採用コンテンツ、どう作る?採用サイト・SNS・動画を始める前に考えたいこと

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採用サイト、動画、SNS、社員インタビューなど、採用コンテンツにはさまざまな形があります。

ただし、最初から「何を作るか」を決めると、本来の採用課題から離れてしまうこともあります。今回は、制作物を決める前に考えたい採用コンテンツ設計のポイントを紹介します。

採用コンテンツは「何を作るか」から考えない

採用コンテンツという言葉から、採用サイトの記事、社員インタビュー、動画、SNSなどを思い浮かべる方も多いでしょう。

 

ただ、企業によって採用上の課題は異なります。例えば、企業自体が知られていないのであれば、まず認知を広げる施策が必要です。一方で、スカウトは開封されるものの応募につながっていないのであれば、仕事内容や働くイメージを補う情報が必要かもしれません。

 

仕事内容への理解が浅いのであれば職種紹介、入社後への不安が強いのであれば若手社員の事例、選考途中の辞退が多いのであれば選考前後の情報提供を見直す方法もあります。

 

場合によっては、新しい記事や動画を作るよりも、求人票やスカウト文面、説明会資料を改善する方が課題に合っていることもあります。「記事を作る」「動画を作る」と先に決めるのではなく、まず採用活動のどこに課題があるのかを整理することから始めます。

 

「見せたい内容」と「見たい内容」はズレることがある

企業が伝えたいことと、学生や求職者が知りたいことは、必ずしも同じとは限りません。

 

例えば、企業としては理念や社風、オフィス、福利厚生などをしっかり見せたいと考えていても、求職者側は「実際にどんな仕事をするのか」「若手はどこまで任されるのか」「入社後にどのように仕事を覚えていくのか」といった、より具体的な情報を求めていることがあります。

 

採用コンテンツを作るときは、自社として発信したい情報だけで構成するのではなく、求職者が企業を知り、応募するかどうかを考えるうえで、どんな情報が必要なのかも合わせて考えたいところです。

 

実際に説明会や面接でよく聞かれる質問や、候補者とのやり取りの中で繰り返し出てくる疑問は、コンテンツを考えるヒントにもなります。

 

採用サイトは作り込むだけで完結しない

採用サイトのリニューアルに大きな予算をかけるケースもあります。デザインを刷新し、写真を撮影し、社員インタビューやメッセージを充実させれば、サイト自体の完成度は高くなります。

 

ただし、採用成果まで考えるのであれば、その先も考える必要があります。まず、その採用サイトをどのように見てもらうのでしょうか。求人媒体から流入するのか、スカウトメールから見るのか、SNSから知るのか、会社名を検索して訪れるのか。どれだけ良い採用サイトを作っても、対象となる人へつながる導線が弱ければ、十分に活用されない可能性があります。

 

さらに、訪問した学生や求職者が何を感じるかも重要です。デザイン性が高くても、抽象的なメッセージが中心で仕事内容が分からなければ、応募判断の材料としては不足するかもしれません。反対に、見た目はシンプルでも、仕事内容や社員の経験、キャリアなどが具体的に掲載されていれば、企業理解につながることがあります。

 

採用サイトは「何を載せるか」だけでなく、「どう見てもらうか」「対象者が見たときにどう感じるか」まで含めて考えていきます。

 

「自社では楽しそう」と「求職者から魅力的」は同じとは限らない

動画やSNSでは、特に作り手側の感覚と求職者側の受け取り方に差が生まれることがあります。

 

例えば、「社員みんなで動画を撮ったら楽しそう」「流行している企画をやってみよう」と社内で盛り上がることがあります。社員の雰囲気や親しみやすさを伝えることは、採用広報の一つの方法です。ただ、一度考えたいのが、それを学生や求職者が見たときにどう感じるかです。

 

マイナビが2026年卒予定の大学生・大学院生を対象に実施した調査では、企業が発信しているとマイナスなイメージを持つコンテンツとして「TikTokで新入社員が踊る」「ダンスやふざけた動画」といった声が紹介されています。一方で、1日のスケジュールや社員の雰囲気、福利厚生の詳しい説明などを求める声もあります。

 

また、2026年には鉄道電気工事会社が訓練設備上で社員が踊るTikTok動画を公開し、SNS上で批判が広がって炎上に繋がった事例も報じられました。会社側には若い世代へ業界や仕事を知ってもらいたい意図がありましたが、発信側の意図と外部からの受け取られ方が異なる結果となりました。

 

これは、ダンス動画そのものが悪いという話ではありません。企業側では「楽しそうな会社」「社員同士の仲が良い会社」と伝えたかったものが、人によっては「内輪の盛り上がりが強そう」「自分も同じことを求められるのでは」と受け取られる可能性があります。

 

「自社でやったら楽しそう」という視点だけで判断せず、採用したい人が見たときにどう映るかという視点も持っておきたいところです。

 

SNSは「どれだけ伸びたか」と「誰に届いたか」の両方を見る

SNSでは、フォロワー数、いいね数、再生回数など、成果が数字として見えやすくなります。

 

こうした数字を見ることは重要です。投稿に大きな反響があれば、それだけ多くの人に知られる機会が増え、その中に学生や求職者が含まれる可能性も高まります。

 

実際に、TikTokで大きな反響を得たことが採用認知につながった企業事例もあります。ITmedia ビジネスオンラインの記事では、三陽工業の事例として、TikTokを見た就活生が実際に選考へ進み入社したほか、面接受験者の多くがTikTokを見ていたことが紹介されています。

 

一方で、数字そのものを目的として追いすぎると、採用目的とのズレが生まれることがあります。例えば、企業公式アカウント同士がつながり、互いの投稿に反応したりすることで、投稿への反応が大きくなるケースがあります。企業同士の交流にも価値はありますが、採用を目的とするなら、その反応が学生や求職者にも届いているかは別に確認したいところです。

 

再生数が増えることも、フォロワーが増えることもプラスです。その上で、「どのような人に見られているのか」「採用したい層にも届いているのか」「その後、採用ページや求人まで見てもらえているのか」まで合わせて確認します。数値を追うことと、その数値の中身を見ることは両立します。

 

コンテンツの形式は目的から逆算する

課題と対象者が整理できたら、そこで初めてコンテンツの形式を考えます。会社自体を知られていないのであれば、SNSや広告、ショート動画など、まず接点を増やす手段が候補になります。

 

仕事内容が伝わっていないのであれば、職種紹介や社員インタビュー、仕事紹介動画などが考えられます。スカウト後の応募率が低いのであれば、求人情報やスカウト文面を見直した上で、社員記事や仕事内容紹介への導線を追加する方法もあります。入社後のイメージが湧きにくいのであれば、若手社員のキャリアや1日の仕事、プロジェクト事例なども考えられます。

 

採用コンテンツは、記事や動画だけではありません。求人票、スカウト文面、説明会資料、FAQ、選考案内なども、候補者が企業を理解し、判断するための重要な情報です。

 

また、一つの企画を一つの形式だけで終わらせる必要もありません。例えば社員への取材を行った場合、その内容を社員インタビュー記事として掲載し、一部をショート動画やSNS投稿に展開し、スカウトや説明会から記事へ誘導するといった使い方もできます。

 

「何を作りたいか」ではなく、「今の採用課題に対して何が必要か」から形式を選んでいきます。

 

作った後は数値と実際の反応を合わせて見る

採用コンテンツは、公開して終わりではありません。採用サイトであれば閲覧数、SNSであれば再生数や反応、スカウトであれば開封率や返信率など、定量的な数字を見ることで改善点を探せます。

 

その上で、学生や求職者の実際の反応も確認します。例えば、「社員インタビューを見て仕事内容を理解できた」「動画を見て会社を初めて知った」「採用サイトを見たが、配属について分からなかった」といった声は、数字だけでは把握できない情報です。

 

説明会や面接で毎回同じ質問を受けているのであれば、求職者が知りたい情報を事前に十分届けられていない可能性もあります。その質問自体が、次に作るコンテンツのヒントになることもあります。

 

数字で全体の動きを見ながら、誰に届き、どのように受け取られているのかも確認する。その両方から改善を続けていくことが重要です。

 

まとめ

採用コンテンツを考えるとき、「採用サイトを作ろう」「動画を作ろう」「SNSを始めよう」と形式から決める必要はありません。

 

まず考えたいのは、採用活動のどこに課題があり、誰に、何を伝えたいのかということです。その上で、企業が見せたい内容と学生・求職者が見たい内容にズレが生まれていないか、作ったコンテンツをどのように届けるのか、対象者からどのように受け取られているのかを見ていきます。

 

採用サイトの閲覧数、動画の再生数、SNSのフォロワー数といった数値も大切です。ただ、数値だけを追うのではなく、その先にどのような人がいて、採用活動にどうつながっているのかまで見ることで、次に作るべきものも変わってきます。

 

採用コンテンツは、「何を作るか」だけでなく、「誰にどう届き、何につなげるか」まで考えて設計していきましょう。

 

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