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2026年8月18日(更新:2026年8月18日)
インターン後の学生フォローは、早期選考への案内だけではありません。社員面談や限定イベント、一部選考の免除など、インターン中の評価に応じて次の接点を変えている企業もあります。
今回は、メーカー・IT企業で新卒採用に関わる5名へヒアリング。他社がインターン参加者をどのように評価し、その後の採用活動へつなげているのかを紹介します。
目次
インターン後、個別に選考を優遇することはある?
まず、インターン参加者に対し、その後どのような選考・フォローを行っているのかを聞きました。
参加者全員へ同じ早期選考を案内する企業だけでなく、インターン中の評価をもとに社員面談やリクルーター面談を設けたり、選考の一部を免除したりする企業もあります。
Case 1|メーカー・採用担当/従業員約1,000名
あります。参加者全員に早期選考を案内する場合もありますが、その中でも特に評価が高かった学生については採用チーム内で共有しています。技術系インターンでは、担当した技術社員から学生ごとの所感を回収しています。
そこで評価が高かった学生には、通常より早く面接日程を案内したり、選考前に現場社員との面談を設定したりすることがあります。インターン参加者全員の選考フローを大きく変えるというより、その中でも評価の高い学生を個別にフォローするイメージに近いです。
Case 2|IT・人事/従業員約500名
当社ではインターン参加者について、グループワークの成果だけでなく、担当社員から「一緒に働くイメージが持てたか」といったコメントも集めています。一定以上の評価だった学生は、一般エントリーより早い時期に選考を案内することがあります。
また、通常であれば会社説明会から参加してもらうところ、インターン内で十分に会社説明をしている場合は、その工程を省略して面接へ進んでもらうケースもあります。さらに評価が高い学生については、人事面談を設定して志望状況を確認しながら、早めに選考へつなげることもあります。
Case 3|メーカー・人事/従業員約15,000名
インターンの形式によって異なります。1dayなど参加人数が多いプログラムでは、一部の学生だけ選考フローを変えるような個別優遇は基本的に行っておらず、参加者全員へ早期選考をご案内しています。
ただし、その中でも特に良い印象だった学生については、採用担当側で個別にメモを残すことがあります。「ワーク中の理解が早かった」「現場社員からの評価が高かった」といった内容を、その後の面接官へ期待を込めて共有することもあります。もちろん、それによって面接通過が決まるわけではなく、あくまで参考情報の一つです。
一方、職場受入型や数日間のインターンでは、現場社員が学生一人ひとりと接する時間も長いため、個別に評価しています。そこで特に評価が高かった学生には、限定イベントや社員面談を案内したり、1次面接や2次面接などの選考を免除することがあります。
Case 4|メーカー・採用担当/従業員約200名
当社ではインターン終了後に人事と現場社員で一人ずつ振り返っています。そこで評価が高かった学生には、一般公開より前に次のイベントや選考日程を案内することがあります。基本的に少人数で各回実施をしていますので、現場社員から「あの学生は良かった」と名前が挙がると、そのまま次の接点につながりやすいです。
Case 5|IT・人事/従業員約1,000名
個別に対応することはありますが、学生本人へ「選考優遇です」と明確に伝えない場合もあります。たとえば、評価の高かった学生にはインターン終了後すぐにリクルーター面談を設定したり、現場責任者や若手社員と話せる機会を用意したりします。
その中で本人の志望度も高ければ、早期選考へ案内します。評価の高い学生ほど、他社も同様だと思いますので、選考を減らすだけでなくカジュアル面談や会社見学などの機会も設け、社員との接点を増やして意向を上げることも意識しています。
どんな学生を選考優遇したくなる?
続いて、どのような学生に対して「その後の選考でもう一度会いたい」「早めに次の接点を持ちたい」と感じるのかを聞きました。
採用担当者の回答を見ると、成果物の完成度や発言量だけではなく、フィードバック後の変化や周囲との関わり方、振り返りの内容なども評価材料になっています。
Case 1|指摘を受けたあと、次の行動が明らかに変わった
メーカー・採用担当/従業員約1,000名
技術系のワークで、最初の設計案では前提条件の確認が十分ではなく、社員から「この条件まで考慮するとどうなる?」と指摘した学生がいました。その場ではすぐ答えられなかったのですが、休憩中にも資料を見直し、次の検討では自分から条件を整理してグループ内へ共有していました。
最初から一番完成度が高かった学生ではありませんが、指摘された内容をその日のうちに吸収し、行動を変えている点が印象に残りました。新卒では入社時点の完成度だけでなく、入社後にどれだけ吸収して伸びていけるかも見ています。「教えたことを次に活かせる学生だ」と現場からも評価され、次の選考へぜひ案内したい学生になりました。
Case 2|議論を独占せず、止まった場面でチームを前に進めた
IT・人事/従業員約500名
グループワークで、発言量だけを見れば別の学生のほうが多かったです。ただ、その学生は議論が脱線した際に「一度、今回決めることを整理しませんか」と声をかけ、ホワイトボードに論点を書き出していました。また、あまり発言できていなかったメンバーにも「この部分はどう思いますか」と自然に話を振り、自分とは違う意見も取り入れて最終的な発表内容をまとめていました。
実際の仕事では、エンジニアだけでなく営業や企画など、さまざまな人と一緒に仕事を進めます。自分の意見をたくさん話すことよりも、周囲の意見を引き出しながらチームを前に進めていたことから、入社後に働いている姿をイメージしやすく、高い評価になりました。
Case 3|ワークの途中で条件を整理し、提案を修正していた
メーカー・人事/従業員約15,000名
印象に残ったのは、ワークの途中で、最初に考えた案をそのまま進めるのではなく、与えられた条件を整理し直して提案を修正していた学生です。当初は性能面を中心に検討していましたが、途中でコストや製造面まで考える必要があることに気づき、「この案だと実際に作る際に難しくないか」とグループ内へ提案していました。
その際も、自分の意見を押し通すのではなく、なぜ見直したほうがよいのかを根拠とともに説明し、周囲が納得したうえで協力できるように進めていた点が印象的でした。最終案の完成度だけでなく、課題を多面的に捉え、周囲を巻き込みながらより良い案へ修正していく姿勢を評価しました。
Case 4|人事の前では目立たなかったが、現場社員3名から名前が挙がった
メーカー・採用担当/従業員約200名
最終発表の担当者でも、グループリーダーでもなかった学生です。人事から見ると、インターン中盤までは特別目立つ印象ではありませんでした。ところが終了後に現場社員へ感想を聞くと、3名から同じ学生の名前が挙がりました。
「作業をお願いすると、認識が合っているか確認してから進めていた」「他の学生が困っていると自然に手伝っていた」「社員の説明をメモして、休憩時間に追加で質問しに来た」といった内容です。一つひとつは目立つ行動ではありませんが、複数の社員から同じような評価が出る学生は信頼できます。
Case 5|ワークでは苦戦したが、終了後の振り返りで評価が上がった
IT・人事/従業員約1,000名
課題を時間内にまとめきれず、発表の完成度も他のグループほど高くなかった学生がいました。インターン中の成果だけで見ると、トップ評価ではありませんでした。ただ、最後の振り返りで「途中から実装を急ぎすぎて、最初に役割分担を決めなかったことが原因だったと思います」「次に同じ課題をやるなら、最初の20分で要件と役割を整理します」と具体的に話していました。
うまくいかなかった理由をメンバーや時間のせいだけにせず、自分自身の行動まで振り返れていた点が印象に残りました。インターンで一番成果を出した学生ではありませんでしたが、「もう一度選考で話してみたい」と評価が上がりました。
インターン中に評価が下がりやすい学生は?
反対に、どのような行動を見ると、その後の選考へ積極的に案内しにくくなるのかも聞きました。採用担当者が直接見ている場面だけでなく、現場社員や他の参加者との関わり方が評価へ影響するケースもあります。
Case 1|自分の考えに固執し、周囲の意見を受け入れない
メーカー・採用担当/従業員約1,000名
自分の考えを持っていること自体は良いのですが、社員や他の参加者から別の意見が出ても、ほとんど受け入れずに自分の案を通そうとする学生は気になります。以前、グループワークで社員から「この条件も考慮してみては」と助言した際も、「自分はこの方法が良いと思います」と考えを変えず、メンバーから別案が出ても十分に検討しないまま進めようとする学生がいました。
結果として、議論が広がらず、周囲も意見を出しにくい雰囲気になっていました。自分の意見を持ちながらも、相手の考えを聞き、必要に応じて修正できるかは、チームで働くうえでも見ています。
Case 2|自分の意見を押し通し、周囲が話せなくなっていた
IT・人事/従業員約500名
積極的に発言すること自体はプラスです。一方で、他のメンバーの話を遮ったり、自分と違う意見が出るたびにすぐ否定したりすると評価は難しくなります。技術的な知識は参加者の中でも高かったものの、他の学生が意見を出すたびに「それだと難しいと思います」と結論づけてしまう学生がいました。
途中から周囲の学生がほとんど発言しなくなり、最終的には一人で議論を進めているような状態になっていました。個人として優秀でも、実際の仕事ではチームで進める場面が多いため、一緒に働くイメージを持てず、その後の選考では慎重になります。
Case 3|最後まで受け身で、仕事への関心が見えにくい
メーカー・人事/従業員約15,000名
真面目に参加していても、指示されたことだけを進め、社員から声をかけないとほとんど自分から動かない学生は評価しづらいことがあります。質問数が少ないだけで評価を下げることはありません。
ただ、実際の仕事を体験したあとも「特に気になったことはありません」で終わり、振り返りでも仕事内容への関心や気づきがほとんど見えないと、志望度を判断しにくくなります。インターンでは、積極的に目立つ必要はありませんが、体験したことから自分なりに考えたり、仕事を理解しようとする姿勢が見えるかは確認しています。
Case 4|相手によって態度が変わる
メーカー・採用担当/従業員約200名
採用担当や役職のある社員には非常に丁寧なのに、若手社員や他の参加学生への接し方が明らかに違う場合は気になります。以前、社員との座談会では積極的に質問していた一方、準備を手伝っていた若手社員から声をかけられた際にはほとんど反応せず、グループの学生に対しても強い言い方をする学生がいました。
人事だけを見て行動している学生よりも、普段どのように周囲と接しているかのほうが、実際に入社したあとの姿に近いと考えています。インターンでは複数の社員が学生と関わるため、こうした場面も最終的には人事へ共有されます。
Case 5|うまくいかなかった理由を、周囲のせいだけにする
IT・人事/従業員約1,000名
ワークで失敗したことや、発表がうまくいかなかったことだけで評価を下げることはありません。むしろ、その後どのように振り返るかを見ています。一方で、「メンバーが動いてくれなかった」「説明時間が短かったから仕方ない」など、うまくいかなかった理由をすべて周囲や環境に置いてしまう学生は気になります。
同じ失敗でも、「自分から役割を確認すればよかった」「途中で一度進捗を合わせるべきだった」と自分の行動まで振り返れる学生とは印象が大きく変わります。仕事でも想定通りに進まないことはあるため、そのときに自分で改善できる人かどうかは見ています。
ヒアリングから見えた共通点
5名のヒアリングを見ると、インターン後の選考優遇やフォロー方法は企業ごとに異なります。一方で、学生を評価する考え方や、インターンから次の採用接点へつなげる方法にはいくつか共通点があります。
最終成果だけで学生を評価していない
今回の事例では、最初から最も完成度の高い成果を出した学生だけが評価されているわけではありません。フィードバックを受けたあとに行動が変わった学生や、失敗した原因を自分自身の行動まで含めて振り返った学生についても、その後の評価が上がっています。
インターンを選考要素として活用する場合、最終発表や成果物だけでなく、「フィードバック後の変化」「途中の意思決定」「振り返り」まで確認できる設計にすることで、学生の特性をより多面的に把握できます。
発言量よりも、チームの中での行動が見られている
積極的に発言する学生が必ずしも高く評価されるわけではありません。議論が止まった際に論点を整理する、他の参加者へ自然に話を振る、自分とは異なる意見を取り入れるなど、チーム全体を前に進める行動が評価された事例もありました。
一方で、知識や発言量が多くても、自分の意見を押し通して周囲が発言できなくなれば、その後の選考では慎重になるという声もあります。グループワークを評価する際は、発表結果だけでなく、途中のコミュニケーションや役割の取り方まで現場社員から所感を集めることも有効です。
人事だけでは拾えない評価がある
特徴的だったのが、人事からは目立って見えなかった学生について、複数の現場社員から名前が挙がった事例です。認識を確認してから作業する、困っている参加者を手伝う、説明をメモして追加で質問するなど、日常的な行動は最終発表だけでは把握しにくい部分です。
反対に、人事には丁寧でも若手社員や参加学生への態度が異なるなど、現場側だからこそ気づけるポイントもあります。インターン終了後に人事だけで評価を決めるのではなく、学生と接した社員から所感を回収する仕組みを設けることが、評価の偏りを抑えるうえでも重要になります。
1dayと複数日程では、選考への反映方法を変えている企業もある
今回のヒアリングでは、1dayなど参加人数の多いインターンについては、参加者全員へ同じ早期選考を案内し、一部の学生だけ選考フローを変更しない企業もありました。ただし、その場合でも印象の良かった学生については個別にメモを残し、面接官へ共有しています。
一方、職場受入型や複数daysでは、一人ひとりを見る時間が長いため、社員面談や限定イベント、一部面接免除など、評価をより直接的にその後の選考へ反映している事例がありました。インターンの期間や参加人数によって、評価方法とその後のフォローを分けて考える方法もあります。
高評価者へのアプローチは「選考短縮」だけではない
今回挙がった施策は、早期選考や面接免除だけではありません。社員面談、リクルーター面談、限定イベント、会社見学、カジュアル面談などを通じて、評価の高い学生との接点を増やしている企業もあります。
特に評価の高い学生は、他社でも同様に高く評価されている可能性があります。単純に選考期間を短縮するだけでなく、学生の志望状況を確認しながら、自社理解や社員との関係構築につながる接点を設けることも一つの方法です。
インターン後の採用施策を考えるうえでのポイント
今回のヒアリング事例からは、インターンを単発のイベントとして終わらせず、その後の採用活動へつなげるためのいくつかのポイントが見えてきます。
誰が、どの場面を評価するかを決めておく
インターン中の学生を見るのは人事だけではありません。技術系インターンや職場受入型では、現場社員のほうが学生と長い時間を過ごすケースもあります。そのため、人事が確認する項目と現場社員から回収する項目を事前に整理しておくと、終了後の評価をまとめやすくなります。
特に、発表結果だけでは見えにくい「周囲との関わり方」「フィードバックへの反応」「仕事への関心」「普段の振る舞い」などは、現場社員の所感も参考になります。
インターン終了後に評価を共有する場をつくる
少人数のインターンでは、終了後に人事と現場社員で参加者一人ひとりを振り返っている企業もありました。現場社員から名前が挙がった学生をそのまま次の接点へつなげるなど、評価とフォローを連動させています。
規模の大きなインターンで全員を詳細に振り返ることが難しい場合でも、特に印象に残った学生だけを共有してもらう方法であれば運用しやすくなります。
評価に応じた次の接点を複数用意する
評価の高い学生全員に同じ優遇を行う必要はありません。早期選考へ案内する、社員面談を設ける、現場責任者と話せる機会をつくる、限定イベントへ案内するなど、学生の志望度やインターン内での評価に応じて接点を変えている企業もあります。
選考短縮だけではなく、学生の意向を高めるための接点も含めて設計すると、インターン後のフォローに幅を持たせやすくなります。
評価の高い学生ほど、企業側も選ばれる立場になる
Case 5では、評価の高い学生について、選考を減らすだけでなく会社見学やカジュアル面談などを設け、社員との接点を増やしているという回答がありました。インターンで自社が学生を評価する一方、学生も実際の仕事内容や社員との関わりを通じて企業を見ています。
特に高評価の学生ほど複数社から早期選考や個別フォローを受ける可能性があります。インターン終了後は「次の選考へ進めるか」だけでなく、「どのような接点をつくれば自社への理解や志望度が高まるか」まで含めて考える必要があります。
まとめ
今回の5名へのヒアリングでは、インターン中の評価を、早期選考や面接免除、社員面談、限定イベント、リクルーター面談など、その後の採用活動へ反映している事例がありました。一方、参加人数の多い1dayでは全員へ同じ早期選考を案内しつつ、特に評価の高かった学生だけを社内で共有するなど、インターンの形式によって運用を変えている企業もあります。
また、評価対象となっていたのは、技術力や最終成果、発言量だけではありません。フィードバック後の変化、周囲との協働、仕事への関心、普段の接し方、うまくいかなかった際の振り返りなども、その後の評価につながっています。
インターンを採用活動につなげるうえでは、「どの学生を高く評価するか」だけでなく、誰がどの場面を見るのか、現場社員の所感をどう集めるのか、評価した学生へどのような次の接点を用意するのかまで設計しておくことが重要です。
同時に、インターンは企業が学生を見る場であるだけでなく、学生が企業を見る場でもあります。評価の高い学生との採用につなげるためには、選考上の優遇だけでなく、社員との接点や仕事理解を深める機会まで含めたフォロー設計が求められます。
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