【理系就活】企業はどうやって理系学生を採用している?採用手法11選とその裏側を解説

  • 選考
  • 選考選考
  • 新卒採用
  • 29卒
  • 28卒
  • 27卒
  • インターン
  • 理系

理系学生の就職活動では、就活サイトで企業を探したり、合同説明会に参加したりする方法が一般的です。しかし、企業側がどのように学生を探し、採用活動を行っているのかを考えたことはあるでしょうか。

実は、企業は就活サイトへの掲載以外にも、スカウトの送信、大学や研究室への訪問など、さまざまな方法で理系学生との接点を作っています。

今回は、企業が活用している11の採用手法を紹介します。普段目にする就活サービスやイベントの仕組みを企業側の視点から知ることで、就職活動の選択肢を広げるきっかけになればと思います。

企業はどのように理系学生を採用している?

企業が新卒採用に取り組む際、必ずしも就活サイトへの求人掲載だけで学生を募集しているわけではありません。

 

例えば、特定の専門知識を持つ理系学生を採用したい企業であれば、大学の研究室を訪問したり、専攻分野を指定して学生へスカウトを送ったりすることがあります。

 

一方、年間で数百名規模の新卒採用を行う企業では、多くの学生と接点を持つために合同説明会や広告を積極的に活用することもあります。企業の採用活動には、採用人数、採用予算、知名度、募集職種など、さまざまな事情が関係しているのです。

 

そのため、就活サイトやイベントで頻繁に見かける企業が、必ずしも理系学生の就職先全体を代表しているわけではありません。

 

また、普段あまり目にしない企業が、大学や研究室との関係を通じて採用活動を行っている場合もあります。こうした違いを知ることは、学生自身が就職活動を進めるうえでも参考になります。

 

ここからは、企業が実際に活用している11の採用手法を紹介します。

 

① ナビサイトへの求人掲載

ナビサイトとは、マイナビやリクナビなど、企業が新卒採用情報を掲載し、学生からのエントリーを受け付ける就活サイトのことです。企業側は求人情報や説明会の日程、募集職種などを掲載し、学生からの応募を集めます。

 

新卒採用では広く利用されている手法ですが、掲載する企業側には費用が発生するプランもあり、すべての企業が同じように利用しているわけではありません。

 

また、多くの企業が掲載されているため、採用人数が少ない企業は情報が埋もれてしまう場合もあります。企業によっては、ナビサイトだけでは十分な応募者が集まらず、ほかの採用手法を組み合わせていることもあります。

 

学生にとってナビサイトは、幅広い企業を比較できる便利な手段です。ただし、掲載されている企業だけが新卒採用を行っているわけではありません。特に、専攻分野との関連性が高い企業や、特定の職種だけを募集する企業などは、ほかの方法で見つかることもあります。

 

② ダイレクトリクルーティング(逆求人・スカウト型採用)

ダイレクトリクルーティングとは、企業側から学生に直接アプローチする採用手法です。

 

企業の採用担当者の間では「ダイレクトリクルーティング」という名称が広く使われていますが、学生の間では「逆求人型」「オファー型」「スカウト型」などの呼び方で浸透しています。

 

従来のナビサイトでは学生が企業を探して応募するのに対し、こちらは企業が学生のプロフィールを確認し、スカウトメッセージを送る仕組みです。特に理系採用では、大学名だけでなく、専攻分野や研究内容、プログラミング経験などを参考に候補者を探すことがあります。

 

例えば、機械工学を専攻する学生に対して、自動車メーカーだけでなく、産業機械メーカーや精密部品メーカーなどがスカウトを送るケースも考えられます。企業側にとっては、就活サイトに求人を掲載して応募を待つだけでは出会えなかった学生にアプローチできることが特徴です。

 

学生側も、自分では調べていなかった業界や企業から声をかけてもらう可能性があります。

 

ただし、スカウトの送信方法はサービスや企業によって異なります。採用担当者がプロフィールを詳しく確認して個別に送る場合もあれば、条件に合う学生へ一括送信する場合もあります。そのため、スカウトを受け取ったこと自体が、選考通過や内定を保証するわけではありません。

 

③ 人材会社主催の合同説明会

人材会社が企画・運営する合同企業説明会に出展することも、企業の代表的な採用手法の一つです。

 

企業は出展料などを支払い、会場やオンライン上で複数の学生に自社の事業や募集職種を紹介します。短時間で多くの学生と接点を持てるため、採用人数が多い企業や、ナビサイトだけでは十分な応募者が集まらない企業などが活用しています。

 

ただし、ここで知っておきたいのは、イベントへの出展企業は必ずしも業界や職種を均等に代表しているわけではないという点です。例えば、「理系学生向け」と紹介されているイベントであっても、製造・整備・施工管理などの募集、技術者派遣を行う企業など、出展が偏る場合もあります。

 

特にメイテックやテクノプロのような技術派遣企業では、年間数百名の新卒採用を行うケースも珍しくありません。こうした企業は多くの人材を採用する必要があるため、採用活動に相応の予算を投じ、複数の合同説明会へ積極的に出展することがあります。

 

合同説明会は知らなかった企業と出会える機会ですが、参加企業の顔ぶれには、主催者側の企画や企業側の出展判断が反映されていることも理解しておきたいところです。

 

④ 大学主催の合同説明会

大学のキャリアセンターなどが主催する合同企業説明会も、企業が理系学生との接点を作る手法の一つです。人材会社主催のイベントとは異なり、特定の大学に在籍する学生を対象としていることが特徴です。

 

例えば、大学全体で開催する説明会のほか、工学部や情報系学科など、学部・学科単位で実施される場合もあります。企業側は、その大学の学生を採用したいという目的で参加するため、大学の教育内容や過去の採用実績なども考慮して出展を検討しています。

 

また、大学主催のイベントは企業側の参加費用が無料となるケースもあります。ただし、参加希望企業が多い場合には、大学側で出展企業を選定することもあります。学生側から見ると、学内説明会は自分の大学の学生に関心を持っている企業と出会える機会です。

 

全国的な知名度はそれほど高くなくても、特定の大学や学科から継続的に採用している企業が参加する場合もあります。一般的な就活サイトだけでなく、キャリアセンターや就職担当教員からの案内にも目を向けてみると、企業選びの選択肢が広がるかもしれません。

 

⑤ 人材紹介(就職エージェント)

人材紹介とは、企業が人材紹介会社に採用を依頼し、条件に合う学生を紹介してもらう手法です。学生向けには「就職エージェント」「新卒キャリアアドバイザー」などの名称でサービスが提供されています。

 

新卒採用では、企業が紹介された学生を採用した際に成果報酬を支払う契約が一般的で、1名あたり100万円以上となるケースも多々あります。

 

企業が利用する背景には、ナビサイトだけでは十分な応募者が集まらない、特定の専門分野の学生を採用したいなど、さまざまな事情があります。ただし、成果報酬の負担もあるため、すべての企業が利用しているわけではありません。

 

学生側が注意したいのは、紹介される企業が基本的にエージェントの取引先などに限られることです。また、企業から報酬を受け取る仕組み上、学生本人の希望と紹介会社の利益が必ずしも一致するとは限りません。

 

実際に立教大学や慶應義塾大学などのキャリアセンターは、希望しない企業への応募を強く勧められたり、内定辞退を認めてもらえなかったりするトラブルについて注意を呼びかけています。また、テレビ朝日や日経新聞等の各メディアでも、一部の悪質な新卒エージェントの問題を報じています。

 

就職先を決めるのはあくまで学生本人です。紹介された企業だけで判断せず、複数の情報源を比較することが重要です。

 

参考記事:

慶應義塾大学|新卒紹介エージェント利用に注意

テレビ朝日|就活生への「オワハラ」横行 悪質な新卒エージェント 大学が注意呼びかけ

東洋経済オンライン|億単位の違約金ちらつかせて「内定辞退」を阻止された…大学生を襲う悪質「オワハラ」

 

⑥ リファラル採用(社員などからの紹介)

リファラル採用とは、企業の社員などから友人や知人を紹介してもらう採用手法です。新卒採用の場合は、社員だけでなく、内定者から大学の友人や後輩を紹介してもらうケースもあります。

 

企業側にとっては、紹介者を通じて学生と接点を持てることが特徴です。また、紹介を受けた学生も、事前に仕事内容や職場の雰囲気などを聞ける場合があります。

 

例えば、大学の先輩が就職した企業から、後輩向けの説明会や採用イベントを案内してもらうこともあります。学生にとっては、身近な人を通じて、それまで知らなかった企業を知るきっかけになるかもしれません。

 

ただし、紹介されたからといって、必ずしも選考が有利になるわけではありません。また、友人や先輩から勧められた企業であっても、自分の希望する仕事内容や働き方に合うとは限らないため、通常の企業研究と同じように確認することが大切です。

 

⑦ 大学・研究室への訪問

理系採用ならではの特徴として、企業が大学のキャリアセンターや学科、研究室などを訪問する採用活動があります。例えば、電気電子系の学生を採用したい企業が、関連する学科の就職担当教員を訪問したり、特定の研究室に求人案内を届けたりするケースです。

 

企業によっては、研究室単位で説明会を開いたり、教授や就職担当教員との関係を通じて学生に求人情報を届けたりすることもあります。また、学校推薦や教授推薦などの制度を通じた採用活動につながる場合もあります。

 

企業側は、専門分野が近い学生との接点を持ちやすくなるため、特定の技術領域の人材を探す際に活用しています。学生側にとっては、一般的な就活サイトでは見かけなかった企業の求人が、研究室や学科に届いている可能性があります。

 

特に、専攻との関連性が高い職種を希望している場合、研究室の教員や学科の就職担当者に届いている求人情報を確認することも一つの方法です。また、企業側が研究室の研究内容を理解したうえで接点を持っている場合、通常の応募とは異なる形で自身の専門性を伝えられることもあります。

 

ただし、学校推薦などには大学や企業ごとのルールがあるため、利用する場合には応募条件や選考上の取り扱いを確認する必要があります。

 

⑧ 部活・サークル・学園祭への協賛

企業が大学の部活やサークル、学園祭などに協賛することもあります。ただし、部活・サークルへの協賛と学園祭への協賛では、企業側の目的や学生との接点に違いがあります。

 

技術系の部活・サークルへの協賛

理系学生との関係が深いのは、学生フォーミュラやロボコン、プログラミングなどの技術系団体への協賛です。例えば、自動車関連企業が学生フォーミュラの活動を支援したり、製造業の企業がロボット開発に必要な部品を提供したりするケースがあります。

 

また、学生フォーミュラ日本大会では、自動車関連企業などが会場内に企業PRブースを出展しています。企業は自社の製品や技術を紹介しながら、自動車やものづくりに関心のある学生と直接交流する機会を設けています。

 

このように企業側は、学生の活動を支援するだけでなく、自社事業と関連する分野に取り組む学生との接点づくりにもつなげています。学生側も、企業の技術者から助言を受けたり、交流を通じて仕事内容を知ったりする機会があります。

 

もし自分が所属する部活やサークルに協賛企業がある場合は、その企業の採用情報にも目を向けてみるのも一つです。企業側が団体の活動内容を把握している場合、応募時に自分の経験を具体的に伝えやすく、通常の応募とは異なる形で印象に残る可能性もあります。

 

ただし、協賛企業だからといって、採用上の優遇が約束されているわけではありません。

 

学園祭への協賛

一方、学園祭への協賛は、特定の専門分野の学生との接点というより、大学全体の学生に向けた広報活動としての側面があります。例えば、学園祭の公式パンフレットへの広告掲載、学内の看板や掲示物への企業名・ロゴの掲載などです。

 

企業側は、学生や来場者に自社の存在を知ってもらうことを目的として協賛する場合があります。採用活動の一環として実施されることもありますが、地域貢献や大学との関係づくりなど、採用以外の目的が含まれることもあります。

 

学生にとっては、普段あまり接点のない企業の存在を知るきっかけになるかもしれません。

 

⑨ 自社採用サイト

企業が自社の採用サイトを通じて情報を発信することも、重要な採用活動の一つです。募集要項や選考フローだけでなく、社員インタビュー、仕事内容、研修制度、福利厚生など、さまざまな情報が掲載されています。

 

特に理系採用では、技術職の仕事内容を詳しく紹介するために、研究開発の事例や技術ブログ、エンジニアのインタビュー記事などを公開している企業もあります。

 

企業側にとっては、ナビサイトなどの限られた掲載枠だけでは伝えきれない情報を発信できることがメリットです。また、職種別採用やジョブマッチング制度など、企業独自の採用方式についても、自社採用サイトで詳しく説明している場合があります。

 

学生側は、関心のある企業が見つかった際に、公式採用サイトまで確認することで、より具体的な仕事内容や採用条件を知ることができます。

 

ただし、採用サイトは企業自身が制作するものであるため、紹介されている仕事内容や社員の声だけですべてを判断するのではなく、必要に応じて説明会や社員との面談などで情報を補うことも考えられます。

 

⑩ SNS採用

近年は、X、Instagram、YouTube、TikTokなどを活用して採用活動を行う企業もあります。例えば、社員の一日密着動画、若手社員へのインタビュー、職場紹介、仕事の解説などが代表的です。

 

企業側は、従来の就活サイトや採用サイトだけでは接点を持ちにくかった学生にも、自社の存在を知ってもらうことを目的としています。また、企業名は知っていても具体的な仕事内容を知らない学生に対して、動画や写真を通じて職場の雰囲気を伝えることもできます。

 

特にメーカーの技術職などは、学生が実際の仕事をイメージしにくい場合もあるため、研究開発の現場や工場、開発部門の様子を紹介するコンテンツもあります。

 

学生側としては、気になる企業のSNSアカウントを確認することで、採用サイトとは異なる情報に触れられる可能性があります。ただし、SNSで発信される内容は、企業が見せたい場面やテーマを選んで制作していることもあります。

 

また、SNSを積極的に運用していない企業でも、充実した事業や技術力を持つ企業は多くあります。SNSでの発信頻度や動画の再生回数だけで、企業の魅力を判断することは難しい部分もあります。

 

⑪ Web広告

YouTubeやInstagram、検索エンジンなどで表示される採用広告も、企業の採用活動の一つです。企業は広告費を支払い、特定の年齢層や地域、興味関心などの条件を参考に広告を配信することがあります。

 

例えば、新卒採用の募集情報を紹介する広告や、会社説明会への参加を促す広告などです。企業側にとっては、自社の存在を知らない学生にも採用情報を届けられることが特徴です。

 

ただし、学生が普段目にする就活関連の広告には、企業自身による採用広告だけでなく、人材会社が運営する就職サービスへの登録を促す広告も多く含まれます。

 

こうした広告は、企業の採用情報というより、就活サービスの利用者を集めるために配信されている場合があります。また、広告の表示には一定のランダム性や配信条件があるため、自分に合う企業が表示されるとは限りません。

 

そのため、Web広告を積極的に確認する必要はなく、たまたま気になる企業の広告が流れてきた際に、公式採用サイトを確認する程度でも十分です。

 

人材会社からの勧誘など、特に関心のない広告であれば無理に見る必要もありません。広告で見かける回数の多さと、企業の知名度、採用条件、自分との相性は必ずしも一致しないことも理解しておきたいところです。

 

まとめ

今回は、企業が理系学生の新卒採用で活用している11の採用手法を紹介しました。

 

就活サイトへの求人掲載や合同説明会など、学生にとってなじみのある手法だけでなく、大学や研究室への訪問、技術系団体への協賛など、企業はさまざまな方法で学生との接点を作っています。

 

また、採用活動には企業ごとの事情があります。例えば、多くの新卒社員を採用する企業がイベントや広告に予算を投じる一方、特定の専門分野を持つ学生を探す企業は、大学や研究室との関係を重視することもあります。そのため、就活サイトや説明会でよく見かける企業が、必ずしも理系学生の就職先全体を代表しているわけではありません。

 

学生側から見ると、企業の採用活動の仕組みを知ることで、自分が普段利用しているサービスやイベントの特徴も理解しやすくなります。ナビサイトだけでなく、逆求人型サービスや大学のキャリアセンター、研究室、所属団体など、企業と接点を持つ場所はさまざまです。

 

特定の方法にこだわらず、企業がどこで、どのような学生を探しているのかという視点を持つことも、就職活動の選択肢を広げるきっかけになるのではないでしょうか。

 

■関連情報

・頻出の質問集なども配布中!理系特化の逆求人サイト「リケイマッチ」

・理系就活の情報をYouTubeやInstagramで発信中!

 

機械・電気電子の進路を探る|学ぶ内容と就職先について大学キャンパスを巡りながら解説!

学生フォーミュラ2026を見学|車両づくりに挑む出場3チームにもインタビュー