の製品分野を手がける総合部品メーカーもあります。Tier1・Tier2といった取引階層は、企業規模や技術力の優劣を示すものではありません。
総合部品・駆動系メーカー
デンソー|電動化・熱管理・電子制御を支える
デンソーは、世界各国の自動車メーカーに部品やシステムを供給する総合自動車部品メーカーです。カーエアコンなどの熱管理システム、各種センサー、エンジン制御、電動化関連部品などを展開しています。機械・電気電子・ソフトウェアなどの技術を組み合わせ、車両の効率性や安全性に関わる幅広い製品を開発しています。
アイシン|駆動系から車体系まで幅広い製品を開発
アイシンは、2021年にアイシン精機とアイシン・エィ・ダブリュが経営統合して誕生した総合自動車部品メーカーです。トランスミッションや電動駆動ユニット、ブレーキ関連部品、車体関連部品などを手がけています。駆動系の技術を強みとしており、ハイブリッド車や電気自動車に対応した製品も開発しています。
Astemo|電動化・車両制御・先進運転支援を手がける
Astemoは、2021年に日立オートモティブシステムズ、ケーヒン、ショーワ、日信工業の4社が統合して誕生した自動車部品メーカーです。モーターやインバーター、ブレーキ、サスペンション、先進運転支援システムなどを手がけています。2026年10月には、Hondaによる連結子会社化も発表されています。
ボッシュ|自動車の電子制御・安全技術を支える
ボッシュは、ドイツに本拠を置く世界的な技術・サービス企業で、自動車向けの部品やシステムを幅広く開発しています。ブレーキ制御、各種センサー、エンジン制御、先進運転支援システムなどを手がけています。電子制御やソフトウェア技術に加え、電動パワートレインなどの開発にも取り組んでいます。
ジヤトコ|トランスミッションと電動駆動技術に強み
ジヤトコは、自動車用の変速機を中心に開発・製造するメーカーです。CVT(無段変速機)やAT(自動変速機)などを主力製品としており、動力伝達に関わる技術を蓄積してきました。近年は、モーターや減速機などを組み合わせた電気自動車向けの電動駆動ユニットの開発も進めています。
エクセディ|クラッチ・動力伝達技術を手がける
エクセディは、クラッチやトルクコンバーターなど、動力伝達に関わる部品を開発・製造するメーカーです。マニュアル車向けのクラッチやオートマチック車向けのトルクコンバーターなどを手がけています。長年培ってきた動力伝達技術を基盤に、電動車向けの駆動関連製品の開発にも取り組んでいます。
ブレーキ・足回り・電装系メーカー
アドヴィックス|ブレーキシステムの専門メーカー
アドヴィックスは、自動車用ブレーキシステムの開発・製造を手がけるメーカーです。ディスクブレーキなどの機構部品に加え、ABS(アンチロックブレーキシステム)や車両の姿勢制御に関わる電子制御システムなどを展開しています。機械・油圧・電子制御を組み合わせた製品を開発しています。
曙ブレーキ工業|摩擦材とブレーキ技術に強み
曙ブレーキ工業は、自動車用ブレーキを中心に開発・製造する独立系メーカーです。ブレーキパッドやブレーキライニングなどの摩擦材に加え、ディスクブレーキなどの機構部品を手がけています。摩擦特性や耐熱性を高める材料技術を活用し、ブレーキの性能や耐久性を追求しています。
カヤバ|ショックアブソーバーなどの油圧技術
カヤバ(KYB)は、ショックアブソーバーをはじめとする油圧機器に強みを持つメーカーです。自動車のサスペンションに使われるショックアブソーバーや各種油圧機器を開発・製造しています。自動車向け製品のほか、建設機械向けの油圧機器なども展開しており、油圧技術を基盤に幅広い分野で事業を展開しています。
矢崎総業|ワイヤーハーネスで車内の電気をつなぐ
矢崎総業は、自動車用ワイヤーハーネスや計器類などを手がけるメーカーです。ワイヤーハーネスとは、車内の電子機器やセンサーなどに電力や信号を伝える配線部品の集合体です。電線やコネクタなどを組み合わせた配線システムに加え、車載メーターなどの電子機器も開発しています。
住友電装|自動車の電気配線システムを支える
住友電装は、自動車用ワイヤーハーネスを主力とする住友電工グループのメーカーです。車内の電力供給や信号伝達に使われるワイヤーハーネス、コネクタなどを開発・製造しています。電気自動車やハイブリッド車に対応した高電圧配線なども手がけ、自動車の電装システムを支えています。
内装・シート・樹脂部品メーカー
トヨタ紡織|シートや内装部品を開発
トヨタ紡織は、自動車用シートやドアトリムなどの内装部品を中心に手がけるメーカーです。シートの骨格やクッション、表皮などを組み合わせた製品を開発しています。機構設計や材料開発、人間工学などの技術を活用し、車室内の快適性や安全性に関わる製品を展開しています。
テイ・エス テック|自動車用シートの専門メーカー
テイ・エス テックは、自動車用シートを主力とするメーカーで、Honda向けを中心に製品を供給しています。四輪車用シートに加え、二輪車用シートやドアトリムなどの内装部品も手がけています。シートの骨格や機構、クッション材などの設計・開発を通じて、快適性と安全性の両立を追求しています。
ニッパツ|自動車用ばねからシートまで展開
ニッパツ(日本発条)は、自動車用懸架ばねやシートなどを手がけるメーカーです。コイルばねや板ばねなどの懸架ばねを中心に、自動車用シートや精密ばねなども展開しています。金属材料やばねの設計・加工技術を強みとしており、自動車以外の産業向けにも製品を供給しています。
豊田合成|ゴム・樹脂の技術で安全と快適性を支える
豊田合成は、ゴムや樹脂などの高分子材料を活用した自動車部品を手がけるメーカーです。エアバッグ、内外装部品、ドアや窓の隙間を密閉するウェザストリップなどを開発・製造しています。ゴム・樹脂の材料開発や成形技術を強みとしており、安全性や快適性に関わる製品を展開しています。
東海理化|スイッチやセキュリティ関連部品を開発
東海理化は、自動車用スイッチやシフトレバー、ステアリングホイール、シートベルトなどを手がけるメーカーです。運転者が操作する各種スイッチや車両のセキュリティ関連製品なども展開しています。機械設計や電子回路、ソフトウェアなどの技術を組み合わせ、操作性や安全性に関わる製品を開発しています。
エンジン関連・タイヤメーカー
愛三工業|燃料供給・エンジン関連部品を開発
愛三工業は、自動車の燃料供給システムやエンジン関連部品などを手がけるメーカーです。燃料ポンプやスロットルボディなど、エンジンに燃料や空気を供給するための製品を開発・製造しています。エンジン車やハイブリッド車向けの技術に加え、水素関連製品の開発にも取り組んでいます。
三五|排気系部品と金属加工技術に強み
三五は、自動車用の排気系部品や車体構造部品などを手がけるメーカーです。排気管やマフラーなど、エンジンから排出されるガスを車外へ導くための製品を開発・製造しています。金属のプレス加工や溶接などの技術を強みとしており、車体関連部品や駆動系部品なども展開しています。
ブリヂストン|タイヤ技術を支える世界的メーカー
ブリヂストンは、自動車用タイヤをはじめとするゴム製品を手がける世界的なメーカーです。乗用車用からトラック・バス用まで、さまざまな車両向けのタイヤを開発・製造しています。ゴム材料の配合やタイヤ構造の設計、摩耗・耐久性の評価などの技術を活用し、走行性能や環境性能の向上に取り組んでいます。
住友ゴム工業|タイヤの材料・構造技術を開発
住友ゴム工業は、ダンロップブランドなどで知られるタイヤメーカーです。乗用車用をはじめ、トラック・バス用などのさまざまなタイヤを開発・製造しています。ゴム材料の配合やタイヤ内部の構造、接地面の溝の形状などを研究し、グリップ性能や耐摩耗性、燃費・電費性能の向上に取り組んでいます。
まとめ|製品や技術から見る企業の違い
今回は、さまざまな製品分野からTier1自動車部品メーカー20社を紹介しました。自動車部品メーカーには、複数のシステムを手がける総合メーカーから、ブレーキ、シート、電装部品、タイヤなどを専門とするメーカーまで、さまざまな企業があります。
同じ製品分野でも、各社が担当する部品や技術領域、取引先、研究開発の方向性は異なります。そのため、企業研究では社名や規模だけでなく、具体的な製品や技術を比較することも重要です。
また、今回の20社は製品分野の違いをもとに選定したもので、他にも数多くの魅力的な自動車部品メーカーがあります。
自動車産業にはTier2・Tier3の企業も存在し、材料開発や精密加工などの分野で高い専門性を持つメーカーもあります。自動車業界の企業研究では、完成車メーカーやTier1だけでなく、こうした企業も含めて検討することで、就職先の選択肢が広がります。
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