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2026年5月7日(更新:2026年5月7日)
半導体業界は、生成AI、データセンター、自動運転、ロボティクス、スマートファクトリーなどの拡大を背景に、理系人材の採用ニーズが高まっている分野です。
一方で、半導体業界といっても、半導体メーカー、製造装置、材料、検査、データ活用など領域は幅広く、求められる専門性も多岐にわたります。
この記事では、半導体業界で採用に取り組む方々に加え、他業界で半導体業界の理解を深めたい方や、半導体業界で活躍するエンジニア・技術者の採用を考える人事・採用担当者向けに、業界動向や特徴、職種理解のポイントを整理します。
目次
採用視点で見る半導体業界
半導体業界は、理系人材の採用において重要性が高まっている分野の一つです。
生成AIやデータセンター、自動運転、高度運転支援システム、ロボティクス、スマートファクトリーなど、半導体を必要とする領域は広がっています。日本国内でも、北海道、熊本、岩手、広島などで半導体関連の大型投資が進んでおり、採用市場においても注目度が高まっています。
一方で、半導体業界は一見すると分かりにくい業界でもあります。半導体メーカーだけでなく、製造装置、材料、検査装置、設計支援、設備、インフラ、物流、建設、データ解析など、関連する領域が非常に広いためです。
そのため、人事担当者が半導体業界の求人や候補者を理解する際は、「半導体=電気電子系」という狭いイメージだけでは不十分です。実際には、半導体業界では以下のような幅広い理系人材が活躍しています。
・電気電子系
・機械系
・化学・材料系
・物理系
・情報系
例えば、半導体製造装置では機械設計や制御、精密加工の知識が必要です。半導体材料では化学や材料工学の知識が活かされます。製造データの解析や工場の自動化では、情報系やデータ分析の知識も求められます。
また、半導体業界で経験を積んだ人材は、半導体メーカーや装置・材料メーカーだけでなく、自動車、電機、産業機械、ロボティクス、データセンター、エネルギーなど、周辺産業でも採用対象になり得ます。半導体そのものを扱う企業ではなくても、半導体業界の人材動向や職種理解を深めることは、採用活動において有益です。
つまり、半導体業界における採用では、業界全体の動向を知るだけでなく、自社がどの領域に関わっているのか、どの専門性・経験を持つ候補者が活躍できるのかを整理することが重要です。
人事担当者が半導体業界の構造や職種の広がりを理解しておくことで、求人票やスカウト文の具体性、面談や面接の質が高まり、候補者に対してもより分かりやすく魅力を伝えやすくなります。
2026年時点の半導体業界の現在地
半導体は、スマートフォンやパソコンだけでなく、自動車、産業機械、医療機器、通信インフラ、AIサーバー、自動運転システムなど、さまざまな製品や技術に使われています。
電気を通したり止めたりする性質を利用し、情報処理、記憶、制御、電力変換、通信、センシングなどを担う部品が半導体です。私たちが日常的に使う製品の多くは、半導体なしでは成り立ちません。
2026年時点で半導体市場を大きく動かしている要因の一つが、生成AIやデータセンター向けの需要拡大です。生成AIを動かすには、AI向けGPUやAIアクセラレーターだけでなく、大量のデータを高速に処理する高性能メモリ、サーバー間をつなぐ通信部品、電力を安定的に供給する電源関連部品なども必要になります。
そのため、AI・データセンター関連の需要は、一部の半導体だけでなく、ロジック、メモリ、通信、電源など幅広い領域に広がっています。
一方で、半導体業界は「すべての分野が一律に伸びている」と見ると誤解が生まれやすい業界でもあります。AI向けのロジック半導体や高性能メモリは強い需要がありますが、自動車や産業機械向けの一部では、在庫調整や需要回復の遅れが残る領域もあります。
例えば、EV向けに使われるパワー半導体やSiC関連部材は、電動化の進展によって中長期的には重要性が高まる分野です。一方で、足元ではEVシフトの停滞や販売成長の鈍化により、関連投資や部材需要に調整が入るケースもあります。
また、産業機械向けでは、モーター制御、電源制御、センサー、アナログ半導体、ディスクリート半導体などが使われますが、設備投資の減速や在庫調整の影響を受けやすい領域でもあります。
つまり、2026年の半導体業界は「全体が一律に伸びている」というよりも、AI、データセンター、自動運転、ロボティクスなど、成長領域に関連する半導体が市場を強く引っ張る一方で、EVや産業機械向けの一部では回復に時間がかかっている分野もある、と見ると分かりやすくなります。
日本の半導体業界を見る際も同様です。日本は、1970年代後半から1980年代にかけてDRAMを中心に世界で大きな存在感を持っていた時代がありました。しかし現在は、先端ロジック半導体では台湾や米国、メモリでは韓国や米国の企業が強い状況です。
一方で、日本は半導体製造装置、半導体材料、メモリ、イメージセンサー、パワー半導体など、今も重要な領域で強みを持っています。そのため日本の半導体業界を見る際は、「日本が半導体全体で再び世界トップに戻るか」だけでなく、「どの領域で強みを持ち、どの分野で国内投資が進んでいるのか」を見ることが重要です。
AI・データセンター・自動運転で広がる半導体需要
2026年の半導体業界を考えるうえで、AIは避けて通れないテーマです。生成AIの利用が広がることで、データセンターでは大量の計算処理が必要になっています。その中心にあるのが、GPUやAIアクセラレーターなどの高性能半導体です。
また、AIを動かすには計算用のチップだけでなく、大量のデータを高速に読み書きするメモリ、サーバー間をつなぐ通信部品、電力を安定供給するパワー半導体、冷却や制御に関わる部品なども必要になります。つまり、AI需要は一部の半導体だけでなく、以下のような周辺領域にも広がっています。
・ロジック半導体
・メモリ
・通信部品
・電源関連部品
・半導体製造装置
・半導体材料
・冷却・制御関連技術
さらに近年は、AIの活用先がデータセンターの中だけにとどまらなくなっています。自動運転、ロボティクス、スマートファクトリー、医療機器、ドローンなど、現実世界でAIを動かす領域にも注目が集まっています。
自動運転や高度運転支援システムでは、車の周囲を認識するカメラ、レーダー、LiDARなどのセンサーが必要です。さらに、取得した情報をリアルタイムで処理するAIチップや車載SoC、メモリ、通信部品、電源関連部品も欠かせません。
また、ロボティクスやPhysical AIと呼ばれる領域でも、半導体の重要性は高まっています。Physical AIとは、大規模言語モデルなどの高度な頭脳をロボットや自律運転車などに搭載し、現実空間で状況認識・判断・行動を自律的に行う技術です。
このような分野では、単に高性能な計算チップがあれば良いわけではありません。センサーで周囲の情報を取得し、AIで判断し、モーターやアクチュエーターを制御し、安全性を保ちながらリアルタイムに動作する必要があります。そのため、自動運転やロボティクスの普及は、半導体業界にとって大きな需要拡大の要因になります。
採用視点で見ると、半導体需要の拡大は、電気電子系だけでなく、情報系、機械系、制御系、材料系などの採用ニーズにもつながります。例えば、自動運転やロボティクスでは、センサー、制御、画像認識、組み込みソフトウェア、リアルタイム処理、機構設計などが関わります。データセンター領域では、半導体そのものに加えて、電源、冷却、ネットワーク、設備、運用保守などの人材も必要になります。
また、半導体業界そのものに限らず、AI、自動運転、ロボティクス、データセンター関連の採用に取り組む企業にとっても、半導体業界の人材や技術理解は重要です。半導体に関する知見を持つ人材は、周辺産業でも評価される可能性があります。
半導体市場の成長は、生成AIやデータセンターだけでなく、自動運転、ロボティクス、スマートファクトリーなど、現実世界でAIを活用する領域にも広がっていると見ることができます。
国内で進む半導体投資
2026年時点で、日本の半導体業界を考えるうえで重要なのが、国内各地で進む大型投資です。
近年、半導体は経済安全保障の観点からも重要な産業と位置づけられています。AI、自動車、通信、防衛、エネルギーなど、多くの産業が半導体に依存しているため、各国が自国内での生産能力や研究開発力を高めようとしています。
日本でも、北海道、熊本、岩手、広島などで半導体関連の大きな動きが進んでいます。
■北海道:Rapidusによる2nm世代半導体への挑戦
北海道千歳市では、Rapidusが2nm世代のロジック半導体の量産技術確立を目指しています。
Rapidusは、IBMなどと連携しながら、最先端ロジック半導体の国産化に取り組む企業です。同社は、トヨタ自動車、ソニーグループ、NTT、NEC、キオクシア、デンソー、ソフトバンク、三菱UFJ銀行の国内大手8社の出資により設立されました。
日本は先端ロジック半導体の量産で海外勢に後れを取ってきたため、経済安全保障や次世代産業を支える基盤づくりの観点から、Rapidusの取り組みが注目されています。
2025年には千歳の拠点でパイロットラインの立ち上げが進み、2026年度も2nm世代半導体プロジェクトが継続されています。2nm世代の半導体は、AI、データセンター、高性能計算、自動運転、ロボティクスなど、今後の先端技術を支える可能性があります。
一方で、最先端半導体の量産には、技術力だけでなく、巨額の設備投資、顧客獲得、人材確保、量産歩留まりの改善など、多くの課題があります。Rapidusは、日本が先端ロジック半導体に再挑戦する象徴的なプロジェクトといえますが、今後の実用化・量産化までの道のりにも注目が集まっています。
■熊本:JASMによる半導体生産拠点の拡大
熊本県では、TSMCの子会社であるJASMが半導体工場を展開しています。
JASMには、TSMCのほか、ソニーセミコンダクタソリューションズ、デンソー、トヨタ自動車などが少数株主として関わっています。第1工場に加え、第2工場の計画も進んでおり、熊本は国内でも特に注目される半導体拠点となっています。
JASMの工場では、自動車や産業機器からAI、高性能計算に至るまで幅広い分野の半導体生産が想定されています。第2工場での3nm世代を含む最先端ロジックから、実需の多い成熟世代までを網羅し、日本の主要産業が求める半導体を国内でタイムリーに安定供給する点に大きな意味があります。
また、熊本での半導体投資は、工場単体の話にとどまりません。周辺には、装置、材料、物流、建設、設備、インフラ関連企業の需要も広がります。半導体工場ができることで、地域の雇用や産業集積にも大きな影響が出るため、採用市場においても注目すべき動きです。
■岩手:キオクシア北上工場Fab2の稼働
メモリ分野では、キオクシアの動きも重要です。キオクシアは、NAND型フラッシュメモリを手がける日本の主要半導体メーカーであり、もともとは東芝の半導体メモリ事業をルーツに持ちます。
キオクシアといえば三重県四日市市の大規模な生産拠点が有名ですが、近年は岩手県北上市の拠点強化も進めています。2025年には、岩手県北上市の北上工場Fab2が稼働を開始しました。AIの普及などによる中長期的なフラッシュメモリ需要の拡大に対応するための拠点とされています。
AIサーバーやデータセンターでは、大量のデータを保存し、高速に読み書きする必要があります。そのため、計算用のチップだけでなく、NAND型フラッシュメモリのようなストレージ関連技術も重要になります。
メモリは市況変動が大きい分野です。需要が強い時期には大きく伸びますが、供給過剰になると価格下落の影響を受けやすい特徴もあります。それでも、AIやデータセンターの拡大により、大容量・高性能なメモリの重要性は高まっています。キオクシアの国内拠点は、日本の半導体産業を見るうえで欠かせない存在です。
■広島:マイクロンによるAI向けメモリ投資の動き
広島県では、米国のマイクロンによるメモリ関連投資も注目されています。
特にAI向けでは、HBMと呼ばれる高帯域メモリの重要性が高まっています。HBMは、AI向けGPUなどと組み合わせて使われる高性能メモリで、大量のデータを高速に処理するために欠かせない部品です。
AI半導体というとGPUやロジック半導体に注目が集まりがちですが、実際にはメモリ技術も非常に重要です。AIサーバーの性能向上には、計算するチップだけでなく、大量のデータを高速にやり取りする仕組みが必要になります。
このように、日本国内では、先端ロジック、実用世代の半導体、メモリ、材料、装置など、複数の領域で投資が進んでいます。採用視点では、これらの投資により、半導体メーカーだけでなく、装置、材料、設備、建設、インフラ、物流、データ活用など、周辺産業でも理系人材の需要が高まる可能性があります。
日本企業が強い半導体関連分野
日本は、半導体全体の世界シェアでは1970〜80年代と比較すると遅れを取っている部分もあります。しかし、半導体産業に欠かせない領域では、今も強い企業が多くあります。特に重要なのが、製造装置と材料です。
半導体は、設計したチップをそのまま作れば完成するわけではありません。ウエハー上に薄膜を形成し、露光し、エッチングし、洗浄し、検査し、切断し、パッケージ化するなど、非常に多くの工程を経て作られます。その一つ一つの工程に、高度な装置や材料が必要です。
■半導体製造装置
製造装置では、東京エレクトロン、SCREENホールディングス、アドバンテスト、ディスコなどが代表的です。
東京エレクトロンは、成膜、エッチング、洗浄などの製造装置で存在感があります。SCREENホールディングスは洗浄装置などに強みを持ち、アドバンテストは半導体テスター、ディスコは切断・研削・研磨装置などで知られています。
半導体製造装置は、機械、電気電子、制御、情報、材料などの知識が複合的に求められる分野です。採用においても、機械設計、電気設計、制御設計、ソフトウェア、品質保証、生産技術など、幅広い職種が関わります。
■半導体材料
材料では、信越化学工業、SUMCO、東京応化工業、JSRなどが挙げられます。
シリコンウエハー、フォトレジスト、薬液、ガス、絶縁膜材料、CMP材料など、半導体製造には多くの材料が必要です。日本企業は、こうした高機能材料の分野で強みを持っています。
半導体材料は、化学系・材料系の理系人材にとって重要な採用領域です。有機化学、無機化学、高分子化学、材料分析、表面処理、プロセス開発などの知識が活かされます。
■イメージセンサー
日本企業の強みは、装置や材料だけではありません。用途に応じた半導体デバイスの分野でも、世界的に存在感を持つ企業があります。
代表的なのが、イメージセンサーです。イメージセンサーでは、ソニーグループが高い存在感を持っており、スマートフォンやカメラだけでなく、自動車、産業機器、ロボットなどでも使われます。
自動運転や高度運転支援システムでは、周囲の状況を正確に把握するためにカメラやセンサーが欠かせません。そのため、画像処理、センサー、信号処理、組み込みソフトウェアなどの人材も関わる領域です。
■パワー半導体
パワー半導体では、ロームや三菱電機などが存在感を持っています。
パワー半導体は、電気自動車、再生可能エネルギー、鉄道、産業機器、データセンターなどで重要性が高まっています。電力を効率よく制御するための部品であり、省エネや電動化の進展とともに需要が広がっています。
採用視点では、電気電子系の知識に加え、パワーエレクトロニクス、電源設計、熱設計、信頼性評価、材料開発などの専門性が関係します。つまり、日本の半導体業界を見るときは、「半導体メーカー」だけを見るのでは不十分です。
半導体を作るための装置、材料、部品、検査、解析、設備、インフラまで含めて見ることで、日本企業の強みや理系人材の活躍領域が見えやすくなります。
半導体業界で求められる理系人材
半導体業界は、電気電子系だけの業界と思われがちですが、実際には機械、化学、材料、物理、情報など、幅広い理系人材が関わる産業です。そのため、採用担当者が半導体業界の求人や候補者を理解する際は、「半導体=電気電子」と狭く捉えすぎないことが重要です。
■機械系人材
機械系人材は、半導体製造装置の設計・開発、搬送機構、精密位置決め、冷却機構、真空装置、洗浄装置、研磨装置などで活躍できます。
半導体製造装置には、ウエハーを正確に動かす搬送機構、位置を細かく制御する精密位置決め機構、装置内部の温度を管理する冷却機構、真空環境をつくる機構、洗浄や研磨に関わる機構など、さまざまな機械要素が含まれています。
半導体製造ではナノメートル単位の精度が求められるため、機械設計、材料力学、熱力学、流体力学、振動、制御、精密加工などの知識が活かされます。
採用視点では、以下のような経験・学びを持つ候補者が対象になりやすいです。
・機械設計
・CAD
・材料力学
・熱力学
・流体力学
・制御
・精密加工
・装置設計
■電気電子系人材
電気電子系人材は、半導体デバイス、回路設計、電源設計、制御、センサー、評価・解析などで活躍できます。
半導体そのものの動作原理を理解するうえでも、電気電子の知識は重要です。ロジック、メモリ、アナログ、パワー半導体、センサーなど、幅広い領域で専門性を活かせます。
自動運転や高度運転支援システムでは、センサー、車載SoC、通信、電源制御などが関わるため、電気電子系の知識が活きる場面も多くあります。
採用視点では、以下のようなキーワードを持つ人材が関連しやすくなります。
・半導体
・回路設計
・電磁気学
・パワーエレクトロニクス
・制御
・センサー
・信号処理
・評価解析
■化学・材料系人材
化学・材料系人材は、フォトレジスト、シリコンウエハー、薬液、ガス、薄膜、CMPスラリー、絶縁膜、洗浄プロセスなどで活躍できます。
半導体は電気電子のイメージが強い業界ですが、実際の製造工程では化学や材料の知識が欠かせません。特に日本企業が強い材料分野では、化学系・材料系人材の採用ニーズも高くなります。
採用視点では、以下のような分野が関連します。
・有機化学
・無機化学
・高分子化学
・材料分析
・薄膜
・表面処理
・洗浄プロセス
・プロセス開発
■物理系人材
物理系人材は、半導体デバイスの動作解析、材料物性、量子効果、薄膜、プラズマ、光学、評価解析などで活躍できます。
半導体は微細化が進むほど、物理現象の理解が重要になります。研究開発、プロセス開発、解析、評価などの仕事では、物理系の専門性が活かされやすいです。
採用視点では、物性物理、量子力学、光学、プラズマ、薄膜、シミュレーション、解析などの経験や学びが関連しやすくなります。
■情報系人材
情報系人材は、EDAツールを使った設計、製造データ解析、AIを活用した歩留まり改善、装置制御、シミュレーション、工場の自動化などで活躍できます。
半導体工場では、製造条件、検査結果、装置ログ、不良解析データなど、大量のデータが発生します。そのデータを分析し、品質や生産効率を改善する仕事も増えています。
AI需要によって半導体が伸びているだけでなく、半導体の製造現場そのものでもAIやデータ活用の重要性が高まっています。また、自動運転やロボティクスでは、画像認識、センサーフュージョン、組み込みソフトウェア、リアルタイム処理なども重要になります。
採用視点では、以下のような経験・学びが関連します。
・データ解析
・機械学習
・AI
・組み込みソフトウェア
・シミュレーション
・装置制御
・画像認識
・工場自動化
このように半導体業界は、理工系の専門性を横断的に活かせる総合技術産業とも言えます。
採用担当者は、半導体業界を電気電子系だけの採用領域と捉えるのではなく、自社の事業や職種に応じて、幅広い専攻・経験を持つ候補者を対象にできるかを検討することが重要です。
また、他業界で半導体業界出身者の採用を考える場合も、候補者がどの領域に関わっていたのかを見極めることが大切です。同じ半導体業界経験者でも、装置設計、材料開発、プロセス開発、データ解析、品質管理、設備保全など、経験内容によって活かせる職種は異なります。
採用で押さえたい半導体業界の課題
半導体業界は成長性の高い分野ですが、課題もあります。
■市況変動の大きさ
半導体業界には「シリコンサイクル」と呼ばれる景気の波があります。
需要が強い時期には投資が拡大しますが、供給過剰になると価格下落や投資抑制が起こることもあります。特にメモリ分野は、需要と供給のバランスによって市況が大きく変わりやすい領域です。
採用視点では、業界全体の成長性だけでなく、自社が関わる製品分野や用途分野の動向を理解しておくことが重要です。
■人材不足
国内で大型投資が進む一方で、半導体設計、プロセス開発、装置保全、材料開発、品質管理、データ解析などを担う人材は不足しています。
最先端半導体では経験者の確保が難しく、大学、高専、企業、地域が連携した人材育成も重要になっています。
採用担当者にとっては、経験者だけを狙うのか、理系未経験領域から育成するのか、周辺分野から採用対象を広げるのかといった戦略設計が重要になります。
■地域インフラの課題
熊本や北海道のように大型投資が進む地域では、交通、住宅、水、電力、物流、教育、生活環境なども整える必要があります。
半導体工場は地域経済に大きな影響を与える一方で、地域側の受け入れ体制も問われます。
採用面では、勤務地への不安、生活環境、家族帯同、転居支援、通勤手段などが候補者の意思決定に影響することもあります。
■国際競争の厳しさ
半導体は、台湾、韓国、米国、中国、欧州などが国家戦略として投資している産業です。
日本国内で投資が進んでいるとはいえ、世界の競争相手も非常に強力です。
採用においても、外資系企業、大手メーカー、装置メーカー、材料メーカー、IT企業などが同じ理系人材を取り合う構図になることがあります。
■先端領域と成熟領域の差
AI向けのロジックや高性能メモリは強い需要がありますが、すべての半導体が同じように伸びているわけではありません。
自動車や産業機器向けの一部では、在庫調整や需要回復の遅れが残ることもあります。そのため、半導体業界と一括りにせず、どの製品分野・用途分野に関わるのかを見ることも大切です。
採用視点では、「半導体業界は成長している」という表現だけでは、候補者への訴求として不十分な場合があります。自社がどの領域に関わり、どの技術や職種で社会や産業を支えているのかまで具体的に伝えることが重要です。
また、半導体業界の人材を他業界で採用する場合も、業界全体のイメージだけで判断せず、候補者が経験してきた製品、工程、技術領域、役割を確認することが重要です。専門性の見極めを丁寧に行うことで、自社のどの職種・業務と接続できるのかが見えやすくなります。
まとめ
半導体業界は、生成AIやデータセンター、自動運転、ロボティクス、スマートファクトリーなどの拡大を背景に、今後も重要性が高い産業の一つです。
一方で、半導体業界といっても、半導体メーカーだけでなく、製造装置、材料、部品、検査、解析、設備、インフラ、データ活用など、関わる領域は非常に幅広くあります。
採用担当者にとって重要なのは、半導体業界を「電気電子系だけの採用領域」と捉えないことです。機械、化学、材料、物理、情報など、幅広い理系人材が活躍できる業界であり、職種ごとに求められる専門性も異なります。
また、国内では北海道、熊本、岩手、広島などで半導体関連の投資が進んでおり、地域採用や技術人材の確保も重要なテーマになっています。
■半導体業界の採用担当
業界全体の成長性だけでなく、自社がどの領域に関わっているのか、どの専攻・経験を持つ人材が活躍できるのかを整理して伝えることが重要です。
■他業界から半導体業界出身者を採用
自動車や家電など、他業界から半導体業界の技術者を採用する場合も、半導体という業界名だけで判断することは禁物です。候補者がどの製品・工程・技術領域に関わってきたのかを理解することが大切です。
人事担当者が業界動向と職種理解を深めることで、求人票やスカウト文の精度が高まり、面談や面接を通して候補者に対してもより具体的に魅力を伝えやすくなります。
■関連情報
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