メーカーでも採用広報は重要?理系人材に選ばれる動画・SNS活用と企業事例6選

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メーカー(製造業)における採用では、「技術力」「安定」「社会貢献」といった強みがあっても、学生や求職者に十分伝わっていないケースが少なくありません。

特にBtoBメーカー、部品メーカー、装置メーカー、素材メーカーなどは、一般消費者向けの製品を扱う企業と比べて、日常生活の中で名前を知ってもらう機会が限られます。

そのため、採用活動においては、求人票を出すだけでなく、自社の存在や仕事内容、働く人、技術の面白さを継続的に発信する「採用広報」の重要性が高まっています。

この記事では、メーカーにおける採用広報の重要性や背景、具体的な手段、参考になる企業事例について解説します。

メーカーでも採用広報が重要な背景

メーカー採用においても、採用広報は重要です。主な背景としては、以下の3点があります。

 

・仕事内容や魅力が伝わりにくい

メーカーには、技術力、製品力、安定した事業基盤、社会や産業を支える役割、長期的に専門性を高められる環境など、多くの魅力があります。一方で、製品名や企業名だけでは、実際にどのような仕事があるのか、理系人材がどのように活躍しているのかまでは伝わりにくいことがあります。

 

例えば、自動車、家電、食品、化学、電子部品、産業機械、制御機器など、メーカーにはさまざまな領域があります。いずれの領域でも、研究開発、設計、生産技術、品質保証、設備保全、データ活用など、多くの理系職種が関わっています。しかし、学生や求職者から見ると、仕事内容や専門性の活かされ方が十分に見えず、自分に合う企業かどうかを判断しにくいことがあります。

 

・理系人材の採用競争が激しくなっている

機械、電気電子、情報、化学、材料などの理系人材は、メーカーだけでなく、IT・コンサルティング・インフラ・外資系・スタートアップなど、幅広い業界から求められています。そのため、求人を出して待つだけでは、十分な接点を作りにくくなっています。

 

・学生や求職者の情報収集手段が多様化している

従来は、就職ナビサイト、合同説明会、大学のキャリアセンター、会社説明会、社員紹介(リファラル)などが主な接点でした。しかし現在は、企業ホームページ、採用サイト、X(旧Twitter)、Instagram、TikTok、YouTube、口コミサイト、社員インタビュー記事など、さまざまな情報を見ながら企業を比較する人が増えています。

 

このような令和の環境においては、求人票だけを整えても企業理解や興味喚起に繋がらず、母集団形成や内定承諾における課題が持続的に生じてしまうことがあります。

 

特にメーカーは仕事内容が専門的である分、さまざまな角度から説明しなければ伝わりにくい特徴があります。例えば、「自動車の〇〇部品メーカー」と聞いても、学生によっては製品や技術の凄さ、仕事の意義を具体的にイメージできません。「社会を支えています」「技術力があります」といった表現だけでは、十分に伝わらないことがあります。

 

採用広報は、企業の魅力を過度に演出するものではありません。求人票や会社説明会だけでは伝えきれない情報を、記事・動画・SNS・社員インタビュー・技術紹介などを通じて、立体的に分かりやすく届けるための活動です。

 

採用広報とは何か

採用広報とは、採用を目的とした広報活動を行うことであり、企業の魅力や仕事内容、働く人、文化、技術、キャリアなどを発信します。単に求人情報を掲載することとは異なります。

 

求人票は、募集職種、応募条件、勤務地、給与、福利厚生など、応募に必要な情報を整理するものです。一方で採用広報は、求職者がその企業を知り、興味を持ち、自分に合うかどうかを判断するための情報を届ける活動です。

 

例えば、以下のような発信が採用広報にあたります。

 

■採用広報における発信例

・社員インタビュー

・若手社員の日々の仕事

・製品や技術の紹介

・研究開発や生産技術の取り組み

・工場や職場の雰囲気

・研修制度やキャリア形成

・採用担当者からのメッセージ

・就活や業界理解に役立つ情報

・選考方法や評価方針の説明

・会社のカルチャーや人柄が伝わる発信

 

採用広報の目的は、応募数を増やすことだけではありません。

自社のことを正しく理解してもらい、興味を持ってもらうことも重要です。特にメーカーでは、製品名や職種名だけでは企業や仕事のイメージが伝わりにくいことがあります。例えば、「技術職」「開発職」「生産技術職」といっても、実際にどの製品に関わるのか、どの工程を担当するのか、どの専攻が活かせるのかは企業によって異なります。

 

採用広報を通じて、こうした情報を丁寧に伝えることで、応募前の理解が深まり、入社後のミスマッチ防止にもつながります。

 

また、採用広報は「発信すること」だけではありません。

選考方法、応募のしやすさ、説明会での伝え方、面談時の情報提供なども、広い意味では採用広報の一部です。候補者が企業に触れるあらゆる接点が、企業理解や志望度に影響します。そのため、採用サイトやSNSだけでなく、応募前から選考中まで含めて、どのような情報を届けるかを設計することが重要です。

 

メーカーが採用広報で伝えるべき内容

メーカーの採用広報では、会社の知名度や制度だけでなく、「自社がどのような価値を生み出しているのか」を伝えることが重要です。製品や技術、仕事内容の具体性はもちろん、社会や産業への影響、今後目指している方向性、働く人の考え方や組織の雰囲気まで含めて発信することで、求職者は企業をより立体的に理解しやすくなります。

 

特に理系人材に向けて発信する場合、以下のような内容を整理して伝えることが有効です。

 

・製品や技術

自社が何を作っているのか、どのような技術を持っているのかを伝えます。製品名だけでなく、その製品がどの業界で使われ、どのような課題を解決しているのかまで伝えることが重要です。

例えば、単に「自動車部品を作っています」と伝えるよりも、「自動車の安全性を支える部品を開発しています」「電動化に欠かせない部品を通じて、次世代モビリティを支えています」と伝えた方が、仕事の意義や社会とのつながりが見えやすくなります。

 

・職種ごとの仕事内容

理系人材は、自分の専攻や経験がどの仕事に活かせるのかを重視します。そのため、「技術職」とまとめるだけでなく、機械設計、電気設計、組み込み開発、生産技術、品質保証、材料開発、評価解析など、職種ごとに仕事内容を分けて説明することが有効です。

 

・社会や産業への影響

メーカーの仕事は、最終製品や完成品だけでなく、部品、素材、装置、設備などを通じて社会や産業を支えていることも多くあります。自社の製品や技術が、どのような生活・産業・インフラを支えているのかを伝えることで、仕事の意義が伝わりやすくなります。

 

・社員のリアルな声

社員が他社ではなく自社をなぜ選んだのか、入社後にどのような仕事をしているのか、学生時代の専攻がどう活きているのかを伝えることで、求職者は自分の将来をイメージしやすくなります。

 

・職場や働く環境

職場や工場の雰囲気、研修制度、キャリアステップ、働き方なども、求職者にとって重要な判断材料になります。メーカーの場合、工場や研究所、開発拠点など、普段は外から見えにくい場所が多いため、写真や動画を活用して見える化することも有効です。

 

・自社に合う人材像

どのような専門性を持つ人が活躍しているのか、どのような志向性の人に合うのか、入社後にどのような成長機会があるのかを伝えることで、候補者との相互理解が進みやすくなります。

 

採用広報は、企業をよく見せるためだけの活動ではありません。自社が生み出している価値や、そこで働く人・仕事の実態を正しく伝え、自社に合う人材と出会うための活動です。

 

採用広報の主な手段

メーカーが採用広報に取り組む方法は、SNSだけではありません。自社の体制や採用ターゲット、採用課題に応じて、複数の手段を組み合わせることが重要です。

 

主な方法としては、以下のようなものがあります。

 

・採用サイト

採用サイトは、採用広報の土台となる場所です。募集要項だけでなく、事業内容、職種紹介、社員インタビュー、キャリア、福利厚生、研修制度、配属の流れ、よくある質問などを整理して掲載できます。特にメーカーの場合、仕事内容や職種の違いが分かりにくいこともあるため、採用サイト上で情報を整理しておくことが重要です。

 

・社員インタビュー記事

社員インタビューは、働く人のリアルを伝えるうえで有効です。特に理系採用では、社員の専攻、研究テーマ、入社理由、現在の仕事内容、学生時代の学びがどう活きているのかなどを紹介することで、候補者が自分に近い社員を見つけやすくなります。

 

・技術紹介記事

メーカーの強みは、製品や技術にあります。自社の製品がどこで使われているのか、どのような技術が関わっているのか、どのような社会課題や産業を支えているのかを紹介することで、理系人材の興味を引きやすくなります。専門的になりすぎない範囲で、技術の面白さや仕事の意義を伝えることが重要です。

 

・動画コンテンツ

動画は、文章だけでは伝わりにくい雰囲気や仕事内容を伝える手段として有効です。工場見学、職場紹介、社員座談会、1日の流れ、製品紹介などは、映像にすることで職場や仕事のイメージを持ってもらいやすくなります。

特にメーカーでは、工場、研究所、開発現場など、普段は外から見えにくい場所も多くあります。また、昨今は説明会や1〜2次面接をオンラインで行うケースも増えているため、動画を通じて職場の雰囲気や働く人の様子を事前に伝えることは効果的です。

 

・大学訪問・学内セミナー

大学訪問や学内セミナーも、採用広報の一部です。大学のキャリアセンター、学科、研究室などと接点を持ち、自社の事業や職種を知ってもらうことは、理系採用において有効です。特に学科や研究室と関連性の高い仕事内容を伝えられる場合、学生にとっても自分の専門性とのつながりを理解しやすくなります。

 

・SNS

SNSは、企業をまだ深く知らない学生や求職者に対して、継続的に接点を作れる手段です。Instagram、YouTube、TikTok、X、noteなどを活用することで、企業の雰囲気、働く人の様子、職種紹介、イベント情報などを発信できます。

すぐに応募につながるとは限りませんが、認知形成や企業理解のきっかけとして有効です。また、選考中や内定後の情報収集で参考にされることも多く、競合比較の中で意思決定に影響する場合もあります。

 

・選考体験の設計

採用広報は、情報発信だけではありません。選考方法や応募体験そのものが、企業の姿勢や考え方を伝える広報になることもあります。応募のしやすさ、選考の分かりやすさ、候補者とのコミュニケーションも、広い意味では採用広報の一部です。

 

このように、採用広報にはさまざまな方法があります。認知不足が課題であれば、SNSや動画、大学訪問が有効な場合があります。仕事内容の理解不足が課題であれば、職種紹介や社員インタビューを充実させるべきです。応募後のミスマッチが課題であれば、選考前に仕事内容や働き方を詳しく伝えるコンテンツが必要です。

 

採用広報は、流行っている手段から考えるのではなく、自社の課題から逆算して設計することが重要です。

 

採用広報の企業事例

採用広報では、必ずしも大きな予算をかけた施策だけが有効なわけではありません。重要なのは、自社の採用課題に合わせて、どのような接点を作るかです。

 

・三幸製菓

三幸製菓は、「日本一短いES」というユニークな採用手法で注目を集めた企業です。通常のエントリーシートでは人となりを判断しにくいという課題に対し、ESを簡素化し、その後の適性検査や複数の選考フローで候補者を見極める設計にしています。

この事例から分かるのは、採用広報は「見せ方」だけでなく、「選考設計」とも連動するということです。応募しやすい体験や、自社らしい選考方法そのものが、企業認知や印象形成につながる場合があります。

日本一短いエントリーシート!? 採用活動のヒントになる「地方企業」の創意工夫(ダイヤモンドオンライン)

 

・三朋企業

三朋企業は、会社案内動画がYouTubeで21万回視聴(26/5/10時点)されるほど話題となりました。設備工事や空調工事など、学生から見ると仕事内容をイメージしにくい業界でも、動画の企画や見せ方によって興味を持ってもらうことは可能です。

動画は、会社や仕事の魅力を映像や音声などを交えた表現によって直感的に伝えやすく、採用広報との相性が良い手段です。

 

・シャープ

シャープの公式Xアカウントは、企業アカウントの「人間味」が注目された事例として知られています。製品情報や旬のトピックを発信しながら、運用担当者の存在が感じられる発信によって親近感を生み出しています。

採用広報でも、企業らしさや人柄が伝わる発信は重要です。特にSNSでは、情報の正確さだけでなく、「この会社の人と話してみたい」と思ってもらえる温度感も求められます。

 

・パナソニックグループ

パナソニックグループは、採用サイト・オウンドメディア・SNSを活用した発信の参考になる事例です。複数の事業会社を持つ企業では、「どの会社で何ができるのか」「どの職種が自分に合うのか」が分かりにくくなることがあります。

そのため、採用サイト上で事業や職種を整理し、社員インタビューや動画、Instagramやnoteなどを通じて多面的に情報発信することは、企業理解を深めるうえで有効です。

 

・矢崎総業

矢崎総業は、Instagramで技術広報アカウントを運用しており、製品や技術、展示会、学生イベントなどに関する情報を発信しています。

自動車用ワイヤーハーネスをはじめ、電線、ガス機器、空調機器など幅広い事業を展開しており、理系人材にとっても多様な職種や専門性が関わる企業です。技術広報やSNS発信を通じて、「何をしている会社なのか」を分かりやすく伝える取り組みの一例と言えます。

 

・マルヤス工業

マルヤス工業もInstagramを活用しており、理系学生向けの就活情報や会社のリアルを発信しています。

自動車の吸排気系部品や燃料系部品などを開発している同社では、実際に働く人の声や、学生が気になる情報を写真・画像だけでなく縦型のリール動画も交えて継続的に発信することで、自社について知らなかった学生とも接点を作っています。

 

このように、採用広報の手段は企業によってさまざまです。

 

・応募しやすい選考体験を作る

・動画で会社の印象を伝える

・SNSで企業の人柄を伝える

・採用サイトやnoteで情報を整理する

・InstagramやTikTokで学生との接点を作る

 

どの手段が正解というよりも、自社の採用課題に合わせて、必要な接点を設計することが重要です。

 

採用広報を始める際のポイント

メーカーが採用広報を始める際は、いきなり多くの媒体に手を広げる必要はありません。

まずは、「誰に、何を伝えたいのか」を整理することが重要です。例えば、機械系学生に生産技術職の魅力を伝えたいのか、情報系学生に工場DXや組み込み開発を伝えたいのか、電気電子系学生に制御や回路設計の仕事を伝えたいのかによって、発信すべき内容は変わります。

 

また、自社で発信できる素材を整理することも大切です。

 

・若手社員の声

・職種ごとの仕事内容

・製品や技術の特徴

・工場やオフィスの雰囲気

・研修制度

・インターンシップ情報

・採用担当者からのメッセージ

 

こうした内容を、採用サイト、記事、動画、SNSなどに展開していきます。特にSNSは、企業をまだ深く知らない学生や求職者に対して、継続的に接点を作れる手段です。Instagram、YouTube、Xなどを活用することで、会社の雰囲気、働く人、職種紹介、イベント情報などを視覚的に伝えやすくなります。

 

一方で、「機密事項があるから難しい」「製造業は発信に向いていない」といった声を聞くこともありますが、採用広報は自社のすべてをオープンにする必要はありません。社員インタビュー、職種紹介、働き方、業界理解コンテンツなど、公開できる範囲で発信できる内容も多くあります。極論、映像を使わなくても採用広報は可能です。

 

重要なのは、「採用広報は当社ではできない」と一括りにするのではなく、状況に応じて何が発信できるのかを整理することです。実際に、事例で紹介したような大手メーカーから中小規模のBtoBメーカーまで、一定の制約がある中でも工夫しながら採用広報に取り組んでいる企業があり、採用競合ともなり得ます。

 

採用広報では、「流行っている手段」から考えるのではなく、自社の採用課題から逆算することが大切です。認知不足が課題ならSNSや動画、仕事内容の理解不足が課題なら職種紹介や社員インタビュー、ミスマッチ防止が課題なら選考前の情報提供など、課題によって必要な施策は変わります。

 

また、採用広報は人事だけで完結するものではありません。まずは、自社の社員に協力してもらいながら、小さな発信から始める方法もあります。必要に応じて外部の専門家に相談し、企画や進め方を整理することで社内の協力を得やすくすることも一つの手段です。

 

まとめ

メーカー採用においても、採用広報は重要です。技術力や製品・事業の魅力があっても、仕事内容や職場の雰囲気が外から見えにくく、学生や求職者に十分伝わっていないケースがあります。

 

採用広報は、こうした情報の不足を補い、自社の存在や仕事の魅力を継続的に伝えるための取り組みです。手段は、採用サイト、社員インタビュー、技術紹介記事、動画、大学訪問、SNS、選考体験の設計などさまざまです。自社の採用課題に合わせて、できることから始めることが重要です。

 

また、このメディアを運営する株式会社カンビア(リケイマッチ運営企業)では、理系採用領域の知見を活かし、採用動画制作や採用広報の設計支援にも取り組んでいます。実際に、企業の採用動画制作を支援しているほか、当社自身でもYouTube・Instagram・TikTok・Xを活用し、理系学生向けの情報発信を継続しています。

 

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採用広報は、必ずしも大きな施策から始める必要はありません。自社の魅力や職種理解を整理し、記事・動画・SNSなどを通じて少しずつ発信していくことが、理系人材との接点づくりにつながります。

 

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