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2026年11月1日(更新:2026年11月1日)
2026年10月23日、Metaの新しいAIエージェント「Muse(ミューズ)」が日本で提供開始されました。Museは、質問への回答や文章作成だけでなく、Webサイトでの情報収集やメールの確認、スケジュール管理など、さまざまな作業をサポートするAIサービスです。
今回は、Museの特徴や使い方を紹介したうえで、理系学生の企業研究・インターンシップ探し・選考管理などに活用する方法を解説します。なお、Museはリリースから間もないサービスのため、効果的な活用方法や注意点については、まだ十分に検証されていない部分もあります。
本記事には、公開情報をもとにした筆者の所感や考察も含まれます。
新AI「Muse(ミューズ)」とは?
Museは、InstagramやFacebookなどを運営するMetaが開発したパーソナルAIエージェントです。2026年9月に北米で先行提供され、同年10月23日から日本でも利用できるようになりました。
質問への回答だけでなく、実際の作業も進められる
Museの特徴は、ユーザーが伝えた目的に合わせて、必要な情報を調べたり、作業の手順を考えたり、外部サービスを操作したりできることです。
例えば、Webサイトで情報を検索するだけでなく、Gmailから必要なメールを探す、Googleカレンダーの予定を確認する、複数の資料を整理するといった作業にも対応しています。
また、ユーザーの希望や過去の会話を記憶し、その内容を踏まえて継続的にサポートする機能も備えています。一度依頼した作業について、指定した日時に実行したり、作業が完了した際に通知したりできる点も特徴です。
ChatGPT・Gemini・Claudeとの違いは?
Museでできることのすべてが、従来の生成AIにない新しい機能というわけではありません。普段からChatGPTやGemini、Claudeなどを利用している人であれば、企業情報の収集、ESの添削、面接の想定質問の作成などは、すでに経験があるかもしれません。
また、これらのAIにも外部サービスとの連携や、複数の作業を進めるエージェント機能が用意されています。
Museの特徴は、情報収集や文章作成に加えて、個人の予定や希望を踏まえた継続的なサポートを重視していることです。特に「フィード」や「目標」といった機能では、自分から毎回質問しなくても、関心のある情報を確認したり、設定した目標の進捗を管理したりできます。
理系学生の就職活動にも活用できる
理系学生の場合、企業研究や選考対策だけでなく、大学の授業・実験・研究活動と就職活動を両立させる必要があります。
また、メーカーやIT企業には一般消費者向けの知名度が低い企業も多く、幅広い業界から自分の専攻に合った就職先を探すには時間がかかります。Museを活用することで、企業情報の収集や選考スケジュールの整理など、就職活動に伴う作業を効率化できる可能性があります。
理系就活でMuseを活用する方法7選
ここからは、Museの特徴的な機能や一般的な生成AIの機能を組み合わせて、理系学生の就職活動に活用する方法を7つ紹介します。
① 志望業界・企業の最新情報を継続的に収集する
Museには、ユーザーの関心に合わせた情報を表示する「フィード」機能があります。フィードは、自分が興味のある話題や予定などをMuseがまとめて表示する機能です。表示する内容についても、あらかじめ希望を伝えておくことができます。
例えば、自動車業界を志望する機械系学生なら、完成車メーカーや自動車部品メーカーの新技術、研究開発、設備投資などのニュースを優先して表示する使い方が考えられます。情報系学生であれば、AI・クラウド・セキュリティなどの技術動向や、志望するIT企業の発表を追うことにも活用できそうです。
また、特定の企業や業界について、定期的に情報を調べてもらうタスクを設定する方法もあります。
例えば、「毎週月曜日に志望企業5社の最新ニュースを調べ、重要な動きがあれば教えて」と依頼する形です。就活では、志望企業を一度調べて終わりにするのではなく、選考までの間に新しい情報が発表されていないか確認することも重要です。
こうした情報収集を継続できる点は、Museを活用するメリットの一つと考えられます。
② 企業研究を効率化する
Museは、Webサイトを操作しながら情報を収集し、複数の資料をもとに内容を整理する作業にも活用できます。例えば、企業の公式サイトやIR資料、有価証券報告書などを調べ、事業内容や研究開発への取り組み、業績などを整理してもらう方法です。
有価証券報告書から従業員数・平均年齢・平均給与などの情報を抽出したり、中期経営計画や決算資料から企業の成長戦略や注力分野を調べたりすることも考えられます。
理系学生の場合、企業研究では売上高や事業規模だけでなく、扱っている製品・技術や研究開発領域、希望職種との関連性を調べることも重要です。
例えば、半導体業界に興味がある場合、半導体メーカーだけでなく、製造装置・電子部品・材料メーカーなども比較することで、就職先の選択肢が広がります。また、中期経営計画から企業が今後注力する事業や技術分野を調べることで、志望動機や面接での逆質問を考える材料にもなります。
なお、資料の検索や要約はChatGPT・Gemini・Claudeなどでも可能です。Museでは、Web上の資料探しから情報の抽出・整理までを一連の作業として依頼できる点に注目したいところです。
③ インターンシップ・本選考の募集情報を調べる
MuseのWeb検索や定期的な情報収集機能は、インターンシップや本選考の募集情報を探す際にも活用できそうです。例えば、希望する業界・職種・勤務地・卒業予定年度を伝え、条件に合う募集情報を調べてもらう方法です。
機械系学生なら設計開発や生産技術、情報系学生ならソフトウェア開発やシステムエンジニアなど、希望職種を絞って探すことも考えられます。また、特定の企業について、新しいインターンシップや本選考の募集が始まっていないか定期的に確認する使い方もあります。
例えば、志望企業の採用ページを指定し、「毎週月曜日に募集情報を確認して、前回から変更があった場合だけ教えて」と依頼する方法です。特に学部3年生や修士1年生(M1)は、授業・研究と並行して複数企業の募集情報を確認する必要があるため、情報収集の負担を減らせる可能性があります。
ただし、すべての採用サイトを正確に確認できるとは限りません。応募条件や締切日などの重要な情報は、必ず企業の公式採用ページで確認する必要があります。
④ 採用担当者からのメールを整理する
MuseはGmailとの連携に対応しており、受信メールの検索や内容の整理、返信文の作成などをサポートできます。就職活動では、説明会の案内、インターンシップの選考結果、適性検査の受検依頼、面接日程の調整など、企業から多くのメールが届きます。
複数企業の選考が同時に進んでいると、返信が必要なメールや提出期限を把握するだけでも時間がかかります。
Museに就活関連のメールを抽出してもらい、企業名・連絡内容・対応期限・返信の必要性などを整理する使い方が考えられます。さらに、採用担当者への返信メールを下書きしてもらうこともできます。
例えば、面接候補日の中から参加できる日時を伝えるメールや、説明会への参加を辞退するメールなどです。毎朝決まった時間に、未対応の就活メールや近日中の提出期限をまとめて報告してもらう使い方も便利そうです。
ただし、メールの内容を正確に読み取れているとは限らないため、日程や返信期限、宛先などは送信前に確認する必要があります。
⑤ 授業・研究と選考スケジュールを管理する
MuseはGoogleカレンダーなどと連携し、登録されている予定の確認やスケジュール調整をサポートできます。理系学生の場合、大学の授業や実験、研究室のゼミ、学会発表などと、インターンシップや面接の日程が重なることもあります。
特に大学院生は、研究活動が忙しい時期と本選考が重なるケースも少なくありません。Museにカレンダーの予定を確認してもらい、面接に参加できる時間帯を探したり、複数の予定が重複していないか確認したりする使い方が考えられます。
また、面接や説明会の会場までの移動時間を調べ、前後の予定に無理がないか確認してもらう方法もあります。選考スケジュールを整理するだけでなく、応募書類の提出期限や適性検査の受検期限などについて、リマインダーを設定することもできます。
予定の管理そのものはGoogleカレンダーなどでもできますが、Museでは会話形式で指示しながら、複数の予定や条件をまとめて整理できる点が便利そうです。
⑥ 就活の目標を設定し、進捗を管理する
Museには、ユーザーが設定した目標に対して、計画作成や進捗管理をサポートする「目標」機能があります。例えば、「12月末までにメーカー10社の企業研究を終える」という目標を設定し、企業ごとの調査項目やスケジュールを整理してもらう使い方です。
企業研究であれば、事業内容・製品・技術・仕事内容・勤務地などの項目を設定し、企業ごとの調査状況を管理することが考えられます。目標は小さなタスクに分けて管理できるため、調査が完了した企業を記録しながら、残りの作業を確認できます。
また、「今月中に自己分析を終える」「一次面接までに研究概要を整理する」といった短期的な目標にも活用できそうです。就職活動では、応募企業を増やすことばかりに意識が向き、企業研究や面接対策などの準備が後回しになることもあります。
Museを活用して目標と進捗を整理することで、今何を優先すべきかを把握しやすくなる可能性があります。
⑦ ES・研究概要の添削や面接対策に活用する
Museは、文章作成や質問への回答にも対応しているため、エントリーシート(ES)や志望動機の添削、面接対策などにも活用できます。例えば、自分で作成したESをもとに、論理構成や表現のわかりにくい部分を指摘してもらう方法です。
理系学生の場合、研究内容や実験・実習で取り組んだことを、専門外の採用担当者にも伝わるように説明することが求められます。研究概要を入力し、専門用語の使いすぎや、取り組んだ背景・目的・工夫した点が伝わるかを確認してもらう使い方も考えられます。
また、志望企業や希望職種を伝えて、面接で聞かれそうな質問を作成してもらうこともできます。学部生で研究室に配属されていない場合は、その状況を伝えることで、授業・実験・課外活動などを中心とした質問を考えてもらうことも可能です。
ただし、こうした文章の添削や面接対策は、他の生成AIツールでも十分に活用できる領域です。Museを使う場合は、事前に伝えた専攻や志望業界、企業研究の内容などを踏まえて、継続的に就活対策を進める使い方が考えられます。
理系学生向けのプロンプト例
Museを活用する際は、自分の専攻や学年、希望する業界・職種などを具体的に伝えることで、目的に合った回答や作業につながりやすくなります。
ここでは、理系学部生・大学院生が就活で使えるプロンプトの例を紹介します。
専攻に合った就職先を探す
「私は機械工学を専攻している大学3年生です。自動車業界に興味がありますが、完成車メーカー以外の企業についても調べたいです。自動車部品メーカーや産業機械メーカーの中から、機械系の知識を活かせる企業を10社紹介してください。それぞれの主な製品・技術、機械系学生が活躍できる職種、勤務地などを比較してください。情報の出典もあわせて示してください。」
志望企業の技術や研究開発を調べる
「私は電気電子工学を専攻している大学院生です。半導体製造装置メーカーへの就職を考えています。(企業名)の公式サイトやIR資料を調べ、主な製品、技術的な強み、研究開発への取り組み、競合企業との違いを整理してください。特に、電気電子系の学生が関わる可能性のある技術分野を詳しく知りたいです。参照した資料名とURLも記載してください。」
インターンシップの募集情報を探す
「私は2028年卒業予定の情報系学部生です。ソフトウェア開発職に興味があり、首都圏のIT企業を中心にインターンシップを探しています。現在応募できるインターンシップを調べ、企業名・募集職種・実施時期・応募条件・締切日を整理してください。募集年度が2028年卒向けであることを確認し、各企業の公式募集ページのURLも記載してください。」
就活関連のメールを整理する
「Gmailに届いた過去2週間の就活関連メールを確認し、企業名・連絡内容・対応が必要なこと・期限を整理してください。特に、返信が必要なメール、適性検査の受検案内、ESの提出期限、面接日程の調整を優先してください。メールの返信や送信は行わず、まずは確認結果だけを教えてください。」
選考スケジュールを整理する
「Googleカレンダーに登録されている今後2週間の予定を確認し、大学の授業・研究室活動・就活関連の予定を整理してください。面接や説明会に参加できそうな時間帯を探し、予定が重複している場合は教えてください。カレンダーの追加や変更は、私が確認するまで行わないでください。」
就活の目標を設定する
「12月末までに、志望するメーカー10社の企業研究を終えることを目標にしたいです。各企業について、事業内容・主要製品・技術的な特徴・募集職種・勤務地を調べる計画を作成してください。1社ごとの進捗を管理できるようにし、毎週の達成状況を確認できる形にしてください。」
プロンプトはあくまで一例です。自分の状況や目的に合わせて条件を変更することで、より具体的な情報を得られます。また、最初に自分の専攻や卒業予定年度、希望業界などを伝えておけば、その後のやり取りでも情報を活用しやすくなります。
Museの始め方・料金・基本機能
Museは、スマートフォン向けアプリとWebブラウザから利用できます。
Museの利用方法
Museは、iPhone(iOS)・Androidのアプリ、またはWeb版から利用できます。Web版は、Muse公式サイトからアクセスできます。
基本的な使い方はチャット形式で、質問や依頼したい作業を文章で入力します。情報収集や文章作成などはチャットから利用でき、メールやカレンダーを操作したい場合は、必要に応じて外部サービスとの連携を設定します。
無料でも利用できる?
Museは基本的な機能を無料で利用できますが、利用量には制限があります。また、より高度な活用や利用量の拡大に対応する有料のサブスクリプションプランも用意されています。
複雑な企業研究や複数のWebサイトを調べる作業、定期的な情報収集などでは、利用量を多く消費する可能性があります。まずは無料で使える範囲から試し、必要に応じて有料プランを検討する方法もあります。
利用条件や料金は今後変更される可能性もあるため、最新の内容は公式サイトで確認してください。
フィード・目標・外部サービス連携
Museを使う際に注目したいのが、「フィード」「目標」「外部サービス連携」の3つです。
・フィード
ユーザーの興味や予定に応じた情報を表示する機能です。志望業界のニュースや企業の動向などを確認する使い方が考えられます。
・目標
設定した目標に合わせて計画の作成や進捗管理をサポートする機能です。企業研究や就活準備の計画を整理する際に活用できます。
・外部サービス連携
GmailやGoogleカレンダーなどと接続し、メールの確認や予定の管理などをサポートしてもらえます。
どの機能も最初からすべて使う必要はなく、自分が就活で負担に感じている作業から試すことができます。
Museを就活で使う際の注意点
Museには複数のセキュリティ対策やプライバシー保護機能が用意されていますが、就職活動で利用する際には、情報の正確性や個人情報の取り扱いなどに注意が必要です。
企業情報や選考情報は公式サイトで確認する
Museが収集した企業情報や募集要項が、必ずしも最新・正確とは限りません。特に、インターンシップや本選考の応募締切、募集職種、応募資格などは、年度によって変更される場合があります。
また、企業のIR資料や有価証券報告書などから数値を抽出する場合も、対象年度や単位を取り違える可能性があります。AIが示した情報をそのまま利用するのではなく、重要な内容は企業の公式サイトや資料で確認することが大切です。
研究データや個人情報の取り扱いに注意する
Museには、ユーザーごとにデータを分離して管理する仕組みや、外部サービスとの連携時に認証情報を保護する仕組みなど、複数のセキュリティ対策が用意されています。
また、AIモデルの改善にデータを利用するかどうかなど、プライバシーに関する設定も確認できます。利用を始める際には、データコントロールの内容を確認しておくことが大切です。
理系学生の場合、研究室で扱う未公開データや共同研究先の機密情報などを入力する際には注意が必要です。例えば、未発表の研究成果や企業との共同研究で得られた実験データなどは、大学や研究室の情報管理ルールによって外部サービスへの入力が制限されている場合があります。
研究概要の添削などで利用する場合も、公開可能な情報に絞るなど、取り扱う内容を確認する必要があります。また、GmailやGoogleカレンダーなどの外部サービスと連携する際には、アクセスを許可する情報や操作の範囲も確認しておきたいところです。
詳しい仕組みや設定については、Meta公式「Museによるプライバシー、安全性、セキュリティの扱い」で紹介されています。
メール送信や応募操作は最終確認する
Museには、メール送信や購入などの重要な操作を実行する前に、ユーザーへ確認を求める仕組みが用意されています。
ただし、確認が必要になる条件は操作内容や外部サービスとの連携設定などによって異なります。また、ログインや本人確認が必要な場面では、ユーザー自身の操作が求められることもあります。
特に就職活動では、企業へのメール送信や応募内容の誤りが選考に影響する可能性があります。Museに作業を任せる場合も、送信内容や日程、応募先などを確認しながら活用することが大切です。
AIに就職先の判断を任せきりにしない
Museに企業情報を調べてもらったり、複数企業を比較してもらったりすることはできますが、どの企業が自分に合っているかは、必ずしもAIだけで判断できるものではありません。
仕事内容や技術分野だけでなく、働き方、勤務地、社風、将来のキャリアなど、就職先を選ぶ際に重視する条件は人によって異なります。AIを情報収集や考えを整理する手段として活用しながら、企業説明会や社員との面談などを通じて、自分自身でも理解を深めることが重要です。
まとめ
Museは、2026年10月に日本で提供が始まった、Metaの新しいパーソナルAIエージェントです。企業研究やES添削、面接対策など、ChatGPT・Gemini・Claudeでもできることに加え、フィードや目標管理、外部サービスとの連携などを通じて、継続的な就活サポートにも活用できる可能性があります。
特に理系学生にとっては、専攻に合った企業の情報収集や、授業・研究活動と選考スケジュールの両立などで役立つ場面がありそうです。
一方、企業情報の正確性や研究データ・個人情報の取り扱いには注意が必要です。Museに用意されているセキュリティ機能や設定も確認しながら活用することが大切です。
まだリリース初期のサービスですが、今後の機能拡充によって、就職活動での活用方法もさらに広がるかもしれません。
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