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2026年9月5日(更新:2026年9月6日)
生成AIの進化により、コードを書くこと自体は以前より簡単になりました。一方で、「AIがあるならプログラミングを学ぶ意味はない」というわけでもありません。
むしろ、AIが生成したコードを理解し、正しく判断するためにもプログラミングの知識は重要です。AI時代にプログラミングが得意であることは、どのような強みになるのでしょうか。
目次
AI時代でもプログラミングが得意なことは強み
生成AIが急速に進化し、自然な言葉で指示を出すだけでもコードを生成できるようになりました。しかし、プログラミングが得意であることの価値がなくなったわけではありません。
AIが生成したコードを見て、
・どのような処理をしているのか理解する
・意図した実装になっているか判断する
・問題がある箇所を見つけて修正する
・より適切な実装方法を考える
こうしたことができるのは、プログラミングの基礎や実践経験があるからこそです。
AIによって「自分ですべてのコードを書く」機会は変化していくかもしれません。一方で、コードを読める、理解できる、直せるという力は、AIを活用する側に回るための土台にもなります。
「コードを速く書ける」だけでは差がつきにくくなる
一方で、プログラミング力の中でも、これまでと比べて価値の出方が変わりそうな部分もあります。
その一つが、コードを書く速さです。これまでは同じ課題に対して、人より速く正確にコードを書けること自体が大きな強みになりました。
しかし現在は、人同士だけを比較するとは限りません。定型的な処理を作る、既存コードを書き換える、エラーの原因を探す、テストコードを作るなど、AIが得意とする作業は増えています。
だからといって、AIより速くコードを書けるようになる必要はありません。これからは、「自分だけでどれだけ速く書けるか」だけではなく、「AIも使いながら、どれだけ良いものを作れるか」という視点も重要になっていくでしょう。
AIに任せるほど、コードを理解する力が重要になる
AIを使えば、これまで何時間もかかっていた実装が短時間で完成することもあります。便利になる一方で、注意したいのが内容を理解しないままAIに任せることです。
生成されたコードが一見問題なく動いていても、
・特定の条件でだけエラーが起きる
・大量のデータを扱うと処理が遅くなる
・セキュリティ上の問題が含まれている
・既存システムとの組み合わせで問題が起こる
といった可能性があります。「動いたから正しい」とは限りません。デジタル庁も生成AIについて、利活用の促進だけでなく、リスク管理を一体で進める必要があるとしてガイドラインを整備しています。
AIを使う機会が増えるほど、AIの回答をそのまま受け入れるのではなく、
「なぜこのコードになっているのか」
「本当にこの実装で問題ないのか」
を自分で考えられる力が重要になります。AIを避けるのではなく、使いながら確認できること。そのためにも、プログラミングの理解はこれまで以上に重要になる可能性があります。
AIがすべてを書ききれるわけではない
生成AIは幅広いコードを作れるようになりましたが、実際の開発では単純に「この機能を作って」と頼めば終わる仕事ばかりではありません。
企業ごとに異なる業務ルールがある。長年使われている既存システムとの整合性を取る必要がある。処理速度や安全性に厳しい条件がある。こうした背景まで踏まえて開発するには、コードだけでなく、そのシステムや製品について理解する必要があります。
たとえば、理系の進路として人気のある「組み込みソフトウェア開発」では、ソフトウェアだけを見るのではなく、自動車や家電などのセンサーや機器が実際にどのように動くのかまで考える場面があります。
AIが一般的な実装方法を提案することはできても、「この製品ではなぜこの処理が必要なのか」「この会社のシステムでは、なぜこの設計になっているのか」まで理解して判断するには、その領域に対する知識が必要です。
AIに任せられる部分を増やしつつ、どこから先は自分で判断する必要があるのかを見極めることも、これからのエンジニアに求められる力の一つです。
プログラミングから知識を広げてみよう
プログラミングを学んでいるのであれば、そこを入口に周辺分野へ知識を広げていくのも一つの方法です。
AI・機械学習
AIを使うだけでなく、その仕組みやモデル、データの扱い方まで理解する。AIを活用したサービスやシステムを作る側へ進むこともできます。
ネットワーク
システム同士がどのように通信しているのかを理解する。通信環境を考慮したシステム構築や、障害の原因を切り分ける力にもつながります。
データベース
大量の情報をどのように保存し、効率よく取り出すのかを理解する。データを扱うサービスの設計や、処理速度を意識した開発にも活かせます。
クラウド
サービスをどのような環境で動かし、拡張していくのかを理解する。システムの構築・運用や、利用状況に応じて柔軟に拡張できるサービス設計にもつながります。
セキュリティ
安全なシステムを作るために、どのようなリスクを考える必要があるのかを理解する。脆弱性を意識した開発や、安全性の高い設計・運用に活かせます。
システム設計
複数の技術を組み合わせ、システム全体をどのような構成にするのかを考える。個々のコードだけでなく、性能や保守性まで含めて全体を設計する力につながります。
UI・UX
ユーザーがサービスやシステムをどのように操作し、どこで迷いや不便を感じるのかを考える。使いやすさを意識した画面設計や、ユーザー体験を踏まえた機能改善にも活かせます。
また、技術だけでなく、製造、金融、医療、物流など、システムが使われる業界について詳しくなるという方向もあります。現代ではソフトウェアがIT企業だけのものではなく、さまざまな産業の競争力を支える存在になっています。
AIの進化を脅威として捉えるだけでなく、AI・機械学習そのものの知識を深め、むしろ有効活用する側へ進むことも選択肢の一つです。プログラミングを起点として、「コードを書く力 → 仕組みを理解する力 → 新しい技術を活用する力 → システム全体を見る力」へと知識を広げていけば、活躍できる領域も広がっていきます。
AIと張り合うのではなく、使う側へ
生成AIが登場したからといって、人がAIより速くコードを書くことを目指す必要はありません。AIが得意なことはAIに任せ、その時間を別の部分に使うという考え方もできます。
たとえば、AIを使って短時間で実装案を作り、その内容を確認する。複数の方法を比較し、より適した設計を選ぶ。ユーザーが本当に必要としている機能を考える。コードを書く前後にも、エンジニアが考えることはたくさんあります。
また、AIを使うこと自体にも技術があります。どのような情報を与えれば適切な回答が返ってくるのか。どの作業をAIに任せ、どこから自分で判断するのか。出力された内容をどのように検証するのか。
AIを使えることは、単に生成AIへ質問できることではありません。自分の知識と組み合わせながら、AIを開発の道具として活かせることが重要です。
これからは、「AIに仕事を取られないために何をするか」ではなく、「AIを使うことで、自分はどこまでできるようになるか」と考えてみることも大切です。プログラミングが得意なのであれば、その知識をAIを使いこなすための土台として活かすことができます。
まとめ
AIによって、コードを書く方法もエンジニアの仕事も急速に変化しています。その中で、プログラミングが得意であることは引き続き強みになります。ただし、「人より速くコードを書ける」という強みだけでは、以前ほど差がつきにくくなる可能性があります。
AIが生成したコードを理解する。問題を見つける。システム全体を設計する。AI・機械学習そのものを学ぶ。特定の技術や業界について詳しくなる。プログラミングを土台として、強みを広げる方向はいくつもあります。
そして、AIの変化が激しい今は、「このスキルを身につけておけば将来も安心」という一つの正解があるわけではありません。プログラミングを深く極める人もいれば、AI・機械学習を専門にする人、システム設計やセキュリティへ広げる人、特定の業界や製品に詳しくなる人もいるでしょう。
大切なのはAIと張り合うことではなく、AIを活用しながら、自分はどのようなエンジニアとして価値を発揮していきたいのかを考えることです。
変化が大きく、まだ正解が決まっていない時代だからこそ、自分なりの強みや立ち位置を少しずつ作っていくことが、これからのエンジニアにとって重要になっていくでしょう。
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