- インターンシップ
- 新卒採用
- 29卒
- 28卒
2026年5月13日(更新:2026年5月13日)
理系新卒採用において、インターンシップは学生との重要な接点です。一方で、「どのような企画にすればよいか分からない」「実施はしているが、学生の志望度につながっている実感がない」と悩む企業も少なくありません。
理系学生向けのインターンシップでは、会社説明だけでなく、仕事内容や職種理解、社員との接点、専門性の活かされ方をどう伝えるかが重要です。この記事では、理系採用に取り組む企業向けに、インターンシップの企画例や実施期間中に意識したいポイントを整理します。
目次
理系採用でインターンシップが重要な理由
理系新卒採用において、インターンシップは単なる企業紹介の場ではありません。学生が企業や職種を理解し、自分の専門性や志向と合うかどうかを判断する重要な機会です。
特に理系学生は、研究内容や専攻、学んできた技術が実際の仕事にどうつながるのかを重視する傾向があります。そのため、会社説明だけではなく、仕事内容や職場の雰囲気、技術の使われ方、社員の考え方まで伝えられるインターンシップは、企業理解を深めるうえで有効です。
リケイマッチが理系学部生を対象に実施した調査では、インターンシップに期待することとして「業界・職種・企業の理解を深めること」が48.6%、「実務・実践の経験を積むこと」が43.2%となっています。
また、インディードリクルートパートナーズの2027年卒学生向け調査でも、インターンシップ等のキャリア形成支援プログラムに応募したきっかけは、「業種理解を深めたいと考えたから」が53.8%、「企業の社風や職場の雰囲気を見たいと考えたから」が53.5%でした。
これらの結果からも、学生はインターンシップを単なる選考前イベントではなく、業界理解、職種理解、職場理解、実務体験の機会として見ていることが分かります。また、同調査では「採用選考に有利に働くと考えたから」も48.6%となっており、学生にとってインターンシップは、その後の選考も見据えた重要な接点になっています。
企業側にとっても、学生と早期に接点を持ち、自社の仕事や魅力を伝えられる重要な採用広報の機会です。特に理系職種では、仕事内容が外から見えにくいことがあります。例えば、研究開発、設計、生産技術、品質保証、解析、評価、システムエンジニア、データサイエンティストなどは、職種名だけでは学生に十分伝わらない場合があります。
インターンシップを通じて、仕事の具体性や社員のリアルを伝えることができれば、学生の理解や志望度につながりやすくなります。
インターンシップの種類を整理する
インターンシップを企画する際は、まず自社が実施しようとしているプログラムが、どの位置づけに近いのかを整理することが重要です。現在、学生向けの早期接点施策には、1dayの会社紹介イベントから、数日間の就業体験、長期間の実務型プログラムまでさまざまなものがあります。
三省合意(文部科学省、厚生労働省、経済産業省)により再定義されたインターンシップの分類ごとに整理すると、以下のようなタイプがあります。
・タイプ1:オープン・カンパニー
個社や業界に関する情報提供・PRを目的としたプログラムです。実施期間は1日が中心で、就業体験は必須ではありません。企業説明会、業界研究イベント、職種紹介、社員座談会などは、このタイプに近い内容です。
・タイプ2:キャリア教育
働くことへの理解を深めるための教育プログラムです。実施期間はプログラムによって異なり、就業体験は任意です。業界理解、仕事理解、キャリア形成、社会人との対話などを通じて、学生が自分の将来を考えるきっかけを作る内容が中心になります。
・タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップ
就業体験を通じて、学生は自らの能力や適性を見極め、企業は学生の評価材料を得ることができるプログラムです。汎用的能力活用型は5日間以上が目安となり、就業体験が必須です。
理系学生向けであれば、課題解決ワーク、開発体験、データ分析、設計・評価体験、現場実習など、仕事に近い体験を組み込むことが考えられます。
・タイプ4:高度専門型インターンシップ
より高度な専門性を活かす長期型のプログラムです。就業体験を通じて、学生は実践力を高め、企業は学生の評価材料を得ることができます。実施期間は2ヶ月以上が目安となり、就業体験が必須です。
研究開発、AI・データ分析、高度なエンジニアリング、専門技術を活かした実務参加など、より実践的な内容が想定されます。
このように、インターンシップと一口に言っても、目的や実施期間、就業体験の有無によって位置づけは異なります。採用担当者は「学生との接点を作りたいのか」「業界理解を促したいのか」「職種理解を深めたいのか」「評価材料を得たいのか」によって、企画の設計を変える必要があります。
また、タイプ3・タイプ4のような就業体験を伴うプログラムでは、学生へのフィードバックや実施内容の設計もより重要になります。学生を集めるだけでなく、参加した学生が何を学び、企業側が何を見極めるのかまで整理しておくことが大切です。
インターンシップ企画を考える前に整理したいこと
インターンシップを企画する際は、まず「何を体験してもらうか」よりも、「何を理解してもらいたいか」を整理することが重要です。
企画内容だけを先に考えると、学生にとって楽しいイベントにはなっても、採用につながる理解が十分に残らないことがあります。まずは、以下のような観点を整理するとよいでしょう。
・どの専攻の学生に来てほしいのか
・どの職種を理解してもらいたいのか
・自社のどの魅力を伝えたいのか
・学生にどのような体験をしてほしいのか
・インターン後にどのような状態になってほしいのか
例えば、機械系学生に設計職や生産技術職を理解してほしい場合と、情報系学生にWeb開発や組み込み開発を理解してほしい場合では、企画内容は変わります。また、同じ技術系職種でも、研究、設計、品質保証、生産技術、SE、AIエンジニア等では伝えるべき内容が異なります。
理系学生向けのインターンシップでは、学生の専攻や関心と、実際の仕事内容をどうつなぐかが重要です。そのため、採用担当者だけで企画を考えるのではなく、現場社員や若手技術者を巻き込みながら設計することが望ましいです。現場の協力があることで、仕事内容の具体性や技術の面白さが伝わりやすくなります。
また、インターンシップ後の導線も事前に考えておく必要があります。説明会、座談会、個別面談、早期選考、OB・OG面談など、次にどの接点へつなげるのかが曖昧だと、せっかく接点を持った学生との関係が途切れてしまうことがあります。
インターンシップは単発のイベントではなく、その後の採用活動につながる接点として設計することが重要です。
理系学生向けインターンシップの企画例
理系学生向けのインターンシップでは、会社説明だけでなく、仕事理解や職種理解につながる体験を設計することが重要です。
リケイマッチが理系学部生を対象に実施した調査では、「インターンで最も希望するコンテンツ」として「仕事を実際に体験できる」を選んだ学生が67.6%と最も多くなりました。この結果からも、理系学生向けのインターンシップでは、会社説明やセミナーだけで終わらせるのではなく、実際の仕事に近い体験をどう設計するかが重要だと考えられます。
以下では、メーカー、IT企業、その他技術系職種の採用を行う企業で実施しやすい企画例を紹介します。
・職種理解ワーク
職種理解ワークは、研究開発・設計・生産技術・ITエンジニアなど、各職種の役割を理解してもらう企画です。例えば、製品やサービスが完成するまでの流れを示し、それぞれの工程でどの職種が何を担当しているのかを整理します。学生にとっては、職種名だけでは分かりにくい仕事内容を具体的に理解できる機会になります。
特に理系学生は、「自分の専攻がどの職種に活かせるのか」を知りたい場合が多いため、専攻と職種のつながりまで説明すると効果的です。
・課題解決型ワーク
課題解決型ワークでは、実際の事業や仕事に近いテーマを題材に、課題設定、調査、仮説検証、提案、発表などを体験してもらいます。メーカーであれば、製品改善、工程改善、不具合解析、品質向上などがテーマになります。IT企業であれば、サービス改善、ユーザー課題の整理、システム設計、データ活用、UI/UX改善などが考えられます。
その他の技術系企業でも、顧客課題の解決、新規サービスの提案、業務改善、技術活用などをテーマにできます。重要なのは、実際の仕事で求められる考え方に触れてもらうことです。
・開発体験ワーク
開発体験ワークでは、製品、システム、サービスなどを題材に、企画、仕様検討、設計、実装、評価、改善といった流れを体験してもらいます。本格的な技術開発を行う必要はありません。重要なのは、開発の仕事が単に「作る」だけではなく、顧客課題、品質、コスト、安全性、使いやすさ、運用性などを考えながら進められていることを伝えることです。
■開発体験ワークの一例
・既存製品やサービスの改善案を考える
・顧客課題に対する仕様を検討する
・品質とコストを両立する案を考える
・ユーザー体験を改善する案を考える
・データをもとに改善施策を提案する
こうしたワークを通じて、学生はビジネス視点を踏まえた考え方を体験できます。
・データ分析・AI活用ワーク
AIの導入に積極的な企業では、データ分析やAI活用をテーマにしたインターンシップも有効です。例えば、架空のデータや公開データを使い、課題を設定し、分析結果から改善提案を行う企画が考えられます。メーカーであれば、生産データ、不良率、設備稼働、品質データなどを題材にできます。
IT企業であれば、ユーザー行動、サービス利用データ、ログデータ、マーケティングデータなどを扱えます。データを扱う仕事は、職種名だけではイメージしにくいことも多いため、インターンシップで実際に体験してもらうことで、仕事理解が深まりやすくなります。
・品質保証・不具合解析ワーク
品質保証や不具合解析をテーマにしたワークも、理系学生にとって学びの多い企画です。例えば、製品やシステムに不具合が発生したという設定で、原因を推定し、検証方法や再発防止策を考えてもらいます。この企画では、論理的思考力、データを見る力、仮説検証力を体験してもらえます。
また、品質保証が検査だけに留まらず、製品やサービスの信頼性、顧客満足に関わる重要な仕事であることも伝えやすくなります。
・若手社員座談会
若手社員座談会は、学生の企業理解や志望度に影響しやすい企画です。特に理系学生は、年齢や専攻が近い社員の話を参考にすることが多くあります。
■座談会で話す内容例
・学生時代の専攻や研究内容
・入社理由
・現在の仕事内容
・入社前後のギャップ
・仕事で難しかったこと
・学生時代の学びが活きている場面
・就活時に見ていたポイント
会社説明では伝わりにくいリアルな情報を、若手社員の言葉で伝えることで、学生は入社後のイメージを持ちやすくなります。
・職場見学・オフィス見学・現場見学
職場見学や現場見学は、企業の雰囲気を伝えやすい企画です。
メーカーであれば、工場、研究所、開発拠点などを見せることで、仕事の規模感や現場のリアルを伝えられます。IT企業であれば、オフィス、開発環境、チームの働き方、ミーティングの雰囲気などを紹介できます。学びを深く得るためにも、「何を見るべきか」を事前に伝えておくことも重要です。
どの職種がどこに関わっているのか、どの部分に技術的な工夫があるのか、どのようなチームで仕事をしているのかを説明しながら進めると、理解が深まりやすくなります。
・複数daysの課題解決型インターン
複数daysのインターンシップでは、学生により深く企業や職種を理解してもらうことができます。1日目に会社理解や職種理解を行い、2日目以降で課題解決ワーク、現場社員とのフィードバック、最終発表などを組み込む構成が考えられます。
複数daysの良さは、学生が社員や会社の雰囲気に触れる時間が長くなることです。そのため、ワークを行うだけでなく、社員との対話、フィードバック、振り返りの時間を設けることが重要です。学生にとっても、複数日かけて参加することで、仕事の理解や企業への印象が深まりやすくなります。
実施期間中に意識したいポイント
インターンシップは、企画内容だけで成果が決まるわけではありません。同じ企画であっても、実施期間中の関わり方によって、学生の満足度や志望度は大きく変わります。「参加してよかった」と感じてもらうためには、仕事理解、社員との接点、フィードバック、次の案内まで含めて設計することが大切です。
・学生を「お客様扱い」しすぎない
インターンシップでは、学生に良い印象を持ってもらうことも大切ですが、過度にお客様扱いする必要はありません。むしろ、実際の仕事に近い考え方や難しさを伝えることで、学生にとって学びのある時間になります。ただし、放置するのではなく、適切にサポートしながら考えてもらうことが重要です。
・仕事のリアルを伝える
良い面だけでなく、仕事の難しさや大変さも含めて伝えることが大切です。例えば、開発では品質やコスト、安全性を同時に考える必要があること、システム開発では要件や運用まで見据える必要があることなどです。仕事のリアルを伝えることで、入社後のミスマッチ防止にもつながります。
・学生の発言や質問を拾う
インターンシップ中は、学生の発言や質問を丁寧に拾うことが重要です。学生は、社員の何気ない対応から企業の雰囲気を感じ取っています。質問に対して丁寧に答える、発表に対して具体的なフィードバックをする、学生の考えを尊重するなどの対応が、企業への印象につながります。
・現場社員の関わり方を設計する
インターンシップでは、現場社員の関わり方が非常に重要です。学生は、人事担当者の説明だけでなく、若手やベテランなどの技術者・エンジニアの話も聞きたいと考えています。協力を依頼する場合、任せきりにするのではなく、事前に目的や伝えてほしいことを共有しておく必要もあります。
・フィードバックを行う
学生にとって、社員からのフィードバックは印象に残りやすい要素です。発表やワークに対して、「良かったです」で終わらせるのではなく、どの視点が良かったのか、実務ではどのように考えるのか、次に改善するとしたら何かを伝えることで、学びのあるインターンシップになります。
・次の接点を明確にする
インターンシップ終了後に、次の接点を明確にしておくことも重要です。説明会、座談会、早期選考、個別面談、OB・OG面談など、どのような機会があるのかを伝えることで、学生との関係を継続しやすくなります。単発で終わらせず、その後の採用活動につながる接点として設計することが大切です。
学生の志望度につながるインターンシップとは
学生の志望度につながるインターンシップには、いくつかの共通点があります。
・仕事内容の理解
仕事内容の理解が深まるかどうかは重要です。学生は、会社の知名度や制度だけでなく、入社後に自分が何をするのかを知りたいと考えています。そのため、実際の職種や業務に近い体験があると、企業理解が深まりやすくなります。
・社員との接点
社員との接点も欠かせません。学生は、社員の話し方、考え方、雰囲気から、その企業が自分に合うかどうかを判断しています。特に複数daysのインターンシップでは、社員との接点が学生の意向に影響しやすくなります。
・入社後のキャリア
インターンを通して、学生が「自分もここで働きたい」と感じられることも重要です。一連のインターンシップ体験を通じて、入社後のキャリアを描いてもらえるか、モチベーションが高まるかなどは、最終的な入社意思にも影響します。
インターンシップは、学生が企業を知るだけでなく、自分の学びや専門性、将来のキャリアを考えるきっかけにもなります。だからこそ、企業側は説明するだけではなく、学生が自分ごととして仕事を理解できる場として設計することが重要です。
【27卒学生のインターン体験例】
インターンシップを通した一連の体験が、学生の企業選びや志望度に影響するケースは少なくありません。リケイマッチでは、複数daysインターンを中心に参加し、夏と秋冬インターンのどちらにも参加した企業へ内定承諾した学生へのインタビューも行っています。
概要として、就職活動で複数daysインターンを中心に、企業理解を深めながら選考に進んでいました。数日間かけて社員と関わり、仕事の進め方や企業の雰囲気など一連の体験を通して、その企業への理解や意向が高まっていった点が特徴です。
※参考記事:リケイマッチ長期インターン生の取り組みと就活体験|プロダクトデザインの就活と意識したこと
まとめ
理系新卒採用において、インターンシップは学生との重要な接点です。特に技術系職種では、仕事内容や職種の違いが外から見えにくいため、インターンシップを通じて仕事の具体性や社員の雰囲気を伝えることが重要です。
一方で、インターンシップと呼ばれる取り組みにも、オープン・カンパニー、キャリア教育、就業体験を伴うインターンシップ、高度専門型インターンシップなど、複数のタイプがあります。そのため、自社が実施するプログラムの目的を明確にし、「学生に何を理解してもらいたいのか」「どのような体験を提供するのか」を整理することが大切です。
ただし、インターンシップは企画内容だけで決まるものではありません。実施期間中に、学生の質問を丁寧に拾うこと、現場社員との接点を設計すること、具体的なフィードバックを行うこと、次の接点を明確にすることが重要です。
理系採用でインターンシップを実施する際は、「何をやるか」だけでなく、学生が仕事内容や職場の魅力を実感できる体験を設計し、満足度や志望度、入社後の活躍イメージにつなげていくことが大切です。
■関連情報
【企業様向け】
・理系採用ダイレクトリクルーティング「リケイマッチ」
・採用広報や会社理解促進「採用動画制作」
・採用戦略の企画・設計「採用コンサルティング」
各サービスの詳細や採用に関するご相談については、上記リンクよりご確認ください。
【求職者様向け】
・理系新卒向け逆求人サイト「リケイマッチ」
・理系既卒・第二新卒の求人サイト(β)も「リケイマッチ」
・理系就活の情報を発信「理系就活コンテンツ」
