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2026年9月17日(更新:2026年9月17日)
就活で業界研究を始めると、自動車、IT、食品、電機など、普段から名前を目にする業界に意識が向きやすくなります。一方、理系学生の就職先を広く見てみると、企業向けに製品や技術を提供する「BtoB」の世界にも多くの選択肢があります。
今回は、一般消費者には見えにくいものの、ものづくりや社会を支え、多くの理系人材が活躍している7つの業界を紹介します。
1.自動車部品業界
自動車業界というと、トヨタやHonda、日産などの完成車メーカーを思い浮かべる人も多いかもしれません。しかし、自動車は数多くの部品からできており、その開発・製造を担う自動車部品メーカーが存在します。
対象となる製品も、ブレーキやステアリングなどの機械部品から、モーター、センサー、ワイヤーハーネス、電子制御機器、内外装部品までさまざまです。特にEVやADAS(先進運転支援システム)などの普及によって、自動車には従来以上に電気電子やソフトウェアの技術が使われるようになっています。
そのため、機械系の設計・解析・生産技術だけでなく、電気電子系の回路・制御、情報系の組込みソフトウェア、材料系の軽量化や耐久性に関する開発など、幅広い理系専攻が関わっています。
完成車メーカーほど一般消費者に企業名を知られていなくても、特定の部品や技術で国内外の自動車メーカーを支えている企業は少なくありません。
企業例:デンソー/アイシン/ジェイテクト/矢崎総業/豊田合成/東海理化
2.半導体・電子部品業界
スマートフォン、パソコン、自動車、家電、産業機械など、身の回りにある多くの製品には半導体や電子部品が使われています。
半導体そのものだけでなく、コンデンサ、センサー、コネクタ、基板、電源関連部品、通信部品など、電子機器を構成する部品の種類は非常に多く、それぞれに専門メーカーがあります。完成品の表面に企業名が出ることは少ないため、日常生活ではその存在に気づきにくい業界でもあります。技
術面では、電気電子系だけに限定されません。材料そのものを開発する化学・物理系、製造工程や設備をつくる機械系、生産や製品を制御する情報系なども関わっています。
スマートフォンや自動車など身近な製品から「中には何が入っているのか」と掘り下げていくと、これまで知らなかった企業が見つかりやすい分野です。
企業例:キオクシア/村田製作所/TDK/京セラ/ローム/アルプスアルパイン
3.産業機械・FA・ロボット業界
私たちが使っている自動車、電子機器、食品、日用品などの多くは工場で生産されています。その「製品をつくるための機械や仕組み」を支えているのが、産業機械・FA・ロボット業界です。
FAは「Factory Automation」の略で、工場の生産工程を自動化・効率化する仕組みを指します。工作機械、産業用ロボット、搬送装置、自動組立設備、空気圧機器、直動機器など、この業界が扱う製品は多岐にわたります。
一つの設備を動かすにも、機械構造、モーター、センサー、電気回路、制御ソフトウェアなど複数の技術が必要です。そのため、機械・電気電子・情報系を中心に、異なる専門分野の技術者が一緒に開発するケースも多くあります。
完成品そのものよりも、「どうすれば速く、正確に、安全につくれるのか」といった生産の仕組みに興味がある人にもつながる業界です。
企業例:ファナック/安川電機/SMC/THK/CKD/不二越
4.計測・分析・検査機器業界
ものづくりや研究開発では、何かを「つくる」技術だけでなく、正しく「測る」技術も欠かせません。長さ、温度、圧力、振動、電気信号、成分などを測定する計測機器や分析装置、製造した部品や製品に異常がないかを確認する検査機器などがあります。
こうした装置は、自動車、半導体、化学、医薬品、工場、大学・研究機関など、さまざまな場所で利用されています。何を測るかによって必要な技術も大きく変わるため、機械、電気電子、物理、化学、情報など幅広い分野と接点があります。
大学の実験や研究室で使っている測定機器をきっかけに、そのメーカーを調べてみるのも業界を知る方法の一つです。
企業例:島津製作所/堀場製作所/横河電機/キーエンス/日置電機/小野測器
5.素材・材料業界
自動車、スマートフォン、航空機、建物など、ほぼすべての製品は何らかの「材料」からつくられています。その上流を支えているのが素材・材料業界です。
鉄鋼やアルミニウムなどの金属、樹脂、ガラス、セラミックス、炭素材料、高機能フィルムなど、扱う素材は企業によって大きく異なります。たとえば自動車では、より軽くて強い材料を使えれば車体の軽量化につながります。電子機器では、熱への強さや電気的な特性などが製品性能を左右することもあります。
研究開発では化学・材料・物理系との接点が強い一方、巨大な生産設備を動かすため、機械・電気系の技術者が生産技術や設備保全などを担うケースもあります。最終製品の名前には出てこなくても、その性能を根本から支えているのが素材メーカーです。
企業例:日本製鉄/AGC/東レ/住友化学/UACJ/NGK
6.プラント・インフラ設備業界
工場や発電設備、水処理施設など、大規模な設備やシステムをつくるのがプラント・インフラ設備業界です。化学プラント、エネルギー設備、水処理設備、環境設備、工場設備など、社会や産業を支えるさまざまな施設に関わります。
こうした巨大な設備は、一種類の技術だけでは完成しません。機械、配管、電気設備、計装、制御システム、建築・土木、化学プロセスなどを組み合わせて設計・建設していきます。そのため、機械、電気電子、化学、土木、建築など、多様な理系専攻が活躍しています。
また、同じ業界でも巨大プラント全体を手掛ける企業から、水処理など特定分野に強みを持つ企業までさまざまです。「一つの製品」よりも「設備やシステム全体」をつくる仕事に興味がある人は注目したい業界です。
企業例:日揮ホールディングス/千代田化工建設/東洋エンジニアリング/JFEエンジニアリング/栗田工業/オルガノ
7.医療・研究機器業界
医療や研究の世界にも、理系学生の技術を活かせるBtoB企業があります。病院で使われる診断・治療機器や検査装置、大学や研究機関、企業の研究開発部門で使われる顕微鏡や分析装置、実験機器などを開発・製造する企業です。
「医療系」と聞くと医学・薬学・生物系のイメージを持つかもしれませんが、装置を開発するには機械設計、回路設計、センサー、光学、画像処理、ソフトウェアなどの技術も必要になります。そのため、機械、電気電子、情報、物理などを学んできた学生にも接点があります。
自分の専攻とは離れているように見える業界でも、「どんな装置が使われているか」まで見ると、意外なつながりが見つかることがあります。
企業例:オリンパス/テルモ/シスメックス/日本電子/PHCホールディングス/エビデント
まとめ
BtoB企業は、一般消費者に向けて商品を販売していないことも多く、普段生活しているだけでは企業名を知る機会が限られます。
しかし、自動車をつくるには部品が必要で、その部品をつくるには材料や製造設備が必要です。さらに、完成した製品の性能や品質を確認するためには計測・検査機器も使われます。このように、一つの製品の裏側には多くのBtoB企業が関わっています。
また、「機械系なら機械メーカー」「情報系ならIT企業」のように、専攻と業界が一対一で決まるわけでもありません。機械系が半導体や医療機器に関わったり、情報系が自動車部品やFAに関わったりと、同じ専攻でも活躍できる業界はさまざまです。
業界研究では、普段知っている企業だけでなく、「その製品の部品は誰がつくっているのか」「工場ではどんな設備が使われているのか」「どんな材料や計測技術が必要なのか」と一段階掘り下げてみると、選択肢を大きく広げられます。
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